明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

今週の気付き(45)コロナの終着点

2020-07-23 17:28:03 | ニュース
1、逆説的だが、コロナは安定化に向かっている
コロナが騒がれだしてから早5ヶ月、クルーズ船や芸能人の感染・死亡などや世界の感染爆発もあって、一時は全日本人がパニックに陥った。それで国民が必死の拡大防止策を守ったことで、やっと沈静化したのが5月頃である。いわば巣籠もり効果である。そして今、政治主導で次々と経済活性化プログラムが動き出している。ところが社会活動を再開したら、コロナはまた感染が広がり始めて、東京ではとうとう一日300人を超えてしまった。全国的にも、各地で過去最大人数を更新している状況だ。それでも政府は自粛へ後戻りしようとはせず、国民に困惑が広がっている。我々はいったい(5月までのコロナではなく7月の)コロナにどう対処したらいいのだろう?

7月のコロナが、今までとどう違うかを説明しなければ、どのような対策も素人考えと大差ない。実際、専門家の意見を聞いても「マスクと3密」しか言わないのだ。無症状感染者がいる一方で、重症者や死亡者が出る理由についても、医学的に明確な原因は分かっていない。何百人と感染者が出る中で偶然に重症化する人がいて、中には死ぬ人も、たまにだがいるわけだ。雷と同じである。空には雷雲がもくもくと湧いてきて、静電気が放出されてあちこちに雷が落ちている。これが今のコロナの状況だ。我々は雷雲接近の中にいる。避雷針が付いたビルの中に入って、雷雲が通り過ぎるのを待てば「安全」である。だが雷が数時間待てば通り過ぎるのに比べて、コロナの場合は「数ヶ月、或いは1年以上かかる」かも知れないのだ。いつまでも巣ごもりして、コロナがいなくなるのを待つわけにはいかない。

私は現在年金生活で収入が保証され、やろうと思えば何日でも何ヶ月でも、巣ごもり出来る環境にある。だが、普通の人は毎日満員の通勤電車に乗り、密とは言わないまでも、多くの人と接触する環境の中で働いて収入を得ている。それぞれが自衛の策を取るというのも限界があるのだ。雷が鳴っている中でも、仕方なく畑仕事に出るような気分である。彼らにとってのただ一つの救いは、重症・死亡者は高齢者が殆どだという事実だろう。少なくとも70才以上でなければ、それほど恐れる必要はないのじゃないかとも思う。体力が弱っている人から先に、コロナに負けて死んでゆく。どうやらこれが、コロナという感染症の「実体」のようだ。これは最初っから発表されている特徴なのだが、特に最近の患者に限って言えば死者数自体、殆どそれすらも僅かな症例が見られる程度である。東京都の例で言えば、重症者は21人、さらに死亡者数は「数人のレベル」に下がっている。これは雷に例えるならば、ピカッと光ってドーンと落っこちてはいるけど、「まだ遠いな」というレベルではないだろうか。警戒はするけれど、避難するほどじゃないよね、といったところだ。

コロナの推移を眺めていると、若い人にとってはコロナは感染しても大丈夫な病気になっているのかもしれない。20代ならまず大丈夫だろう。30代から50代で基礎疾患がない普通の健康な人であれば、それほど心配もいらないのじゃないか。60代から行動を少し気をつけるようにして、「70代以上はもう最大限の自粛」である。これが今、コロナ対策と経済活性化の二律背反を乗り切るために、日本で取りうる「唯一の方法」なのだ。

年寄りは社会から排除される。勿論、人権問題も出てくるであろう。しかしこの場合、守られなければならないのは、人命である。人権云々を言っている場合ではない。少なくともワクチンが出来て、治療法が確立されるまでは、年寄は隔離すべきである。だが65才以上の年金受給者は人口の2割もいる。それをどうやって隔離しようというのか?

それが政治家のやるべきことであろう。私は2月のコロナ発生時点の早い段階から、「高齢者の自主避難・隔離」を対策の第一にあげるブログを書いていた。何も私だけが言っていたのではない。同じ意見を持っていた人も多かったと思う。それを専門家や政治家は無視して、「国民全員一律」の対応を行った。その結果の「経済破綻」である。それに気がついてから、もうなりふり構わず経済再生に突っ走っている。コロナはそれほど危険な感染症では無いということに、彼らも気付いているのである。だが正面切って口に出す政治家はいない。大衆の危機感を煽って人気取りをするのと、リスクを負って安全宣言をした場合の失敗を「天秤に掛けた」のである。その結果、責任回避を選んだ政治家は、「はっきりしない」態度に終始した。それが現在の状況である。

経済復興を推し進めたいなら、コロナという感染症の実体を「もっと明確にすべき」なのだ。コロナの毒性はインフルエンザと同じ程度のもので、特に心配する程のことはないが、高齢者は気を付けたほうが良い、とか。あるいは高齢者だけマスク着用を義務づけて、65才以下の人はマスク無しの普段の生活をさせる、というのも良さそうである。そうすれば、守るべき人と経済を回す人との役割分担がはっきりして、社会がむしろ今以上に高齢者に優しくなるのではないだろうか。

まずは高齢者がそれを受け入れるかどうかだが、これが一番難しい問題である。老人は気難しいからなぁ。

追加 : 今日のNHKBSで「BSスペシャル」というのをやっていた。この番組では、高齢者がコロナにやられる原因が「T細胞の産生力」の低下にある、とハッキリ言っていた(なるほど!)。若くても何らかの理由でT細胞の産生が上手く出来ないと重症化する、と説明している。こういう正確な医学的知見を政策に反映させることが専門家の役割だと思うのだが、テレビに出てくる専門家の医師達は「駄目なのが多いねぇ」。我々は馬鹿じゃないから、それくらいの理屈は理解出来る。日本も、もっと頭の良い「専門の感染症研究者を登場させ」て、日本人全員がコロナについて猛勉強した方が良いと思う。コロナは色々と調べていくと、抗体がたくさん出てくる人程重症化するという、「困った現象」が見られるという。ADEとか交差免疫とか、難しい医学用語がいっぱい出てくるが、こういうことを理解しないとコロナを正しく理解したことは出来ない。勉強になるねぇ。番組に出ている女性の研究者は、コロナ以外のワクチンでも「自然免疫を活性化」する薬が一緒に入っているそうで、それがコロナにも効いているのじゃないかと言っていた。

こりゃあ秋になったら、早めにインフルエンザのワクチンを打っておこうっと。・・・備えあれば憂いなし、だ。

2、自粛で見つけた「にっぽん酒処めぐり」
これは最近私のお気に入りとなっている、雑誌「古典酒場」編集長・倉嶋紀和子氏が日本全国の酒蔵を訪ね歩く番組で、CS「旅チャンネル」でやっている。今までは太田和彦と吉田類ぐらいしかなかった酒ルボ関係の番組も、最近はあちこち結構増えて来て、玉袋筋太郎の「町中華でやろうぜ」など、色々と幅が出てきたのは嬉しい限りだ。中には酒さえ取り上げれば視聴者は喜ぶだろうという安易な考えから、「芸人がはしゃぐだけのつまらないやっつけ番組」などもあるようだが、それらは「酒を正面からきちんと取り上げて」なく、結局はおちゃらけた泡沫番組になってしまっている。やはりメインである酒を「真面目に紹介する番組」が面白いのだ。

今回は和歌山県和歌山市の黒潮市場で「酒のつまみを選ぶ」というところから始まった。奈良に引っ越す計画が遅々として進まない私だが、こういう「海鮮市場」が家の近くにあると、食生活も俄然「グルメっぽく」なるだろうなと思うと急に、引っ越す先も「活気ある漁港の町」なんかにしようかと思い始めるから、いい加減なものである。だけど住む場所を決めるのに、食事の環境というのは大事かもと思う。今回のツマミはズワイガニ・うなぎ・生マグロと新鮮な海の幸がてんこ盛りだが、一人分小分けにしてあり、リーズナブルな値段でめちゃくちゃ美味そうである。店で買ったら市場内のイートイン・スペースですぐ食べられるというのも、「独身貴族」の私にとっては言うこと無しで便利至極だ。もちろん酒屋もあるので、日本酒やワインなど好きなものを選んで、鮮度抜群の海の幸を食べながら「友達とグルメパーティー」を楽しむなんてことも、出来ちゃうというから最高の環境である。おまけにゴミの片付けも必要ないから、自分の家はいつでもクリーンだ。

やはり「食は外で」というのが理想ではないだろうか。何か飲みたくなったり食べたくなったら出掛けていく。家に閉じこもってテレビばかり見ている老人は、人生の最も楽しい部分を自ら捨てていることになる、と考え直した。番組は後半に海南市にある平和酒造を訪ねる。町中を散歩して珍しい物産や隠れた名店をルポし、郷土の独特の雰囲気を味わってから、それからお目当ての酒蔵を訪ねるという趣向だ。これは多くの番組が同じような傾向の作りになっているので、平均的視聴者の求めるものなのだろう。旅とグルメは切っても切れない関係にある。倉嶋氏は平和酒造でひとしきり酒づくりの現場を見てから、いよいよお待ちかねの試飲にうつった。

銘柄は日本酒新興勢力の一角を担う「紀土」だ。日本酒は、土地の気候・風土に根ざした土着文化である。日本酒の魅力を世界に向けて発信しようという若い感性が、古い伝統と芳醇な土地の恵みを活かしながら新しい酒造りに挑戦する。いかにも日本的ではないか。この「紀土」という酒「なかなかやるね」というわけで、いつもいつも紙パックの安酒で誤魔化すんじゃなく、たまには本物の「気合の入った酒」を呑むというのもいいかなぁ、と思ったりした。奈良に行ったら寺巡りや田舎の景色を楽しむのもいいけど、本格的に居酒屋探訪をやってみようと言うのも悪くはない。年取ったら、なんやかんや言ってもやっぱ酒だよね、楽しみは。こうして見ると自粛続きの毎日も、レアなテレビ番組を見つけて結構楽しくやれているのかな、と思う。まさに年金老人の贅沢である。

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