今回は、アメリカ人の精神療法家であるアーヴィン・ヤーロムの本を紹介します。この本は私の大切なドイツ人の友人が昨年春、筆者に送ってくれたものです。
題名: ヤーロムの心理療法講義
訳者: 岩田 真理
出版社:白揚社、2,800円(税別)
原題: The Gift of Therapy
アービィン・ヤーロム氏は、「1931年ワシントンD.C生まれ。スタンフォード大学精神医学名誉教授。住まいのあるカリフォルニア州パロ・アルトとサンフランシスコで診療。集団精神療法、実存精神療法を専門とする。精神療法に関する著書とセラピーを題材とした小説を執筆する著作家でもある。」(本書 著作者紹介より引用)
本書のサブタイトルは「カウンセリングの心を学ぶ85講」です。目次には全85講のタイトルが記載され、「共感」、「今―ここ」、「フィードバック」、「自己開示」、「死」、「夢」などのキーワードが並びます。筆者は忙しさにかまけてまだ40講までしか読めていませんが、大学時代に人間関係学を学び、現在IPRトレイニングのスタッフを務めるものには大変示唆に富み興味深い内容となっています。
もちろん、セラピーとIPRトレイニングは違いますし、セラピストと患者の関係とキャタリスト(トレーナー)とメンバーの関係も違います。しかし、対人援助という観点から見ると、セラピストの「患者の治療」を行うという役割とIPRトレイニングでキャタリストの「メンバーの学習と集団の成長」のため援助的な役割は共通しているところが大変多いと思います。
今後、IPRトレイニングがより発展していくためには、かつてのIPRトレイニングを超えていく必要があります。そのためには、アービィン・ヤーロムやヴィクトル・フランクルのセラピーの取り組みを参考にしながら、あるいは、取り入れながら、IPRトレイニングを進化させていくことが求められると思います。また、この本のように、私たちは広く社会に対してIPRトレイニングの重要性(メンバーの学習と集団の成長の重要性)をわかりやすく伝えていく努力が必要だとこの本を読みながら感じました。
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