里地里山の1年 5月上旬の里地
レンゲの田んぼで
田植えの始まる前の田とそのまわりの花を集めてみました。
田植えの前には、畦も草刈りをおこないます。田植えの作業がしやすいようにするためです。
田んぼ周辺に咲く、耕うんされるまでの野の花です。
里地里山の1年 5月上旬の里地
レンゲの田んぼで
田植えの始まる前の田とそのまわりの花を集めてみました。
田植えの前には、畦も草刈りをおこないます。田植えの作業がしやすいようにするためです。
田んぼ周辺に咲く、耕うんされるまでの野の花です。
兵庫のメダカ キタノメダカとミナミメダカ
現在 遺伝学的な分類によって、メダカはキタノメダカとミナミメダカに分類されます。
兵庫県では円山川流域にはキタノメダカが分布します。淡路島の水系、また日本海側の由良川上流には、ミナミメダカ東瀬戸内型が、日本海側の岸田川、及び竹野にはミナミメダカ山陰型が分布します。
また、但馬、丹後地方には両種の雑種に起源を持つハイブリッド集団が分布します。
メダカ(メダカ科)
体長3~4cm。用水路や本流の流れのゆるやかな場所に生息しています。ミジンコなどのプランクトンやユスリカ幼虫などの小さな水生昆虫などを食べています。寿命は約2年。
〈オス〉
尻びれの形が平行四辺形で幅が広くなっています。
この大きな尻びれでメスを下から抱くようにして産卵を促します。
〈メス〉
尻びれの後方の幅が急に細くなっています。春から夏の産卵期にはお腹が大きくなり、朝方、腹部に卵をくっつけていることがあります。
・口がうけ口で、水面近くの餌を食べやすくなっています。
・上から見ると背中に1本の黒い線が入っています。
・背びれが後ろの方についています。
水草に産みつけられた卵→
< まちがえやすい魚 >
左:カワムツ幼魚
右:カダヤシ(外来種)
*尻びれの形が違います
猪名川外来の魚(生きている猪名川改訂版より)
◆なぜ外来魚が日本にいるの?
カダヤシ、 オオクチバス、 ブルーギルはもともと北アメリカに住んでいる魚で、 それぞれ1916年、 1925年、 1960年に日本に輸入されました。 カダヤシはボウフラ退治のため、 オオクチバスとブルーギルはゲームフィシングのためそれぞれ特定の場所だけに放流されました。 ところが、 心ない人が持ち出し、 あちこちで放流したため、 日本各地の川や池沼に広まりました。 特に、オオクチバスやブルーギルは魚のこどもや小動物を好んで食べるため、 元からいた日本の魚が絶滅に危機に瀕しているところもあります。 みなさんも、 無責任な放流をしないようにしましょう。
オオクチバス (サンフィシュ科)
全長50cm。別名ブラックバス。体側に、黒い斑点が一列に並んでいます。ダム湖やため池、川の流れのゆるやかな場所にすんでいます。その名のとおり、大きな口で小魚、甲殻類、落下昆虫など動くものなら何でも口にい入れてしまいます。
ブルーギル(タイワンドジョウ科)
全長約70cm。細長い体型で体側には2列の暗色斑があります。流れのゆるやかな場所の水草の中などに潜んでいます。肉食で小魚や甲殻類を食べています。
カムルチー(サンフィシュ科)
全長約25cm。エラ(英語で gill:ギル)ぶたの後方に濃紺の斑点があるのでこの名がつきました。ダム湖やため池などの流れのゆるやかな場所を好みます。水生昆虫、甲殻類、小魚、魚卵などを好んで食べます。
猪名川回遊魚1(生きている猪名川改訂版より)
川と海を行き来する魚を回遊魚といいます。
このような回遊魚は通し回遊魚とよばれ、4つのタイプにわけられます。
1.遡河回遊魚:海で成長し、河(淡水)で産卵する魚
サケが有名ですが猪名川には遡上していません。近くの川だと由良川に遡上してきます。
「生きている由良川」で紹介して言います。
2.降河回遊魚:川で成長し、海で産卵する魚
ウナギが有名です。
3.両側回遊魚:2タイプ
A)淡水性両側回遊魚:
川で産卵し、海に降りて成長、その後川にそ上してさらに成長したのちに産卵する魚
アユが有名です。猪名川では、トウヨシノボリ(ハゼ科)がこのタイプです。
B)海水性両側回遊魚:
海で産卵し、川にそ上して成長、その後さらに海で成長して産卵
日本には典型例がいません。ボラ、スズキなどがこれに近いと考えられています。
アユ(キュウリウオ科)
体長10~30cm。春から秋にかけて、川の中流域で生活しています。秋になると下流域に移動して産卵した後、死んでしまいます。岩など表面についている藻をたべます。唇をこすりつけて食べるので、石などの表面に独特の「はみあと」が残ります。
藻川ではアユが増えるように環境整備を進めています。
また、猪名川の支流の一庫大路次川はダム湖産アユの遡上が見られます。Blogを見てください。
ウキゴリ(ハゼ科)
体長約 10 cm。第1背びれ後部に黒斑があることと体側に四角形の模様が並んでいるのが特徴です。河口域から下流域の流れの穏やかな場所にすんでいます。動物食で、水生昆虫、小魚、甲殻類などを食べています。
カワヨシノボリ (ハゼ科)
全長約6cm。砂や小石の底にすんでいます。こぶし~人頭大の石の下にひそんでいたり、吸盤状の腹びれを使って、岩の上に付着していることがあります。雑食性ですが、水生昆虫や小魚、他の魚の卵などを好んで食べます。カワヨシノボリは通年川の中で過ごします。
猪名川下流の魚たち3(「生きている猪名川改訂版」より
下流の魚の最後になります。
モツゴ(コイ科)
全長約8cm。口は受け口で小さく、いわゆる“おちょぼ口”です。中・下域の淀みに生息し、生命力があり少々の汚水でも生きることができます。雑食性で、底生動物や石に付いた藻などを食べます。
ギンブナ(コイ科)
全長約25cm。腹側が銀白色をしています。川の流れのゆるやかな深みやため池などにすんでいます。雑食性で底にすむ動物や石に付く藻などを食べています。単為生殖(たんいせいしょく)といって、メスだけで繁殖することができます。ギンブナの卵にほかの魚の精子を受精させてもギンブナになります。
メダカ
体長3~4cm。用水路や本流の流れのゆるやかな場所に生息しています。ミジンコなどのプランクトンやユスリカ幼虫などの小さな水生昆虫などを食べています。寿命は約2年
里地里山の1年 5月上旬の里山
里地では、もうすぐ田植えが始まります。作業地に向かう途中に竹林があります。よく見るとあちこちに掘り返されたあとがありました。イノシシがタケノコを食べたあとだそうです。今年も人間が食べる前にほとんどイノシシに食べられてしまったそうです。
里山の山頂付近ではそろそろササが伸び始めてきています。また草と格闘する季節が始まります。
<5月上旬>
里山の様子
ため池ではメダカ、ニホンカワトンボ、ヤマアカガエル、ヒキガエルのオタマジャクシ
里山ではガマズミ、スノキ、ツクバキンモンソウ、キランソウ、カキドオシ、コガクウツギ、ツクバネウツギ、コツクバネウツギ、ヒメハギ、ヤマツツンジ、ニガナ、ツルリンドウ、ギンラン、カヤラン、アカメガシワ、アセビ、タカノツメの新芽、ウラジロの新芽など
猪名川下流の魚たち2(「生きている猪名川改訂版」より
下流域は水温が高く、餌やすみかが豊富にあるため、様々な魚がすんでいます。
オイカワ(コイ科)
全長約15cm。水の汚れに比較的強く、中・下流域に広くすんでいます。特に成魚は浅くて流れのあるところを好みます。雑食性ですが、アユと同じように、石についた藻が好物です。
冷たい水が苦が手なので下流のオイカワ、上流のカワムツとわかれるようです。
5~8月は繁殖期でオスはきれいな婚姻色になり、川底に砂や小石のある所になわばりを作ります。きれいなオスは多くのメスと繁殖行動をとるのでやがてつかれて死んでしまいます。その結果、秋にはメスの数がオスより多くなってしまいます。(もてるのもよし悪し・・・)
ナマズ(ナマズ科)
全長約50cm。口ひげが2対あり、背びれが小さいのが特徴です。体表は粘液でぬるぬるしています。
流れのゆるやかな淀みや水田につながる水路などにすんでいます。昼間は石の間にひそみ、夜になると出てきて小魚、エビ類、水生昆虫などを食べます。
5月~7月が繁殖期で本流から移動し、水田や岸近くの水面に浮いている藻や水草に産卵します。仔稚魚は水田側溝や用水路泥底などで大きくなります。
ドジョウ(ドジョウ科)
全長約12cm。褐色の体に細かい斑点があり、腹側は白色です。口ひげは5対あります。水田や水田につながる水路の砂泥底にすんでいます。エラとともに、腸でも呼吸することができ、時々水面に浮かんでは泡を出していることがあります。
ドジョウの語源
近年の造伝学的研究で、日本のドジョウは5種類いることがわかった。中島・内山 (2017) は形態学的な特徴を加味して、日本列島でみられるドジョウ属を ドジョウ(本州から九州)、キタドジョウ(北海道から関東北陸)、シノビドジョウ(奄美群島)、ヒョウモンドジョウ(与那国島)、カラドジョウ(外来種)の5種として整理した。
シイの森
西南日本の潜在植生は照葉樹林(常緑広葉樹)、東北日本では落葉広葉樹です。
潜在植生とは人間が開発しなかったら成立するであろう植生です。
照葉樹林ではシイやカシの木のトングリ主ですが、落葉広葉樹はドングリのの種類はたくさんあります。
その昔、西日本では照葉樹林の森を人が生活のため伐採が始まります。そして、人が利用した後に再生してきた森林が誕生します。二次林といいます。二次林も自然林ですが、手つかずの天然林は一部にしか残っていません。
宗教的に保護されている場所では潜在植生が残っている場合がります。社寺林です。
照葉樹林は西日本を広く覆っているはずですが、社寺林の樹木の種類が何かを調べることによって潜在植生の分布域を調べることができます。
照葉樹林を構成する主要樹種であるシイ属(Castanopsis)は東南アジアを中心に約130種あります。
そのシイの多くはクリの様に長い刺がありますが、日本周辺〜東アジアに分布するシイの多くはドングリです。日本のシイ類はシイ属の分布の北限にあたります。
スダジイは主として海岸沿いに生育し、コジイ(ツブラジイ)はスダジイより内陸に生育するといった生態的特性がみられるものの、しばしば同じ場所でもみられます。実のほうもコジイスダジイの中間を示すものもあり、見分けることは困難なところもあります。そのため、遺伝子による研究も進められています。
阪神間の社寺林でみられるコジイ群落
生きている武庫川を編集する際にしらべた駒宇佐八幡神社
図面からもほとんどがコジイでしめられていることがわかります。
5月今が シイの花が咲く観察ができる時期
雄花はみつけやすいですが、ぜひ雌花もさがしてみてください。
猪名川下流の魚たち1(「生きている猪名川改訂版」より
猪名川の下流は都市部を流れる都市河川です。川幅も広くなり河川敷は運動公園などに利用されている部分もあります。水の流れも緩やかになり、瀬や淵があります。
5月といえば端午の節句。こどもの日です。江戸時代に庶民の間に広まった風習の一つに端午の節句に男の子の成長を祝って揚げれらる鯉のぼりがあります。『健やかな成長と立身出世を願う』という意味でこいのぼりを揚げるという、日本独自のものです。
こいのぼりの歌で「やねよりたかい こいのぼり/おおきいまごいは おとうさん/ちいさいひごいは こどもたち/・・・」と歌われるように、黒の鯉はお父さん、赤の鯉はお母さん、青の鯉は子どもと、鯉のぼりを家族と考えるようになったのは明治時代以降だそうです。
武家政治のころ、男児の成長を祝って屋外に旗指し物や幟を立てたことが起源で、江戸中期に町人たちが家紋などの図柄の代わりに鯉の吹き流しを飾るようになったのが始まりです。当時は和紙でできていましたが、大正時代に本絹に、昭和 30 年代以降に化学繊維が使われるようになりました。
最近は少子化のせいでしょうか、写真のような大きなこいのぼりあげているのを見かけることも少なくなりました。
コイ(コイ科)
全長約50cm。口ひげが2対あります。流れのゆるやかな場所で、特に深いところを好みます。雑食性で、ユスリカ幼虫、イトミミズ、水草などを食べています。コイの原産国は中央アジアだといわれています。古くから世界各地に移植され、アリストテレスの記述の中にコイがでてくるそうです。日本には中国経由で入ってきました。それが日本各地の河川や湖沼に広まりました。元来、暖かい水を好むので、雪解け水が流れ込むような渓流や湖には生息することができません。
元来は黒褐色のコイが原種なのですが、突然変異体を作りやすい性質を持っているため、古くから観賞用に品種改良が重ねられてきました。黒い色素のない「緋鯉]もその1つです。また、大正博覧会(大正3年)に越後の山古志村から出展された「錦鯉]が注目を集め、それ以降様々な品種が日本に広まりました。また、ヨーロッパでは鱗の数が1列、3列しかないコイが生まれ、「ドイツゴイ」という名でも日本に輸入されています
<コイ>の滝登り
中国の黄河の上流に三門峡という滝があり、ほかのどんな魚も登ることができなかったのに、コイだけが登ることができ、そのコイは竜になることができた……]という「登竜門]伝説でコイの滝登りは有名です。立身出世のシンボルとして、数々の掛け軸にもコイの滝登りが描かれています。しかし実際は急流は苦手で、流れの緩やかな淀みに生息し体長が1mを越すものもおり、そのような大きな体ではとうてい滝登りはできません。
「コイの放たれた人工池を清掃すると曲がったコインが見つかる」という話を聞いたことがあります。
コインそのものは、人が願掛けのつもりで投げ入れたのでしょうが、それを曲げたのはコイの仕業と考えられます。コイの咽頭の入り□に3列になった「咽頭歯」という丈夫な歯があり、その歯で貝などをつぶして食べることができます。おそらくその出でコインをかんだのでしょうが、用心深く餌釣りが難しいコイが、金属のコインに興味を示すのが不思議です。
猪名川中下流の魚たち4(「生きている猪名川改訂版」より
中下流域は水温が高く、餌やすみかが豊富にあるため、様々な魚がすんでいます。
スジシマドジョウ中型種 (ドジョウ科)
全長約7cm。口ひげが3対あり、体の横に黒褐色の縦線があるのが特徴です。また、尾の付け根上部に目立つ黒斑点が1つあります。流れのあるところを好み、砂礫の底にすんでいます。雑食性でユスリカ幼虫などの底生動物などを好んで食べています。
タモロコ (コイ科)
全長10cm。口ひげが1対あります。川や池、用水路などの浅いところにすんでいます。雑食性で、水草、石についた藻、プランクトン、底にすむ小動物など何でも食べます。
ヤリタナゴ (コイ科)
全長約10cm。口ひげが1対あり、繁殖期のオスのしりびれの先は赤くなります。雑食性で、水中の小動物や石に付いた藻などを食べます。タナゴ類は二枚貝のエラの中に卵を産みつけ、卵がふ化した後、稚魚は泳ぎ出すことができる時期まで二枚貝の中で過ごします。