パーティー:生田目CL・草野SL・溝口(順)、鈴木(会友)・平山(鈴木さんの友人)
今年最後のビックウォール。7月の穂高屏風岩のメンバーに若い順ちゃんと平山君が
加わり前日の寝不足を引きずりながら駐車場で登攀の準備を始めた。
6時頃からダムの放水を知らせるサイレンが鳴り響き不安を掻き立てる。
案の定不安が的中し先行パーティーが小滝川の増水が凄いんであきらめて帰って来た。
同じルートを登ると話していた人達で増水の為、取付きまで行けないとの事だった。
待っていてもしかたないので売店脇から河原に降りて行った。
7時30分頃確かに以前来た時より増水している。
少し下流に大岩が2つありチロリアンブリッチでロープがFIXされている場所があるそこを怖い思いをして対岸に渡った。
左フェースの取付には増水で行けないので手前の大岩から取付く、Ⅴ-ぐらいあり。
10m弱で正規の1P目に合流できた。
先行パーティーは左岩稜のA1ピッチを登っていたので左フェースは貸切状態で我々のみ。
順番待ちを予想していたので助かった。
3人なので草野さんに終始トップをお願いした。*いつも申し訳ない。
1P20mⅤ-:草野さんリード、苦もなく小ハングを越えて行った。順ちゃん不安そうだったが問題なくクリアー、持ち手ありよいしょと越えた。
2P30mⅤ:かぶりぎみの凹各を越えて左岩稜の分岐まで。案外いやらしかった。
3P10mⅣ-:右上ぎみにピナクルまで。トポⅣだが?体感Ⅴ-ぐらいに感じた。
4P15mⅣ:ランぺ右上してクライムダウンポイントまで。*今回3P/4P継続した。
5P5mⅢ:草野さんクライムダウンしてビレーポイントへ下降、他2名はローアダウン。
6P40mⅣ+:滑り台状のスラブを右上ぎみに登りカンテをトラバースして右上。
垂壁凹角に黒いテープ残置はここだったか?一番嫌な所だった。
7PⅢ+40m:草野さんが直上ルートに入ってしまい懸垂下降。
スカイラインを目指しスーさんパーティーに先行してもらう。草付きスカイライン基部まで。
8PⅣ+40m:スカイラインを目指し垂壁先の立った凹角を越して行く。高度感抜群。
9PⅢ40m:ブッシュ混じりの浮石多い所を登る。大きな落石でタケ・順、焦る。
10PⅢ40m:どこがルートか迷う。スーさん達は左上して行ったが、草野さんには直上してもらった。
*ススキが見えるとこが中央バンドと考えた為。
11PⅢ30m:大岩らしい岩発見、傾斜が緩くなってきたので間違いないと思った。
スーさん達と合流ここから先が解らない様子、だんだん暗くなってきた。
12PⅢ40m:大岩上部のくの字状凹角基部からタケ偵察しながらカンテを越えて登り、
下山ルートのトラバース地点らしきもの発見。ここが実質登攀終了点。
カモシカ君です。
ここで全員集合下山路検討及び偵察開始。
*暗い中、いろいろ探って向いの尾根上の木に反射テープ発見。
スーさんがザイル付けてトラバース開始。尾根に出た所で休憩。
目印の反射テープのある木より上部に出たので闇の中50mの懸垂下降をした。
下山ルート発見で安堵したがここから先が大変だった。
5人中、使えるライトは2個+電池切れかけ1個、足元を照らしあいながらの下山となる。
反射テープがある木からはFIXロープ沿いに順調に30分程下り、
ロープがなくなる所から涸れ沢を真下に下ったがこれがミス。
大分降りて小滝川の水音が大きくなって来たあたりで、
偵察していたスーさんからこの先は下降無理との事。
少し休んで登り返すも闇と疲労でFIX終了点を発見できなかった。
暗黙の了解で斜面でのビバークとなる。22:30頃
寒さと時折小雨が落ちて来て嫌な感じの一夜だった。
一人大いびきで寝ていた人有り。
翌朝6時頃から明るくなってきたので、スーさん・草野さん・タケで偵察開始。
もう少し登り返してダメだったら、下流を向いて右のブッシュを越えてみようと話をした。
右のブッシュの奥に幸いにも草野さんが白い小沢を見つけそこが下山ルートだった。
残りのメンバーにもついてくるように指示し雨で滑る斜面を2回の懸垂で降り水路橋に着く事が出来た。
水路橋に監視員はおらずスリルがあったが渡りきり8時頃駐車場に戻れた。
途中草野さんの車のタイヤ破損があったが順調に帰って来た。
言い伝え通り、初めての明星は下山核心と言われているのも理解出来た。
来年はもう少し青葉でトレーニングして楽に登りたい。
スーさんと組んだ平山君は黙ってつらい顔一つしないで登って降りて感心しました。
良き強いメンバーと事故もなく完登攀出来て本当に良かった。
順ちゃんも1年で成長した。
明星南壁初登ルートの左フェースは岩場の弱点をついた登りがいのあるルートでした。
記)タケ