お題「オリンピックで印象に残る試合」に参加。
1964年の東京オリンピックの大松博文監督が率いる日本女子バレーボールチーム「東洋の魔女」の金メダルの獲得です。
10月23日優勝決定戦がソビエト連邦と駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われました。
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1964年3月、秋田から東京に就職のため上京しました。
就職した先が鉄道会社です。
最初の職種はバスボーイです。
バスガールはご存知と思いますが、バスボーイは?
バスの男性車掌です。
女子のバス車掌の深夜10時以降の乗務が出来ない就業規則です。
それを補うためのバスボーイの職種です。
鉄道会社の駅務員になる前の一年間、新入社員の誰もが通る過程です。
バスガイドは女性の職種との先入観念で凝り固まってます。
気恥ずかしい事が脳裏をかすめます。
そして、時々停留所の呼び間違いを起こします。
お客さんの失笑を買います。
何だと思います?
若さゆえの間違いです。
制服姿の女子学生に見惚れて
乗降停留所の呼び間違いです。
「昭和女子大学前」
何度、間違えたことやら・・・
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10月23日。オリンピックの女子バレーボールのソビエト連邦との優勝決定戦の試合中はバスボーイとして乗務中です。
オリンピック道路としてされた246号線を二子玉川に向かって走行してます。
この時間帯はバスの中は空っぽ状態です。
誰もが女子バレーボールの優勝決定戦の行方を見届けたいのです。
「駒沢公園前」のバス停留所が大混雑してます。
バレーボールの試合が終了したようです。
一台のバスには収容しきれません。
お客さんの積み残しをしての発車を余儀なくされました。
バスの車内は見知らぬ乗客同士で「良かった、良かったの大合唱」
日本女子バレーボールチームがソビエト連邦チームとの試合で勝って
優勝したのです。金メダル獲得したのです。
乗務中、お客さんからの情報に一緒に喜んだ記憶が蘇ります。
それだけではありません。
バスが暫らく走行してからのことです。
車内の雰囲気に、感極まって
「次は駒沢公園前、駒沢公園前です。」
それも社内の隅々まで届く大声で、です。
車内は大爆笑です。
「良いんだ、良いんだ。それで良いんだ。」
あの時のお客さんの笑顔が忘れらません。
50数年前の出来事です。