「1・29・300」
あるところで、この数列を見た。
「なんの事だろう。」と気に留めた。
便利な時代です。
喫茶店でコーヒーを飲みながら、
携帯アプリを使って検索できます。
古希を過ぎても、知らないことだらけです。
見過ごしてしまいがちなことです。
それにしても、気に留めた場所がレストランです。
顧客の目に触れることない厨房の壁に貼ってありました。
カウンター越しに目に留まったのです。
一瞬の出来事です。
瞬時にこの数列を記憶に留まる。
「どんな意味を含んでいるのだろう?」
未知の分野への興味が募ります。
「何やってんの?」
「・・・・・」携帯アプリで検索に夢中。
「喫茶店でコーヒー飲みながら、お話しできないの?」
「何のお話?」
「だから,今何やってんの?」
慣れない携帯アプリの検索を中断せざるを得ません。
「1・29・300って知ってる? 今検索中だったの」
「それって、何とかの法則よ。」
「知ってるの?」
「知らないの? それとも忘れてしまったの?」
「だから何なんだよ?」
「法則の名称は思い出せないが、その意味だけは覚えている。」
「どんなこと?」
「一つの重大事故の背景には、29件の軽微な事故が伴っており、
更にその背景には、300もののミスや異常が存在する、と云うこと。」
「似たようなことを聞いた思えがある。」
「聞いた事って? 口頭で伝達したことないの?」
「何が言いたいの?」
「よくそれで、上司が務まったね、と言いたいの。」
「馬鹿にするな!」
「顧客からの一件のクレームの背景には、多くの顧客の不満が存在する、と教わってきたの」
「すごい記憶力だね、ご立派!」
「10年ぶりに思い出した。それって1・29・300の法則よ」
「本当か?」
「間違いないよ! 検索してみて!」
もう一度携帯アプリで検索操作する。
「1・29・300の法則って、アインリッヒ法則って云うんだ」
「間違ってなかったでしょう? 良かった!」
普段、夫婦揃って喫茶店に入っても、ただ黙してコーヒーを飲むだけ
「変なの?」と思われるかもしれないが、阿吽の関係。
それでも私は自己満足、家内が傍にいるだけでいい。でも家内は不満のようだ。
そこには、これといった話題が見当たらないのです。
取って付けたような話題は嫌いです。
ところが、今回は趣が違います。
これって、いいことなんでしょうね。
久しぶりに、家内の弾んだ笑顔を見た感じ。
錯覚ではありません。
コーヒーの味が美味しく感じ、もう一杯お替りです。
ある昼下がりのひと時です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます