メンバー:n会長、e堀、a坂(記)
5/26 林道前泊 5/27登攀
5時半テンバ発 9時取り付き点、登攀開始
13時 稜線着 藪漕ぎ 14時登山道合流 16時駐車場
会山行で御神楽のスラブを登る計画があった。n会長に山行数日前に4スラを登ろうと言われた。
支点を構築しながら登ると言われたが調べれば記録は少ない。2スラブは案外緩やかで登られているが4スラブは一番急なスラブ帯だ。
n会長にそそのかされた。案外ヒドイ目にあうのは経験済みだ。ジャンピング、リングボルトを用意し、ハーケンを揃えて頭の中でイメトレをする。
霧来沢を遡行していくと沢床が埋まっていない。例年よりも雪渓がないとの事で水の中を歩く距離が長いとn会長が言う。
取り付き点までは大滝の高巻き、雪渓の切れ目は滝の水線と中々いやらしい箇所がある。
取り付き点に着く頃には汗がしたたり落ちる。
この日は全国的に夏日で予報では福島も35度、実際には北海道で39度を記録している。5月なのに異常な暑さだ。
できれば正午までに上に抜けたい、抜けてから藪漕ぎが待っている。
4スラブは最初の1p.2pが立っていて核心だ。それ以降は斜度が緩むとn会長。
1p目 25m リード a坂
初めてのアルパインクライミングで緊張する。
n会長に憎たらしさも感じてきた。そそのかされてまんまとリードだ。怖いので元気がでない。
e堀君は余裕のカメラショット。
出だしに軟鉄ハーケンを決める。
登れる岩だがその先がどうなっているか分からない、詰まる前に打てる場所で打つ。
右に寄っていく、2つくらい中間支点をとり、ザイル半分のコール。
いいビレイ点があった。上を見上げるとまだ少し岩が立っている。ここでピッチをきる。支点を確実なものにしなければ、2ピッチ目で落ちた時、全員巻き込まれる。全員の命のビレイ点になる。
軟鉄ハーケン、クロモリ、ジャンピングを打ち込んで20分くらいかかった。ようやく支点を構築。180cmスリングで3点固定分散。角度が大きいがジャンピングが岩の広い面でしか効かない感じがしてハーケンから離れてしか打てなかった。
2p目 25m リード a坂
n会長とe堀君をダブルロープで確保し、登り始める。n会長から左がラインだと言われるが、自分が見上げるその先には右が登れるルートに見えるのだ。どんどん右に寄っていき、微妙なバンドのトラバース。トラバースの前後でナッツを決める。無我夢中で覚えてない。ハーケンも打っても中々決まらない。決まるリスが見出せない。暑さと緊張で汗がにじむ。10mくらいのランナウトは自分にとって精神的に異常をきたす。
灌木があるとホッとする。スラブ帯についてる灌木は雪で洗われ弱々しく支点をとるにも気休め程度だ。
またもやザイル半分のとこで灌木帯でピッチをきる。
3p目 スラブ 30m リードn会長
傾斜が緩む。自分は少しバテててしまっていた。n会長にこのペースじゃ時間がかかると言われ、n会長自ら突っ込む。つるべで上がる。
4p目 泥壁 45m リードn会長
フリーで、n会長が上がる。恐ろしい。落ちてもすぐ下には確かに止まる形状の岩溝があるが、真似できない。
フォローでもしんどかった。セカンドでe堀君が上がり、確保してもらう。
5p目 60m リード a坂
稜線がみえていると、n会長。
お前がトップで抜けろと憎い演出。n会長カッコいいなと思いながらも、あと10mくらいでザイル一杯。安全の為ピッチを切る。結局トップでn会長が抜けた。
少年のような声で頂上だ!とn会長。ふざけやがってと内心思った。e堀君に確保されて頂上に抜ける。
藪で気持ち良いとは言えない稜線。しかし安心感で、満たされ充実感で気持ちが溢れた。
n会長にまたしても精神的に頼った。初めてなのにe堀君も冷静で凄い。
藪漕ぎもn会長のルーファンで難なく歩いた。登山道下山時には暑さに急にバテてしまい、沢に合流した途端頭から水をかぶる始末。
アルパインの道はまだまだ遠い。
下山後に立ち寄ったつるの湯は景色もよく良かった。奥会津の雰囲気も好きだ。