明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

サロンパスカップ観戦記 (703)

2019-05-11 22:46:07 | ニュース
昨日は朝早く起きて女子ツアー「サロンパスカップ」を見てきました。場所は茨城ゴルフ倶楽部。つくばエクスプレスみらい平駅から5分と言う立地は、柏からは30分で行けるので7時のスタートには充分間に合うという、「見に行くのに最適」とも言えるコースである。ゴルフイベントはそもそも全国各地のゴルフコースと何らかの提携を行いつつプロの大会を開催してきた。観客動員数から言えば、大都市の近郊で開催するのが望ましいのだが、ロックフェスティバルみたいに10万人とか集めるイベントに比べると、精々1日1万人で、メジャー大会にも関わらず初日は4000人に満たない観客数であった。アクセスがこれほど良い大会なのにこの程度の集客力では、ゴルフ業界の未来はお先真っ暗だと言わざるを得ない、寂しいもんである。ゴルフトーナメントの魅せ方については最後に考えてみるとして、この日の各選手のプレーについて書いてみよう。

(1)スタート
私が1番ティーに向かっていたら眼の前10m位を比嘉真美子がスタッフと何やら離しながら歩いていた。スタート前の選手はリラックスしているように見えても色々考えていることが一杯なので、ここは遠目からじっと見ていることにした。と、思ったら彼女はスッと関係者専用のトイレに入ってしまったので、残念ながら初めての接近遭遇はチラ見に終わった。しばらく歩いて1番ティーに到着、残念ながら新垣比菜・原英莉花(勝みなみは棄権)や松田鈴英・永井花奈の組は見逃したが、河本結・鈴木愛の組から見ることが出来た。迫力スイングで三觜TVでも絶賛されていた河本結だが、実際スイングを見ると「一瞬」のうちに振り終わっていて、インパクトの瞬間などというものは「皆目」見えなかった。プロは音が凄いと聞いていたがトーナメント会場のティーショットでは余り迫力は感じられず、その点はやはり男子プロには叶わないようである。ティーショットを打つ間キャディがバッグを於いている位置が選手の正面なために、正面から選手のスイングをじっくり見たいと思っている研究熱心なファンには「邪魔で仕方がない」。選手の正面には立たないくらいの「プレーする側のマナー」も必要ではないかと思うのだが。よくテレビ中継でキャディが「カメラの邪魔になる位置に立って」いて、肝心のカップ際のボールの挙動が見えないことがある。これなども「何のためにプレーしているのか」という視点が欠けている悪い例である。イベントである以上、入場料を取って観客に見せているのは「選手のプレー」である。普段見れない選手たちのプレーを隅々までたっぷり見せることが、「トーナメントの営業」を支えているのだ。そのことが分かっているのなら、キャディは選手から離れた所で待機するくらいで丁度よい。まあ360度どこから見るか分からないと言っても、正面・飛球線後方・背面の3方向を押さえていれば充分である。私としては飛んで行くボールを落下地点まで追いかける視力が無いので、いつもほぼ正面から見ることにしている。それが今回は殆どキャディに邪魔されてじっくり観察することが出来なかったのは残念だった。キムハヌル・渡邉彩香を見てから菊地絵理香・小祝さくらの組をチェック。菊地絵理香はタイトリストのユーザーだというのも親近感がある。振りはシャープで上半身のインパクト後の起き上がりの速さに特徴があるが、何よりショットの正確性が見ものだ。一方、小祝さくらは年々力強さが増して来て、頭を右に残したままインパクトでガツンと入れる力感は、流石だと思う。やはり彼女は練習量が半端なくあるのではないだろうか。スイングスピードがもう少しあると飛距離も出て楽なのだが、今は距離よりも精度重視ということだろう。以前どこかの雑誌で読んだが、小祝のコーチの弁で上田桃子はダウンブローでヘッドを入れてくるが、小祝は「まだ」だと書いてあった。それが一年前だから、練習の成果が出るのが楽しみである。

(2)トイレ
茨城ゴルフ倶楽部の本来のトイレは2、3ヶ所しか見かけなかったが、仮設トイレはそこかしこに設置されていて親切である。コースは広く綺麗に整備されており、林の中もしっかり草等は刈り込まれていて、さすがにメジャーの会場だけのことはあるなと感じた。ただ夏場でもない初夏の気候にも関わらず、トイレの悪臭が相当なレベルであったのはいただけない。中に入って用を足すだけでも息を吸うのを我慢しなければならないというのでは、メジャーの名がすたるというものだ。日本が誇る技術を駆使すれば清潔度が世界一だという評判に相応しいトイレ、例えば仮設トイレに入ったら「芳しい花の香が漂っていた」ぐらいのことは簡単にできそうに思うが如何。なのに、いまだに場末の共同便所の臭った匂いが鼻を突くのは、もはや運営側の怠慢でしかないだろう。仮設なんだから臭いぐらいは我慢しろ、という辺りの古い常識が、日本のゴルフトーナメントが世界一になれない原因なんじゃなかろうか。猛省を促したい。その他にも、出店している屋台の種類が相も変らず「焼きそばとビール・酎ハイとカレー」では、マンネリを通り越して「他にないのか?」とガッカリである。例えば会場の外にそういった地場の食道楽大会のような大規模なラーメン大会や、肉フェスといったイベントを作って盛り上げるとか、ゴルフだけでなく「こっちを目当てにやってくるお客」も含めてのトーナメントにするとかの工夫が欲しい。よほどゴルフが好きな人でなければ、トーナメントと言ったって飽きが来る。運営者側はお客を1分1秒も飽きさせない工夫で大会をを準備して、選手たちがそれに答えて「感動のフィナーレ」を見せることが「いい試合」の本当の意味である。それで、いい試合だったねとお互いに納得したら、素晴らしいプレーやお気に入りの選手の話をするためにレストランや居酒屋にワイワイ入って「ネットの速報動画」を見てまた盛り上がる。そういう流れの全体をひと括りにして「地元の食を提供」すれば、ツアーも地域の産業に貢献できて一石二鳥ではないか。とにかくプレー以外の「おもてなし」が貧弱だったのは寂しい限りである。

(3)9番ティーイングエリア
3番グリーンと8番グリーンが隣り合わせで、丁度そこに9番のティーイングエリアが隣接されていた。その隣は10番グリーンである。ここは並んでいるので「あちこち見る」には便利だが、何故か今日は選手たちのプレーの間隔が開いている。パー4で前の組がプレーを終わりグリーンを離れようとしている頃にようやく次の組がやってくる、という事もしばしばだった。普通はパー4で第二打を打ち終わるころにはティーイングエリアに選手はティーアップして待機しているくらいが、試合の緊張感を途切れさせないためにもベストのタイミングである。なかなか来ないとお客も飽きてきて、寝っ転がったりしている。天気がいいからこれでもいいが、もうちょっと間隔は詰めたほうが良いのではないかと思った。ここは選手が歩いてくるルートにロープもなく選手との距離が非常に近いから、お気に入りの選手と間近に接することが出来るいい場所である。私は原英莉花や新垣比菜や小祝さくらなどを、1mくらいの「手を伸ばせば触れるくらい」の場所で見れたので満足である。そもそもゴルファーといえどもアスリートであるから逞しいのであるが、新垣や原などは身長が170cm前後あって顔も小さく足が超長いから、まさにスター級のオーラが出ていて実にカッコ良い。さらに新垣や小祝はスイングもお手本通りの「美スイング」で豪快に飛ばしているので、見ていても実に楽しい。全体に女子ツアーは見た目に服装が派手な上、スタイルも「ゴルフウェアが似合う体型」なのでコースで映えるのだ(その点パーティ会場などで見せる普通のファッションは見れたもんじゃないが)。とく9番のティーは地面とあんまり高低差がなかったので、とても見やすかったとコメントしておこう。他のティーは盛り土がしてあって観客の目線から相当高く作られていることが多かったように思う。グリーンも砲台で高い位置にあり、選手にとってはアプローチもやりづらそうである。やはりグリーンは余り高低差がないほうが良いと思うが、これは私が実際にプレーする場合のことだから、ツアー開催コースとしては難しいのはアリなんだろうとは思う。コンパクション24でスティンプメーターが14だというから、我々レベルでは先ず「グリーンに乗せる」のが無理である。しかし一般人からしてみれば、こういう難しさというのは余り理解が及ばない。ファンは、くるぶしまでの深いラフからグリーンに乗せる奇跡の一打を見たがっているのであり、見た目には何でも無いグリーン周りから「チョロって乗っかっただけ」のミスや、1mのパットを外す「微妙なアンジュレーション」などは面白いとは映らないのである。野球でも打者の手元で微妙に変化する投球より、160キロと言う半端ない速度で打者をバッタバッタと打ち取るピッチャーのほうが「受ける」のだ。観客の全員が全員ゴルフをプレーしているわけじゃないから、難しさも「実感としてわかる範囲」が人それぞれ違うということなのである。だが、共通して言えるのは「遠くに飛ばすこと」と「長かったり大きくまがったりするパットを入れる事」の2つであることは間違いない。まずその2つが魅せられなければ、その大会は失敗だといってもいいのだ。その他の細かい技術は、選手達の間では価値があるだろうが、見せるスポーツでは無用の長物では無いだろうか。飛距離とパッティング技術を売り物に出来れば、ゴルフの未来も明るい。

(4)午後スタート組
午後は金澤志奈を追っかけてみた。こないだヤマハオープン葛城で二日目に2位に立った時から注目しているが、実際にプレーするのを見るのは初めてである。テレビで見ている時は感じなかったが、プレーを見るとスポーツマンらしく喜怒哀楽を表に出しながらと言うよりも、「やや無表情で冷たい印象」である。スタートの10番ホールでいきなりダボを打ったせいかどうか知らないが、少し試合に臨む選手としては「やる気が内にこもりすぎ」ていて伝わってこないのだ。まあ私は元々「やわやわな脚」を見るつもりだったので、それはそれでいいのだが、河本結みたいに「よーし、バーディー取るぞ!」という顔を見せるのも、ファンに対するサービスだと思うのだが。その後3ホール位追っかけたのだがスコアが伸びず、途中で見るのを諦めた。結局4オーバーで予選敗退だったので、最初のダボが最後まで尾を引いた形である。見せ場を作れず予選敗退では、まだまだ努力が必要だと感じた。まだ私は彼女のファンではないので文句を言う立場ではないが、もう一皮か二皮剥けないとレギュラーで活躍するのには難しいと思う。ほんわかおっとりだけでは、勝負の世界を渡っていくのは厳しいということか。18番のグリーンを横目に見てから、私は練習場に向かった。ドライビングレンジでは、ちょうど河本結と鈴木愛がいた。河本結は確か弟だと思うが、男性が棒を持ってスイングする姿勢を矯正しながらボールを打っていたので、何とか「言っている内容を聞き取ろうと耳を澄ましてみたが」聞こえず、スイングの違いも分からなかったのでただ眺めているだけで飽きてしまった。鈴木愛はキャディと談笑しながら合間にショットを打っていたが、何処をどう直そうとして練習しているのか「解説付き」でも無いと正直素人には分からない。よく練習風景を見るのが楽しいと言うけれど、よっぽどのファンでも無い限りは、それほど楽しくもない。まあ自分の理想とするプロのスイングを真似をしたいと言うのであれば別だが、やはり可愛い選手の姿を見るのがいいと言うことに落ち着く。私は最後に「小祝さくら」が来たので20分くらい眺めていたが、ボールを打つ間「前傾姿勢からフィニッシュ」まで、一度も崩れたことがないのは流石である。プロはとにかくフォームが乱れないのに驚く。それを見るだけで、茨城ゴルフ倶楽部へ行った価値はあった。

以上。これでサロンパスカップ予選の観戦記はオシマイである。で、これから女子ツアー・トーナメントを見るためのコツを一つ二つ書いておきたい。

a. 携帯用のパイプ椅子
私は一日歩き回って、腰が痛くなってしまった。持ち運びの制限があるが、車で行くなら問題はないだろう。あんまり小さいものは不安定だし、長時間座るのにも不向きだから、キャンプ用のディレクターズチェアなんかのほうが、背もたれもあってゆったり見れて良い。もし椅子があったら私もビールなんか飲みながら一箇所で観戦するという手があったのにな、と後悔した。次回チャンスがあれば、是非用意したい。

b. 双眼鏡
前回は遠くが見えなくて詰まらなかったので、今回は持っていこうと決めていたので前日にビックカメラで買っていった。OLYMPUSの8✕25WP2防水モデルで8000円くらいである。私はポイントが溜まっていたので実質3000円で購入した。視野角が10度以上で明るさが9.6と、コスパが良い。実際にコースに持っていくと効果は絶大で、パー3などではグリーン脇にいても、ティーショットする選手の姿がはっきり分かるので樂しくなる。まあ、私の目は相当悪くて遠くが見えなく、ゴルフをしていても困ることが多いのだが、ツアー会場でも選手のティーショットがフェアウェイセンター方向に飛んでいるのか、曲がってOBなのかが全然見えなかったりするので、実はプレーそのものも楽しむには程遠いレベルなんである。双眼鏡でもティーショットの飛んでいく方向は見えないが、フェアウェイにある球はくっきり見えるので「持ってきてよかった」と実感した。

以上。もし皆さんも見に行くなら、持って行くほうが間違いなく楽しめるのでオススメである。

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