明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

NBA通信:プレーオフ準決勝を占う(704)

2019-05-14 22:57:22 | スポーツ・ゴルフ
西カンファレンスは残念ながらヒューストン・ロケッツが敗退した。ハーデンは負けた原因をホームコートアドバンテージの差だと言っている。つまりプレーオフに行く前に通常の試合で圧倒しなければならないということである。今季は出だしに失敗して下位に低迷したのが最後まで尾を引いて、結局ウォリアーズを追い詰めながらも地元で星を落とし、4ー2という「後一歩」で勝てなかった。ハーデンはじめとするメンバー全員が死物狂いの猛攻をしかけたが、ウォリアーズの優位は揺るがなかったのである。というかケビン・デュラントを怪我で欠いているのにも関わらず勝ったということは、まだまだ相当ポテンシャルに差があるということだろう。デュラントが移籍するという噂も出ているが、カリーとトンプソンを中心とした得点マシーン軍団は、しばらくは健在である。昨年のクリーブランドとのファイナル争いはカイリー・アービング、レブロンが相次いで抜けて今年はゴールデンステートが圧勝かと思われたが中々どうして、そうは問屋が卸さないのがNBAの面白さだ。しかし、カリーとトンプソンの二人の結束が固い間は、ウォリアーズは充分勝てる強さを持っていると言えそうだ。

そこでカンファレンスの戦いとファイナルの行方を、私なりに「希望を交えて」占ってみたい。

1、東カンファレンス
ミルウォーキーとトロントが順当に勝ち上がって一騎打ちである。ミルウォーキー・バックスは1968年に新設されたチームで、翌年のドラフト1位指名権を得てルー・アルシンド(後のカリーム・アブドゥール・ジャバー)を獲得。さらに次の年にオスカー・ロバートソンが加入して、破竹の勢いのまま66勝を上げてリーグ最上成績を取り、そのままファイナルでワシントンを破って優勝してしまった。まさに「あれよあれよ」と言う間の出来事とはこの事である。その後も1974年にファイナル進出の快挙を成し遂げ、ボストンと激闘の末破れはしたものの、優勝の力は充分あることを証明した。輝かしいスタートを切った新生チームだったが、オスカー・ロバートソンが引退し、ジャバーがロサンゼルスへ移籍すると成績も下降し始め、しばらく低迷する。ここへ来て再び復活してリーグ一位の成績を上げられたのは、ひとえにヤニス・アデトクンボの成長によると私は思った。ちなみに記憶に残る選手では、モーゼス・マローン、レイ・アレン、トニー・クーコッチ、ゲイリー・ペイトン、などが在籍していた。現在の主力はアデトクンボとクリス・ミドルトン、エリック・ブレッドソー、マルコム・ブログドンを中心に、10年以下の若手主体のチーム構成で戦う。元インディアナのジョージ・ヒルや5年めのトニー・スネルなど、個人的に活躍を期待している選手もいて、楽しみなチームだ。今年17年目のパウ・ガソルは、対戦相手トロント・ラプターズのマルク・ガソルとは兄弟である。一方のトロントは、カワイ・レナードの出来がそのままチームの勝敗を決める「カギ」となるワンマン・チームだ。その点では東カンファレンスは「フォワード対決」と言えそうだがスモール・フォワードとパワー・フォワードでポジションが違うし、存分に二人に実力を発揮させるには「脇役がどれだけ働くか」も大事だと思う。その点、カイル・ラウリー、パスカル・シアカム、ダニー・グリーンにサージ・イバカと揃ったトロントの方が、少し優っているように思う。但し、プレーオフは一発勝負ではなく先に4勝したほうが次に進む7番勝負の長丁場である。いかにレナードが獅子奮迅の活躍をしても、全部の試合を全力でというわけにもいかないだろう。どこかの試合では調子が出ないことも考えられる。やはり総合力で、私はミルウォーキーが勝利と読みたい。初戦と2戦目はミルウォーキーで行われるが、ここでトロントが1勝でも奪うことが出来れば、途端に勝負の行方は分からなくなってしまう。それほどホームコートアドバンテージは試合を左右するということである。試合の入りは両チームとも慎重なゲーム運びで堅実な戦い方をするだろうから、結局トロントが頑張って接戦にはなるがミルウォーキーの2−0という結果になって、カナダに行くことになりそうだ。

2、西カンファレンス
こちらは常連のゴールデンステートと、ポートランドの対決となった。ポートランドはデンバーを倒して下剋上を果たしたわけだが、ナゲッツは当初こそ破竹の快進撃を続けたものの如何せんまだ優勝戦線を戦うにはヨキッチ一人に頼っている状態で、プレーオフに入ってもサンアントニオに7戦目でやっと勝ったぐらいで余裕がなかった。ポートランドとの戦いも7戦まで縺れての敗退だから、善くやったとも言える。デンバーには可哀想だが、来季以降に期待したい。一方ポートランドは70年に創設されたチームで、76年にはファイナル優勝を果たしている。有名選手と言えば、ドリームチームのクライド・ドレクスラーが記憶に新しい。このチームも99年のカンファレンス決勝敗退から長らく低迷していたが、2013ー14シーズンにカンファレンス準決勝敗退の結果を出してからは毎年プレーオフの常連である。このチームは何と言ってもディミアン・リラードが支配するワンマン・チームだ。そこにCJマッカラムとエネス・カンターが絡んで高得点を叩き出している。ゴールデンステートとはレギュラーシーズンでは互角の戦いだが、センターのユスフ・ヌルキッチが大怪我をして休んでいる状態なのが戦力ダウンで少し気になる。その分、エネス・カンターが頑張っているわけだが、ちょっとゴールデンステートに対しては力不足は否めない。ほんの少し可能性があるとすれば、ゴールデンステートの大黒柱KDがこちらも怪我で今季絶望となっている点である。もしかしたら「何かが起こるかも」なのだ。「もしかしたら」ならヒューストン・ロケッツもそうだったのだが、KDがいなくてもカリー、トンプソン、グリーン、イグダーラに、「ショーン・リビングストン」という独特な間合いを持っている「他のチームだったら間違いなくスターター」という選手がいるのだ。この層の厚さは流石に常勝ウォリアーズである。やはり月次な予想になるが、ここはウォリアーズが勝ち抜け、と考えたい。

3、ファイナル
まだファイナルを云々するのは早いが、私の予想ではミルウォーキー対ゴールデンステートで決まりのようだ。私としてはレナードとアデトクンボの熾烈な戦いがどっちへ転ぶか見ものだが、最後はアデトクンボのポテンシャルがレナードを上回って決着が就くと思う。何しろあのサイズで「まるでガードのような機敏な動き」をする彼は、もう人類を超えた超人類そのものでは無いだろうか。レナードには大怪我から立ち直ってカンファレンス決勝まで上り詰めた努力を褒めたいところだが、素人の私としては、バスケIQの高いレナードより「運動能力の半端じゃない」アデトクンボに惹かれる。アデトクンボよ、その肉体の破壊力で、レナードのみならず「カリー、トンプソン、グリーンのウォリアーズを粉砕」してくれ!・・・というのが私の今季のファイナルの夢である。結局は4ー2でミルウォーキーの優勝!と見た。その後はカイリー・アービング、アンソニー・デイビス、ケビン・デュラントといった超大物選手のMAX契約に絡んで、移籍するしないの話題が飛び交う「各チームの交渉バトル」が始まる。今年の秋の開幕まで、誰がどこに移るか目が離せない日々が続くのだ。ミルウォーキーも優勝の喜びに浸っている場合では無いかも。プレーオフが終わってもいないのに、また来シーズンの戦力が「大変動しちゃう」移籍話が止まらない、というからNBAは楽しいよね。今年は例年になく大型補強の年になりそうだ・・・。

まあ、そんな先の話は置いといて、まずは明日のGS対POR、どっちが勝つかライブで見てみよう!

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