フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

チーム還暦の剱岳(2021/7/19~22)

2021-08-13 | 山行記録

【メンバー】 勝見・荒井・生田目(記)

【コースタイム】
19日、荒井さんと私の勤務後の午後3時いわき発、新潟経由で21:00立山駅P着(仮眠)
20日、7:40始発で室堂へ9:00着、9:20登山開始~12:20乗越~13:30剣沢キャンプ場~14:50剣山荘(泊)
21日、3:00起床4:00剣山荘発(別山尾根)~6:30平蔵の頭~7:30劔山頂~11:30剣山荘着~12:00剣御前トラバースルート~14:00乗越~雷鳥沢下降~17:15みくりが池温泉(泊)
22日、7:50みくりが池温泉~室堂ターミナル8:40~立山駅10:00着~立山IC~糸魚川IC~明星南壁12:10着~往路にて17:30いわき着

【序】
劔へは3年前、草野さんとチンネへ来て以来となる。あの時は熊の岩からの帰路直後に右足首の靭帯破損で苦しい下山となった。
剱岳へは冬期を含めて8回来ている。毎回来るたびに何かとアクシデントが起こる山だ。
学生の頃は室堂からの劔はお金がかかる事もあり避けていた。もっぱら黒部から内蔵助~真砂沢での入山が普通だった。
今でも立山駅からケーブルカー・バスで室堂へは後ろめたさを感じる。(最近は慣れたが)

【Day1 7/19】
例年より梅雨明けが10日程早く予想が外れた 今回の劔は勝見さんとの5年前の約束がきっかけだ。
草野さん、慎也君、勝見さんと以前来た時、雨で剣沢キャンプ場から敗退下山した。勝見さんは忘れたみたいだけど、びしょ濡れのテントの中で、いつか劔頂上に連れて行くからと約束した。予定を10日程繰り上げ宮崎さんの休みとは合わず申し訳無かった。
出発日まで勤務だった荒井さんが参加できる事になり還暦チーム3人での出発となった。勝見さんの高級車は長距離でも疲れない。いわきから新潟の米山Pで夕食休憩のみで立山駅駐車場に着いた。結構埋まっている。丁度テントの張れる場所の脇に停められたので、テントを立てて入山祝いをして仮眠を取った

【Day2 7/20】
翌日、始発のケーブル・バスで室堂に向かう。文句ない晴天、山の緑と残雪が鮮やか。室堂に近づくと黒々として天を突く剱岳が見えた。ターミナルは朝一番なのに人が多い。歩きにくい石の遊歩道を残雪のみくりが池を見ながら雷鳥沢キャンプ場へ下る。
  

橋を渡り雷鳥坂の直登を避けて左側の尾根筋沿いに御前乗越に向かう。小屋は見えているのになかなか着かない。本日の核心部だ。所々雪渓登りもあり楽しいルートだ
小屋に着くと明日登る劔岳の全容が見渡せる。初めて見る劔に荒井さんは感動の様子、勝見さんは少しお疲れモード。小屋に荷物を運ぶヘリの音と風圧に圧倒されながら剣沢へ下りる。小一時間程でキャンプ場へ着き冷たい水を飲み干す。いつものおいしい水だ
剣沢小屋の後ろからトラバースぎみに雪渓を渡り本日の宿、剣山荘に着いた。着いたとたんに勝見さんから真剣な顔で一言 “俺明日朝ここから下山する、登らない“その一言を聞いて唖然としたが小屋で休めば大丈夫だよ、と言って部屋に入った。
  

改築して綺麗な小屋だった。おまけに熱いお湯の出る共用のシャワーユニットもある。シャワーを浴びていた勝見さんが大声で叫びだした。熱いお湯から冷水にしたとたんに体中にパワーが湧いてきたみたいであそこ?も元気、明日は登るぞーと叫びだした。一安心。
生ビールを快晴の山々を見ながら飲み干す勝見さんを見ているとさっきの登らないと言っていたご老体とは別人に見えた。いつもながら勝見御大は面白い。外のベンチに座り夕暮れでピンク色に染まる峰々を見ていると心が落ち着いた。
 

すぐに夕食の時間となり山小屋の料理とは思えない豪華な食事だったが、喉の腫れが原因で食欲がなかった。喉の腫れの原因は勝見さんへの檄飛ばしと車運転中の一人カラオケ(眠気さましの為)が喉に良くなかったようだ。2人は美味しそうに食事を終えた。
コロナ対策用の仕切りを外して個室でゆったり出来た。真夜中に窓越しに見た星々が素晴らしい輝きだった。明日も晴れると確信して眠りにつく

【Day3 7/21】
予定通りに午前3時起床、4:00ヘッドライトにて小屋を出発。暗闇の中、小屋上部の雪渓辺りで夏道を見失ったが雪渓左側の斜面を這い上がり尾根道に出た。周囲も明るくなって来て一服劔を越えコルに下降し前劔の登りとなる。
チングルマ・コバイケイソウ・ハクサンイチゲ・ハクサンフウロ等の高山植物も咲いていた。前劔の左側をトラバースぎみに進み、いよいよ平蔵谷源頭部の岩場にさしかかった。
南壁A1ルートを登ると話していたグループが取付きまでの雪渓トラバースで難儀していのが見えた。7年前、次男12歳と古川さんが使った鎖場専用セルフ器具を2人に渡し使い方を教えながらカニのタテバエを登る。岩は固く快適。混雑時は時間かかりそうな場所だ。2人とも問題なく通過する。頂上はもうすぐだと勝見さんにハッパをかける(喉が痛い)

7:32頂上着。ほぼ快晴の頂上は初めてだ 遠く槍穂高まで見渡せた。荒井さんは恒例の頂上でのマーキング?奥穂・前穂でもやったとか根性が座っている。
20分程休んで下山にかかる。ここから室堂までは遠い。勝見さんもお疲れモード、荒井さんはいつもと変わらず元気。下山での怪我を注意しながら来た道を戻る。
 

勝見さんが多少遅れたが一服劔で合流し11:30剣山荘着。小屋に置いた荷物をまとめ12:00に剣山荘出発。剣御前トラバースルートで乗越に向かう。この時期雪渓トラバースが数本あるが雪解け水も高山植物も豊富で剣沢ルートより楽しい。勝見さんは簡易アイゼンの装着不十分で何度か外れて私の檄が飛んだ。いつもの事と言えばいつもの事だが自分の山道具の扱い方はしっかりと覚えて欲しい。このペースだと室堂最終バスにぎりぎりなので以前から泊まりたかった、みくりが池温泉に電話を入れ泊まる所を確保した。
  

乗越の小屋前で少し休み、雷鳥沢の下りとなる。勝見さんは道がはっきりしている都会の山道になると早足になる。西日がきつい雷鳥沢を荒井さんとのんびり降りた。雷鳥沢キャンプ場に着く頃に遠雷が響く、最後の核心となる階段のぼりだ。
左足の膝に違和感があり足を上げると少し痛い、3年前の苦しい登りを思い出す。2人には先に行ってもらいゆっくり登った。皆から10分程遅れて17:15頃宿に着く。みくりが池温泉には初めて泊ったが食事・温泉・部屋共に良い宿だった


余談になるが夕食時の勝見さんの笑えるエピソードを一つ。生ビールは食堂にある食券機で買うのだが勝見さんは生ビールのピッチャー3個で食券を買って待っていた。店のスタッフがおかしいと思い3人揃ったところでピッチャーとジョッキの間違いを確認してくれた。勝見さんにピッチャーの意味わかってた?と聞いたら生ビールの銘柄と思ったらしい笑。ともあれおいしい冷えた生ビールは最高に旨かった。勝見さん、ありがとう。
夕飯のメイン料理ローストビーフは喉の痛みで荒井さんに全部食べてもらった。ゆっくり夕食を取り8時過ぎに部屋(2段の蚕部屋風)へ戻り9時過ぎには寝た。

【Day4 7/22】
翌日も快晴、室堂ターミナルまで15分程度の歩き。ターミナルでは連休初日とあってすごい人数の登山者が上って来ていた。臨時便も増発された様子。
10:00立山駅着、暑い。駐車場はすごい混みよう川向の臨時駐車場まで一杯、初めて見た。あまりに暑いので道沿いの名物店サンダーバードにてソフトクリームを食べる旨かった。サンダーバード(地元のコンビニ?)はオムスビや総菜の種類が多い、TVで何度も紹介されている。山関係の資料の展示もあり。県外ナンバーのお客が多かった。
  

20分ぐらいで立山インターで北陸道に乗る。まだ時間があるので糸魚川ICで降り、明星山南壁を見に行く。久しぶりなので道を間違えたが展望台に無事着いた。
勝見さんも荒井さんも大岩壁に圧倒された様子。勝見さん曰く最初の1ピッチだけでも触ってみたいとの事。夏は暑くて登らないよと教えた。やっぱり明星は秋がいい。糸魚川の町に戻り以前食べたとんかつ屋でランチとした、ここも美味しい店だ
再度北陸道に乗り、来る時見た日本海の素晴らしい夕焼けを思い出しながら関越道~磐越道にて夕方いわきに着いた。チーム還暦の楽しい劔が終わった。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする