河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑173 / 盆からさ~きゃ2

2024年08月13日 | 菜園日誌

アライグマの撃退法をネットで調べていたら、トウガラシ液があった。
強い刺激臭が苦手らしい。
イノシシやヌートリアなどの害獣にも効果があるという。
そういえば、五年ほど前に農薬替わりにしようと思って、トウガラシ液を作ったことがある。
農小屋の中を探してみると、有った有った!
完全に熟成した五年モノのトウガラシ液(左の黄色の蓋)。

蓋を開けると強烈な匂い。
なるほど、こりゃ効きそうだ。
焼酎にトウガラシを入れて漬け込むだけ。
お好みで酢やニンニクをトッピングする。
二週間ほど熟成させると完成。
ろ過して二百倍ほどに薄めて使う。
無害だし自然に優しい。
それに、農薬は一日で使い切らなければならないけど、こいつは作り置きが可能だ。
ただし、風向きを考えて散布しないと、目に入ったらたいへんなことになる。
使わずに五年も放ったらかしにしていたのは、そのたいへんな目に遭ったためだ。

去年のトウガラシがたくさんあるので、新しいのを作った。
一日しか経っていないが、うまそうな赤色をしている。
殺虫ではなく、害獣除けだから、ジョウロで畑の周りに蒔く。
果たして害獣がいなくなるか?
♪盆からさ~きゃ おーらんど♪ の楽しみだ!

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畑172 / 盆からさ~きゃ

2024年08月12日 | 菜園日誌

明日からお盆。
だからといって、分家なので、殊更になにもない。
でも、お盆が過ぎると秋野菜の作付けスタート。
さあ、なに植えようか?
まずは、余っている種を確認して、自作の「栽培暦」とにらめっこ。

植える野菜が決まると、次は場所割り。
さあ、どこに植えようか?
連作障害を防ぐために、エクセルで「輪作表」を作り、畝ごとに何を植えたのか記録している。
黒い部分は休耕中。
年々、黒が増えていくのは歳のせいで仕様がない。

考えているうちに、去年のことを思い出した。
苗を作ったものの、九月になっても猛暑が続き、定植できなかった。
おそらく、いや、きっと、今年も暑いにちがいない。
寒冷紗で遮光して、保護してやる必要がある。
ならばというので、去年に少しだけやった「多種類混合植え」をすることにした。
アブラナ科の野菜8種類を一つの畝に植えるのだ。
長目の寒冷紗一つだけなので管理が楽だ。
それも、一度にたくさん植えずに、何度かに分けて植える。
まずは、栽培期間が短い水菜、しろ菜、蕪を20株ずつ。
次に、ハクサイ、キャベツ、野沢菜、かつお菜を5株ずつ。
これを九月の上・下旬にニ回繰り返す。
そして、早く収穫して空いた所には、キク科のレタスや菊菜を植えていく。
おお、いいではないか!
名付けて「一畝多種類混合分割植え」。
盆から先の楽しみができた。

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畑171 / ピントが合わない!

2024年08月10日 | 菜園日誌

カラスの襲撃が一段落ついたと思ったら、今度はアライグマが落花生にちょっかいを出してきた。
囲ってある網に4、5センチでも隙間があると、そこから手を突っ込んで土をほじくる。
インターネットでで退治法を調べると、アライグマは嗅覚が鋭く、強いニオイを嫌う……とある。
そんなら……というので、ペットボトルに庇(ひさし)を二カ所開けて、100均で買って来た野良犬猫の忌避剤とナフタリンを入れて仕掛けた。
ニ、三日経過したが、どうやら効果があったのか、やって来なくなった。

その代わりに珍しいのが現れた。
夕方の5時ころ、まだ暑いが、雲が出てきたので畑へ。
すると、里芋の通路に動くもの。
足の長い茶色い鳥が歩いている。
今までの記憶から判断してケリ!?
ケリという変わった名をした凶暴な鳥で、巣に近づくと、親がキーキーと大きな声で鳴きながら突っ込んで来る。
恐くて、バイクのヘルメットをかぶって畑を耕したことがある。

なぁ~んや……と見ていると、一匹、二匹、三匹。
そして、その後ろから茶色いのと青色した親鳥が二匹!
ケリではない!
キジ!
四、五年前にツガイがいたが、雄がいなくなって、美しい色した雌だけになっていた。
それが、今年になって雌雄で見かけるようになった。
そして、今日、三匹の子を連れて、親子で、我が畑に散歩に来ていたのだ。
慌てて写真を撮ろうとすると、親子は慌てることなく、稲田の方へ行く。
はい、ピース。パチリ!

ピントが合わないうちに、向こうへ行ってしまった。
それでも、なんとなくうれしくなる。
キジは、ツルやトキをおさえて堂々たる日本の国鳥なのである。
雄は勇敢で雌は母性愛が強い。
そして、日本固有種で、外国に渡らず、いつも日本で生息しているというのが最大の理由だ。
だが、しかしである。
国鳥だからといって、勲章ぶらさげて、特別に保護されているわけではない。
カラスやアライグマ同様に、鳥獣保護管理法で保護されているにすぎない。
どうも釈然としない!
どっか、ピントが合っていない。
※下はピントの合ったキジの子の写真です。

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茶話141 / 杞憂

2024年08月07日 | よもやま話

地球は丸いというのは常識だが、古代中国では「天円地方」、天は円(まる)く、地は方形であると考えられていた。
これを聞いた「杞」という国の男が、それなら、いつか天が落ちてきて、地が崩れてしまうのではと心配して、夜も眠れず、食事も喉を通らなくなった。
それを見かねた人が、「天は大気で覆われているから落ちないし、地は頑丈な土の塊だから崩れることはない」と説得した。
それを聞いて、杞の国の男は、無用の心配して憂えていただけかと、ようやく安心した。
中国の古典『列子(れっし)』の中にある「杞憂(きゆう=杞の憂え)」というお話。

明日何が起きるのかは誰にも分からないのだから、それを心配してもどうしようもない
しかし、何が起こるか分からないという危険に、無防備でいるのは無謀だ。
天地が崩壊することには対処のしようがないが、地震や台風などの被害には、予め備えることができる。
にもかかわらず、出来得る限りの防備をやっても、災害がおこらなければ、取り越し苦労になって杞憂だと言われてしまう。
そんな杞憂が何度か続くと、人は安心して無防備になる。
そのときに限って、杞憂ではないことが本当に起きてしまう。
我々は、杞憂と無謀(=無防備)の間(はざま)を常に彷徨(さまよ)っている。

株価が大きく下がった。
世界的な金融危機でもないのに、日本だけがパニック売り。
高度経済成長期や今回のように株価が上がり続けたとき、人は無防備になる。
『アリとキリギリス』のキリギリスのようなもので、夏秋にさんざん遊び惚けて、冬が来たときにあたふたとする。

 あやまちはくりかへします秋の暮 /三橋敏雄
「あやまちはくりかえしません」という広島の平和の誓いをもじって、ふざけているようだが、季語の「秋の暮」には覚悟のようなものが感じられる。
人間は同じ過ちを繰り返してしまうものだが、絶対に「あやまちはくりかへしてはならないのだ」と居直っているのだ。
 忘れちゃえ赤紙神風草むす屍 /池田澄子
赤紙は召集令状,神風は特攻隊,草むす屍は未だ遺族のもとに戻らない戦死者の亡き骸をいう。
あのとき、守りたくても守れなかった。それを忘れようとしても忘れられない人々がいる。
一方で、戦後何十年も経つと、戦争の思いは少しずつ風化して忘れ去られていく。
「忘れちゃえ」の投げやりでぶっきらぼうな言葉には、戦争というものに無防備になっていく人々への批判がある。
「忘れたきゃ忘れなさいよ。どうなってもしらないから」という現実に対する抵抗の精神が伝わってくる。
むやみに杞憂するのはよくないが、無防備はもっとよくない。
 泉あり 子にピカドンを説明す /池田澄子

※三橋敏雄=1920年11月8日 - 2001年12月1日)の俳人。池田澄子=1936年3月25日 - )の女性俳人。

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茶話140 / 四季

2024年08月03日 | よもやま話

こぼれ種で畑のあちこちに生えている松葉牡丹。
「畑タコ」で書いた雑草のスベリヒユの仲間だから、この暑さの中でも剛健に育つ。
写真には写っていないが何十匹ものミツバチが飛んでいる。
近くに寄っても刺してこない。
クマのプーサンになった気分。
みんな、後ろ足にコロッコロにした花粉を抱えている。
野生化して、どこかに巣をつくって蜂蜜をいっぱい蓄えているのだろう。

そういえば、今日は8月3日……はちみつの日。
明日4日は新月。
ということは、旧暦の7月1日(朔日)。
旧暦では1月、2月、3月が春で、4月、5月、6月が夏。 秋は7月、8月、9月で冬が10月、11月、12月となる。 
今年は、少し遅れて7日が立秋。
とはいえ、季節なんぞはゆっくりと移ろうもので、少しずつ秋が感じられますよ……というのが立秋。

四季があることは味わいがある。
日本だけではなく、日本と同じ緯度の国なら四季がある。
しかし、日本の四季は春夏秋冬がはっきりとしている。
春はハナミ 夏はスズミ 秋はツキミ 冬はユキミ……で酒が飲める。
すこし難しくいえば、春山は笑うが如く 夏山は滴るが如く 秋山は粧(よそお)うが如く 冬山は眠るが如し……である。
人生にも四季があるのだとか……。
 目はかすみ 耳に蝉鳴き はは落ちて 頭に雪の積もりけるかな

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