やまあそび

きのこと釣りと山菜の記録と思ったことをずるずる綴る

20181008考察_きのこ

2018-10-08 23:55:56 | 考察
俺がきのこを本格的に始めて今年で10年目になる。
元々1997年だったか、渓流釣りで川に跨った倒木に旨そうなきのこが出ていて
なにげに「これ食えるんじゃね?」と思い山渓の「きのこ」なる本を購入して
ヌメリスギタケモドキを見て「これだ!」ってことで翌週早速取ってきて
天日干しして、洗って、炒めて、恐る恐る小指の先ほどを囓って旨いことを
確認して2時間ほど体調変化を確認し、改めて全部喰ったのが始まりだろう。
その年は同じ渓の斜面に「きのこ」本を持参して徘徊したのだが、正直めぼしい
きのこの発見には至らなかった。
以来、なんとなく春先から9月末まで休日は渓流で毛針釣りが主流、シーズン
オフは管理釣り場というスタイルがメインとなった。
2009年の春先からなにがどうしてこうなったのかはいささか覚えはないので
あるが、なにかスイッチが入ったかのようにきのこの情報をネットで漁っていた
記憶がある。
ガキの頃に知り合いのおっさんに連れて行ってもらった近くの山で、きのこ狩り
をした記憶とそのきのこ汁の旨さが今でも脳裏に蘇る。
あれはなんのきのこだっただろうか? さっぱりわかんね?
ただ、下がしびれるような旨みとナスが非常に美味しくて何杯もおかわりした。
あれをまた食べたいなぁ、なんて思ったのか?
とにかく半年以上情報を集めて何度も見返し確認していった。
で2009年だが、この年は秩父は不作だったんだよな。
ウラベニホテイシメジ(イッポン)とクサウラベニタケ(ニタリ)の見分けの
確認が出来なかった。
とにかく菌根はほとんど発生しなかった。 雨が全く降らなかったからだ。
一応経験者と一緒にポイントを教えてもらい入ってみたけど、テングタケの仲間1本、ホウキタケの仲間複数、シバッカブリと呼ばれるフウセンタケの仲間数本、道路脇に発生していたクサウラベニタケ1本のみの散々なけっかになった。

シバッカブリと呼ばれるきのこ(正式和名は不明)

それでも九月下旬から休日はせっせと山を徘徊した。
多くないきのこをじっくり確認しながら始めて自分で見つけたきのこは
ナラタケだった。しかも流れてとても収穫出来る状態ではない株が複数。
写真だけ撮り答え合わせをした。
いろいろな文献を確認してナラタケ(広義)と判断した。
初めて一人で発見した食菌(ただし時期遅れ)

次に発見したのはクリタケだった。

クリタケ

このきのこには、ニガクリタケと呼ばれる類似した毒きのこがある。
色々文献を調べていたので間違いないと確信していたが一応経験者に
確認してもらい食べてみた。正直味は覚えていない。
ちなみに後でニガクリタケと思われるきのこを囓って味を確認した。

ニガクリタケ

確かに苦かったが、思ったほどではなかった。
苦みで言うならニガイグチモドキやキアブラシメジの方が強烈だと思う。

ニガイグチモドキ


キアブラシメジ

次に発見したのはハタケシメジだった。

ハタケシメジ

これは正直最初わからなかった。
杉林の脇の少し凹んだ場所に小さな檜の木の下の草に隠れて出ていた。
今思えばかなり馬鹿でかい個体だった。写真は脇に出ていた別個体だが
これの2倍の傘だった。
この類は全てクサウラベニタケ(ニタリ)と脳内インプットされていたので
「だまされないぞ~」とかいいながらヒダが赤くないこと、嫌な粉臭がないことに多少疑問を抱きつつ捨ててきた。
色々文献を漁って「もしかしてハタケシメジ?」と思うようになり
翌週持って帰って確認した。
ここで一つ発見があった。
クサウラベニタケは胞子が作れるようになるとヒダが肉色になってくる。
これはこの仲間の特徴だ。
もう一つ、ウラベニホテイシメジやクサウラベニタケはヒダが幅広いのだ。
傘に対して垂れ下がるようにヒダがついている。
これに対してハタケシメジはヒダが幅狭いのだ。
傘に対して垂れ下がらず平行線な感じ?なのだ。
更に柄が傘色を帯びているのも違いの一つだ。
そして虫出しで塩水につけると、「シメジ!」の甘いような匂いが出てくるのだ。
粉臭なんて微塵もしない。
これだけ解っていればとりあえずクサウラベニタケと間違えることは絶対ない。
多分ここが、俺のきのこに対する観察感の分岐点だったと思う。
以来色々な角度からきのこを見るようになった。

この年はこのあとムラサキシメジを発見し、更に経験者とクリタケ狩りに
行きアカモミタケを覚えた。
そして11月にひとりでアカモミタケを見つけ終了した。

俺のきのこ狩りデビュー1年目は、シバッカブリから始まりアカモミタケで
終了したわけだ。








そのうち続く