空観方程式

「色」と「空」の一体化によって可視化され、相互作用で共感・共鳴が生じ、新たなる思いや生命力が実体化される。

身を捨ててこそ 身をも助けめ    西行

2010年05月28日 | 読書・TV感想
『惜しむとて 惜しまれぬべき この世かは
      身を捨ててこそ 身をも助けめ』                 
                        西行

いくら惜しんでも惜しみ通すことはできないこの世の中です。
身を捨ることこそが己を救う道でしょう。



ここでも「どうするか」(空)と「どうなるか」(色)の関係性であって、
「色不異空、空不異色」 「色即是空、空即是色」です。
「身を捨ててこそ(空)、幸せ、本質を感じる(色)ことができる」
「人生に向き合う覚悟」「身を捨てる覚悟」のようなものが有ればこそ、
むしろ不安から離別できて、本質、真実が見えてきて、安心につながる
のでしょうか...


一般には家族のためにも「身を捨てる」いわば出家する生き方は
できませんから、生活に不安がない範囲で「どうするか」を
決めるしかありません。
しかし精神的に余分なもの、どうでもいいことを捨てることは
できます。
いわば空の状態であればこそ本質が見えてくる(色)。
まっさらで純粋であればこそ運命を受け容れられる。
従って「もっともっと」が有ればこそ、「身を捨てる」という関係性
でしょうか。
それによりまた新たな世界が見えてくる。
「もっともっと」と思っていても、「もっともっと」だけでは思い通りに
行かないこの世では、
精神的に余分なものを捨て、幸せになるためだけに働くことを捨て、
幸せを感じることのできる生き方、感謝により自身が納得できる生き方、
謙虚さのある生き方、本質が浮びあがってくる生き方を目指す。
例えば豪邸ではなく、くつろぎや癒しを目指した上での生き方、
仕事でしょうか。



脳梗塞(こうそく)からの“再生” ~免疫学者・多田富雄の闘い~
2005年12月4日

NHKアーカイブス「免疫学者 多田富雄の遺(のこ)したもの」
2010/05/30

「運命を受け容れる力」
それは全部捨てる気持ち。一種の悟りである。
そのせいか新しい自分を積極的に生きようと思った。 多田富雄



仏教では「舎得」のことを「あげてこそ、もらうことがある」と説いている。
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