札幌にいたときは、思うこともなかったが。
今はこうして、自分も札幌へ旅行に行く立場となり、
何か札幌の菓子をと、考える立場になった。
南に「月寒あんぱん」あり。
中央に「山親父」あり。
西に「白い恋人」あり。
北にロイズコンフェクトあり。
東は、幻のたまねぎ「札幌黄」とか、
昭和のころなら、サッポロ★ビールもアリかな。
菓子じゃないけどw
悩んで、ふと、「とうまん」を思い出した。
最近はとんと、名前を聞かなくなった「とうまん」。
まだあるのだろうか。
札幌駅が、青い七宝のタイルに覆われていた時代。
立ち寄った「とうまん」のお店で、
初めてあの機械を見た。
思い出の場所、丸ス・ステーションデパートは、すでにない。
しかし確信はあった。札幌駅と一緒にある。
まったく別々の会社なのだが、札幌駅と「とうまん」は、
あのときからずっと、僕の中で1つだ。
地下鉄の改札を出て、とことん探して回るつもりでいたんだが。
最初に左へ折れて、道なりにぐるっと回ったら見つかった。
小さな店舗だが、機械もある(動いてなかったけど)。
いくつか姉妹品は出来たようだが、
店頭には「とうまん」が、メインで積まれてある。
するってぇと、なにか?
あの時分から、「とうまん」で続いてきたのか。
何と言うことも無い丸い形。
中身も当時の、白いあんこだ。
あのころは、旅といえば列車だった。
誰もが札幌駅に降り立つ。
札幌駅が、札幌だった。
「とうまん」はそこにあった。そこにしかなかった。
「とうまん」こそが、札幌の菓子だった。
この素朴な菓子以外に、何を買って行こうか。
6個で398か? そんなもんか?
確認しようと、レシートを見て、和んだ。
創業60年がコレを言うんだ(笑
ちなみに、時間が経って固くなった「とうまん」は、
温かい緑茶や紅茶にひたして食べてます。
お試しあれ。