【メンバー】CL:K野(記)、SL:Oh、SL:S会長、NTM、A井、O倉、M崎、ai(編)、Ab(会外)
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【DAY1 7月13日】
<K野>7月12日夕方、フィエスタ浜通りand茨城支部の5名で、いつもの場所に集合し夏合宿の地、立山へと向かう。
今回の夏合宿は、バリエーション入門「劔岳 源次郎尾根」
毎年、総会時に夏山計画を話し合うのだが、去年はスケジュールが合わず、白馬・蓮華温泉の山行計画に参加することができなかった。
今回の山行前1週間は、富山地方の天気予報とにらめっこ状態であった。連続する傘マーク、北北陸、関東、東北と梅雨明けしていないこの時期・・・去年参加できなかった思いもあり、雨にあたるのも覚悟で参加を決めていたが、2泊3日の行程の最終日のみ傘マークと、ギリギリのタイミングで予報が好転してきていた。
今回は体調不良を理由に参加辞退のTooちゃんが愛車のアルファードを貸してくれたおかげで、快適に立山まで移動ができた。感謝である。
立山駅駐車場に深夜に到着、天候不順で3連休の前日とは思えないぐらい駐車場が空いている。
仮眠をし、7時のケーブルカーで出発。
<ai>一方、中通りand栃木支部の4名は、深夜に扇沢へ向けて出発する。初黒部のメンバーもいて、晴天のダム湖をのんびり観光しながら、立山黒部アルペンルートを乗り継ぐ。今年でラストランとなるトローリーバスで室堂へ。室堂から雷鳥沢へ下ったら、高度順応を兼ね、高山植物を愛でながら雄大な風景の中、のんびりと新室堂乗越を経由して剱御前小舎で、立山ルートからのメンバーと合流した。
<K野>天候不順の予報で、何名かの参加辞退があったが、最終的に立山ルートと扇沢ルートから9人のメンバーが集まった。
リッチな皆さんは、剣山荘泊で劔の頂を目指すようが、平民の私は初日だけは劒沢にテントを張ることにした。よほどの暴風でなければ、テントで頑張るつもりであったが、日ごろの行いのせいか初日は剱岳の雄大な全景が見える良い天気に恵まれた。
1人のテント泊はチョットさみしいかと思っていたところ、M崎嬢が同居してくれることになり、これで予定の3時スタートでも寝過ごす心配はなくなった。翌日、2時起き3時スタートと、出発が早いので、アルコールは少量にしておくべきであったが・・・恋バナ&40代の恋愛事情を話し始める、M崎嬢に合わせ、同じテンションを保つ必要があるため、ワインのピッチがいつもより早まり、結局2人で1本半くらい飲んでしまった。
もちろん、面倒で夕食も作らずに寝てしまった。数時間後、目覚ましに起こされ、テントのジッパーを開く、曇天であるが幸いにも雨は降っていない、お互い最初に出た言葉は「頭がいたい・・・」であった。これから、剣岳のバリエーションを登るに、あれほど少しにしておこうと思っていたのに、ドライフルーツを入れたホットワインをー出され、おいしくて飲みすぎでしまった。
<ai>剣山荘は、きちんと掃除がされており、水洗トイレや豊富な水、ホットシャワーまで使える素晴らしい山小屋でした。大人数のため、畳の大部屋を振り分けていただき、気兼ねなく早朝準備を行うことができました。汗を流したら生ビールで乾杯しつつ、明日のルートの最終確認です。夕食のおかずは種類も多くしっかり食べて早々に休むことにしました。
【DAY2 7月14日】
<K野>曇天の暗闇の中、剣山壮に宿泊した他のメンバーと劔沢小屋前で集合し、劔沢雪渓を下る。
10月に同じルートを登っているが、7月だと早くに夏道から雪渓に乗れるので、平蔵谷の大岩まで比較的早く着いた。
ルートを見上げると、すでに何パーティーかのライトが見えていた。取り付きで、先行者の関西グループの方と軽くあいさつを交わし、待ち時間を確認する。関西グループの他、登はん中のガイドグループ数名は、スタート地点の岩場でかなり時間がかかっているようで、ロープを張っても苦労しているようであった。関西グループのリーダーが「かなり待っています」と若干溜息交じりであった。
自分たちも9名グループで大人数である。全体の通過に時間はかかる見込みだが、他に後続者も居ないので気が楽ではあるが、天候が下り予報。午後は雨が確実なのでのんびりもしていられない。
今回は8.5mmロープ60mと、3チームそれぞれ30m補助ロープを持参した。
前回は2峰の懸垂以外にロープの必要性を感じなかったが、今回は年齢も経験レベルもバラバラの会山行なので、荷物は増えるが、安全と軽量化は天秤にかけられないので仕方がない。
自分たちの順番が来た。ロープをひき、濡れた岩を登ってフィックスを張り、効率よく登ってもらう、前半は松の木のジャングルジム状である。
<ai>取り付きまで来ると随分と明るくなっており、急峻な岩峰に囲まれた深い谷の雪渓から見上げる景色が、剱へ来たのだなと実感させてくれました。核心と聞いていた最初の岩場は、濡れていて嫌な感じはあったが、仲間の手を借りてサクッと通過する。踏み跡は明瞭で、なるほど「木登り」ってこういうことかと納得。時に沢登りの高巻っぽい場面があったり、落石しそうなザレ場だったり、楽しみながら高度を上げていく。大人数なためゆっくりペースがありがたかった。1峰へ着いた8:00頃にはガスってきたが、正面には2峰を登る先行パーティーが見えた。
<K野>順調に高度を稼ぐが、チーム間の距離ができると後続の状態をトランシーバーで確認する。
ルンゼの浮石も多く、2峰の懸垂までは、ある程度まとまって行動したいが、最後尾の還暦チームがなかなか上がってこない。
のちに判明したのだが、NTM元会長のソールが剥離しかけたシューズで、だましだまし行動していたようだ・・・
2峰の懸垂点に到着する。先に懸垂した、他の関西グループがなかなか降下地点の基部から離れず、自分たちのロープのセットができないと思っていたら、基部から声を掛けられる。ロープが回収できず困っていたようだ。
確認すると繋いだロープの結び目が、懸垂点のリングに引っ掛かって回収が困難となっていた。30mロープどおしを直に繋げばよかったのではと思うが、カラビナを介し2本の30mロープを繋げていた。カラビナ両端に結び目があり、最後の結び目が引っかかっていた(シンプルにカラビナは必要ないと思う)スタック部分を処理し、ロープを引いてもらうよう声をかけた。
やっと先行者が降下地点から離れたことで、自分たちのロープをセットすることができた。ぱらつき始めていた雨も、とうとう本格的に降り出してきた。一番いやなタイミングで、本降りとなった。自分たちのロープは60mあるので、結び目が無く、1本の折り返しで引っ掛かる心配はない。最初に降下し、基部から離れ雨具に着替える。
今まではCLということで、一応は先行し、歩きやすいルートを後続に指示していたが、懸垂前に岩場で派手にコケてしまい。右ひざを強打していた。痛みがあるため、先行のルート確認をOh氏に交代してもらう。懸垂に時間がかかったので、遅れていた還暦チームも、目視できる距離に近づいてきていた。タイムラグなく登頂、下山できそうである。【写真⑮⑯⑰】
雨の劔山頂で記念写真をした。
私は、ひざの痛みのため、下山スピードがあげられないので、一足先に下山を開始した。
4:30源次郎尾根の登山開始、山頂10:30、約6時間かかっているが、悪天候でこの人数だと比較的スムーズに登れたと思う。
先に出発し14:30頃に剣山荘まで下山したが、他のメンバーとほぼ同時刻の到着であった。これから、劔沢キャンプ場へテントの回収に行かねばならい。下山で膝に負担がかかり、負傷した足の痛みはピークであった。雨の中テント撤収は面倒であるが、追いついたOh氏、M崎嬢が手伝ってくれたので大変助かった。
雨の下山、ひざの負傷、テント回収と大変ではあったが、最終日は剣山荘に宿泊としていたおかげで、シャワーや乾燥室が使えるたので快適に過ごすことができた。
翌日は小雨の中の下山となったが、小屋泊なので、乾燥させたウエアーとザック、雨対策を広い空間でのんびり行うことができ、大変ありがたい。夜中の暴風雨は、山小屋の中に居ても、分かるくらい雨音を立てており、最終日もテント泊にしていたら大変だったな・・・と思った。
<ai>山名板ってこんなに沢山あったかな? 各自が持っても余るほどの山名板で、登頂撮影に緊張がほぐれる。無風のため寒さを感じないのがありがたい。本降りになる前に別山尾根の下山に取りかかる。濡れた岩は思ったよりも滑りにくく、しっかりした鎖を補助として使いつつ慎重に下りていく。さすがに疲労もありアップダウンがこたえるし、剣山荘まで長く感じた。
びしょ濡れで到着した登山者を快く迎えてくれた小屋スタッフには感謝です。テント組を迎えたら、熱いシャワーを浴びてお疲れ様会
【DAY3 7月15日】
<K野>剣山荘から雨の中、岩稜帯~雪渓のトラバースで御前小屋を目指す。最終日の下山中にNTM元会長のシューズは両側ともソールが剥離してしまった。現S会長持参の配管テープで応急処置を行い、何とか復旧。ここまで使ってもらったらシューズも本望でしょう。
それにしても5.10のシューズの剛性は弱い・・・自分もソールが滑らないので愛用していたが、ウレタンとゴムなど異なる材質の接着が他メーカーよりもたない印象がある。高温多湿の日本では劣化が早いと思う。
下りでは膝の痛みがでるので、雷鳥坂が心配であったが、ストックを使いなんとか下山。湿布をいただいたり、荷物も分散して担いでもらったりと・・・怪我をして改めて仲間のありがたさを痛感した。
室堂ターミナルで、解散式を行い。立山、扇沢方面とそれぞれ帰路についた。今回の山行で初めて怪我をしてしまい、改めてメンバーのありがたさを実感できた。経年で体力の衰えは仕方がないが、少しでも楽しい登山を続けられるように、日々にトレーニングを怠らないようにしようと心に誓った山行であった。
<ai>久しぶりの会山行、天候が心配でしたが、体力や経験値も異なる中で協力しながら予定通りに終えることができて良かったです。普段はそれぞれのヤマを行いつつ、たまの会山行だからこそ、諸先輩の経験を学びながら、若人に引っ張ってもらいながら、メンバーの信頼関係や各個人の気づきも深まっていくのだと思いました。また次回よろしくお願いします。