#カメラを止めるな!(#カメ止め)
今夏の話題作「カメラを止めるな!」を観てきました。
やっと観てきました。
かなり著名な映画人が「映画への愛がある作品!」と騒いでいたので、映画の歴史とか伝統とか含めた「ニューシネマパラダイス」な方向を予想していましたが、映画はどちらかというと「8時だよ! 全員集合!」の方向性でした。
すみません、わかんないですよね……。
ネタバレを避けると、こんな言い方になってしまいます。
つまり、裏方さんという言葉の響きが愛おしくなる映画だったのです。
そしてその裏方さんとは日本国民そのものなんじゃないかと…。
私個人は、そう思ってしまいました。
例えるなら、国民は裏方となって国の表舞台を支えている…。
「あのカメラマンを支える手は、自分の手だ!」
「ゾンビの体を入れ替える役目は、私の役目だ!」
…そんな風に自分を投影できそうな空気感があったのです。
自分の分身が、映画内のスタッフとして頑張ってる後ろ姿を観られる…。
こんな連想をしてしまう映画でした。
黒子がたくさん出てきて貢献している…。
名もない存在となって主役を支えている。
主役を立てて、主のために尽くす、犠牲的精神……それは「武士道」にも通じる精神ですね。
この映画が多くの人の心を魅了させる理由は、そんな「名もない黒子(後ろ姿しか映らないスタッフ)」の献身的な後ろ姿が、愛おしく見えてくるからじゃないでしょうか。
どこかで、誰かが、見えない所で献身的に頑張っている…。
日本人が最も好きな光景のひとつなのでしょう。
あくまで私個人の感想ですが、ヒットした要因はそのように感じられました。
それにしても「#カメラを止めるな!」の役者たちはうまいですねぇ…。
シナリオの当て書きの恐ろしさ、ここにアリという感じがします。
先日終わったテレビドラマ「ディーリー」も当て書きで主役の2人がハマってて面白かったですし、当て書きの手法は今後もアリなんじゃないかと思いました。
最後に少しネタバレ的な話…。
(映画を観てない人は以下は観ないほうがいいです)
テレビが黎明期にドラマを生放送で流してたそうですが、そこでも様々なアクシデントがあったことでしょう。
それらをやってみても面白いんじゃないでしょうか。
いや、今回それの面白さが出ていますね。
三谷幸喜「ラヂオの時間」のように「全員がひとつになって成し遂げる達成感」、「モノ作りへの愛と奉仕」、それらが入り乱れるお祭り的な高揚感…。
低予算で、これだけ祭り好きの日本人の心を躍らせた上田監督の手腕はスゴイものです。
あきらめてきたことを取り戻そうとする日暮監督と、その意志を受け継ぐ娘、そして燻っていた女優魂を暴走させる妻…。
家族それぞれが自分を解放させるドラマとして見応え充分でした!
楽しませていただきました!