メンバー:I堀(記)・A坂
行動時間:28日 8:00 駐車場~10:00 入渓~11:30 十字峡~14:30 二俣のテンバ
29日 7:40 テンバ~9:30 朝日岳山頂~11:30 白毛門~14:10 駐車場
天候不順とコロナ禍でまともに遠征できなかった今夏だが、28・29日は天気に恵まれそう。ワクチンも2回接種したため行くしかないとA坂を誘い谷川岳の湯檜曾本谷へ向かった。
ロープウェー駅の手前に新しく整備された駐車場から歩き出す。天気は予報通り晴天で暑いけれどもとても気持ちいい。入渓地点までは木陰の登山道を歩き2時間弱で到着。いきなりゴルジュとなっており残置ハーケン&スリングを利用して遡行するが半分腐っていて、泊り装備の重い体ではけっこう緊張。いきなり谷川の洗礼を受けてしまった。
結局ゴルジュは途中から右岸巻きして沢に戻った。ゴルジュの先は谷が開けてとても開放的。青空と相まって素晴らしい景色だ。平凡だが気持ちのいい遡行をしばらく続けると沢は右へ屈曲し有名なウナギの寝床になる。水深が深く淵というかなんというか独特な景観だ。右から簡単に巻けるがせっかくなので泳ぐ。ザックをお腹側に装着すると浮き輪代わりになり恐怖心なく泳げて気持ちいい!
泳いだ先で沢は左に屈曲し滝となっている。この滝を快適に登れば序盤のハイライト十字峡だ。残念ながら下の廊下ほどの迫力はないが、正面にある抱返沢のナメ滝は圧巻。本谷は左へ行くことになるが、正面の抱返沢、右側の大倉沢も登れるらしい。
十字峡を左へ入り本流の遡行を継続すると、ガイドパーティーに遭遇。総勢8名だったか?とにかく大人数だ。この後も大学の山岳部らしきパーティーだったり、女性中心のパーティだったりと合計で20人以上は沢に入っていた。さすが都会の沢である。東北だと他のパーティに遭遇するなど滅多にないので新鮮であったが、この後テンバで人が多いのも考えものだと思い知らされるのであった。
十字峡を過ぎるとアナゴの寝床と呼ばれるところに出るが泳がずにサクッと通過できる。わざわざ名前をつけるような場所でもないカンジ。そのうち沢が右へ屈曲する場所になると直登が厳しい滝が出てくる。右岸枝沢を使って巻いた。
この滝上は完全に癒し渓。簡単に登れる滝とナメが交互に出てきて癒される。開けた沢にナメと青空がただただ素晴らしい。そして癒しに飽きてくると突然岩室がボロそうな滝がでてくる。左岸から巻けそうだが、直登にチャレンジ。ガバはあるが細かかったりボロかったりで見た目通り悪い。途中に残置ハーケンあり。
この上は岩質が元に戻る。しばらく進むと中盤のハイライト20m滝だ。滝の落ち口をパーティが登っていたので直登できるのかな?と滝に取りついたが中段から手がかり・足がかりのないナメになり泊り装備ではツライ‥。無理せず右岸から巻いたら明瞭すぎる踏み跡があった。
ここから滝を2~3か所通過すると二俣のテンバに到着する。ちなみに、滝はいずれも簡単に巻いたり登ったりできる。テンバは3か所ほどあり、うまいこと1か所残っていたので今日の行動を終了した。
今シーズン初の焚火だ~。と思ったのだが、人がたくさん入渓するせいか薪が全然ない‥。そこらへんに生えてる木をノコギリで切り出し頑張ったが生木には全然火がつかない。しまいにはA坂くんでさえ匙を投げる始末だった。しまいには日暮れとともに雨が降ってきて身も心も寒い夜になってしまった…。
翌日まで雨は降り続たが幸い増水はせず、朝方に図ったかのようにやんだため朝日岳の山頂を目指して遡行を再開する。2日目は少々単調。ひたすら小滝を登りぐんぐん高度を上げる。振り返って見えた上越国境がきれいだった。沢がヤブ化し30分ほど漕げば朝日岳山頂だ。天気予報はハズレて残念ながらガスガス。しかし、終盤のハイライト、地獄の下りにはこのガスが助け舟となった。
稜線上は遮るものがなくアップダウンが続く。白毛門からは大下りでヒザにきた。ピーカンなら脱水をおこしてもおかしくない。ガスっててヨカッタ。実際A坂くんはかなりバテていた‥。白毛門でガスが少しだけとれ対岸の一ノ倉が見れてちょっと感動。また行きたいものだ。
最後は沢で大下りでバテバテの体をクールダウンして帰途についた。湯檜曾の1日目は大変すばらしいが2日目がダレるのが残念。泊り装備の重さだと意外と悪く感じる滝もあり油断禁物の沢であった。焚火に期待できないという致命的な弱点があり日帰りでおいしい1日目の部分だけ行くのもいいかもしれない。