のほほんブログ

今日も今日とて、変わり映えしない日々。
ボケ防止と備忘録にブログをやってます。

読んだ本、「雪の花」

2024年04月05日 | 

吉村昭「雪の花」が映画化、

松坂桃李主演で来年1月公開されるらしい。

調べたら、こちらに収録されていたので借りてきました。
吉村昭歴史小説集成 (第7巻)

この中の「雪の花」だけ。


今では絶滅された天然痘、
私財を費やし民を救おうとした医師、
石つぶてを投げられても決して諦めなかった
自分の命をとしても、事を成し遂げようとする笠原良策の無私の精神に
世の中にはこんな人間もいるのだなぁと、感動する。


痘苗を京都から福井に持ち帰るため、雪の山越えをするあたり、
映画で再現されるのでしょうか・・
異国から伝わった種痘と言う医術を受け入れてもらえず、
目の前で大勢の人が死んでいくのを見ながら、
いたずらに年月が過ぎるだけの歯痒さ、
無知であることと、役人の事なかれ主義と保身に苛立った。



それから、こちらは
芝居小屋であった仇討ちを、6名の語り調で綴られており
読むのがきつくなった。
予約があるので途中止めで返却。
なので、話のオチが分からない。。。


 

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読んだ本「破船」

2024年03月22日 | 

やる事がないので、また本を読んでいました。
また、古い本です。先日借りてきていました。

貧しい浜辺のその村では冬になると暗夜に浜で塩焼き(海水を炊いて塩を作る)をする。
塩は村で消費するためだが、他に目的があった。

何故、夜になのか・・

それは時化で難破の危険にさらされた船の者たちが
塩焼きの火を見て人家のある浜と思い、船を岸に近づけるのだが、
そこは岩礁が入り組んでいるので、たちまち船底を砕かれてしまう。

船には食物や嗜好品、道具や繊維類が積まれているのが常で、
村人たちはそれを奪い、村人の暮らしを十分に潤した。

かくて、村人たちは海の荒れる季節になると
塩焼きの炎で船を引き寄せることを始めたのだ。
破船の積荷がない年が続くと、身売りをしなければ家族を飢死をさせることになる。
村人たちは破船を「お船様」と呼び、その到来を願う祭事も行った。
しかし、これは立派な犯罪で、おかみに知れたら重罪だ。

村ぐるみで犯罪を犯しているのだが、
秘密が漏れることにビクビクしながらも、生きる為には止められない。

破船は「福」をもたらしてくれるが、
場合によっては「災厄」が降りかかる危険もある。疫病だ。

廻船問屋の船が破船し、相当な恵みがあった翌年、
流れ着いた老朽化した船には何人もの死骸が転がっており、
皆、赤いものを身につけていた。
赤い衣など、とても手にすることのない村人は
それを引き剝がして幼い女児と女たちに分け与えられた。

その死人たちが天然痘にかかって死んだ者たちとも知らず・・

その後、村には恐ろしい疫病が蔓延すると言う・・話でした。
吉村作品ということで、全くのフィクションではないだろう。

 

吉村昭作品で「熊嵐」というのがある。
読んでみたいような、読まない方がいいような、、、

 

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読んだ本「続お登勢」

2024年03月18日 | 

「契り橋」の前に、実は ↓ を読んでいました。

NHKの再放送で「お登勢」を観てからというもの、
船山馨の原作本を読み、続編がある事を知り、
探していました。

お登勢の続編はこちらでした。
船山馨小説全集第9巻 出版1975年、閉架図書に入っていました。

本編では、
武士を捨て、志を持って北海道入植をした津田貢だったが、
極寒の厳しさと餓死と隣合わせの極貧生活は続き、
幾度も自然界に打ちのめされ、徐々にやる気を失う夫の貢。
貢が無気力になっても、お登勢はなんとか彼を励ましながら
野生馬を捕獲して買い上げてもらい、僅かながら生活の足しにしているうちに
新たに牧場を作ると言う夢が芽生えた。
そういう生きる力を持ったお登勢に貢は返って敗北感を覚えたのかもしれない。
その貢が元妻の志津と不倫の末に駆け落ちをし、志津の情夫に山中で惨殺されるという
ショッキングな終わり方だった。

明治新政府になって尊皇派が実権を握れば、勘違いする下っ端役人たちの傲慢さ、
農民はやっぱり死なない程度に扱われるだけであった。
それでも、中には優れた人間もいて、お登勢たちの為に尽力する者もいた。

八丈島に流刑されていたお登勢の元奉公先の若旦那、陸太郎もご赦免になり、
お登勢を追って開拓民として北海道に移ってきた。
かつて、嫉妬心から思わずお登勢を斬ってしまった陸太郎だけど、
今は無理強いをすることもなく、お登勢の側にいるだけでいいという
自分を捨ててお登勢を愛する男になっていた。
貢と違い、陸太郎は一途にお登勢を愛していた。
そんな陸太郎をいつしかお登勢も心惹かれていくのだった。
いろいろあって、陸太郎は西南戦争に徴集されたが運よく帰還することができた。
開拓地の静内に帰り、お登勢と結婚。
陸太郎38歳、お登勢30歳だった。


時代の混乱に翻弄され、まるで操り人形にように権力者たちに使い捨てにされた人々。
いつの時代も戦争の憂き目を見るのは普通の人々だ。

結果、長い長い話でしたが、
ところどころに史実が絡み合って、今更ながら知ったこともあり、
歴史に疎い私は勉強になる。
大河小説って面白い。

 

 

 

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読んだ本「契り橋」あきない世傳金と銀 特別編(上)

2024年03月15日 | 

本編を読み終わってから1年以上たった。
続編が出ていたのに暫く知らないでいたから
図書館予約も遅れ、やっと順番がやってきました。
ところが、前回の内容が頭に残ってない!
仕方なく、13巻をまた借りて来て流し読みする始末・・



前回、最後にチラチラ出てきた惣次らしき男、江戸の両替商の主人になっていた。
どういう経緯でそうなっていたのか、
今回はまずその話から始まって、
支配人の佐助さんの祝言、
老いを感じるお竹が決めた今後の身の振り方、
他の道(医師)への心残りと奉公人の身で苦悩する大七、
そして、賢輔がついに幸への思いを告白。
幸は賢輔が4人目の夫となるんだな、、

惣次はほんまに商いが好きなんだね。
伴侶は亡くしてしまったけど、惣次には井筒屋というビジネスがある。
名実ともに江戸一番の本両替商に育て上げるという目標が。

特別巻〈下〉ももう出版されているけど、いつ読めるかな~


 

 

 

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読んだ本「お登勢」

2024年02月22日 | 

再放送のドラマ「お登勢」を見て、原作が読みたくなり
図書館で借りてきました。

 

王政復古が実現しても権力闘争の裏を見て、政治運動に嫌気がさした津田貢は侍を辞め、
一介の平民となり、お登勢と2人で北海道に骨を埋める覚悟で一緒に海を渡るところでテレビドラマは終わったが、
原作本ではまだ半分あたり。
この先は北海道篇なのだ。

原作では、貢は先発隊で一足早く出発し、お登勢はあとの一団で出航したが、
途中で船が遭難したりして、やっとのことで貢のもとに辿り着く。

稲田家に与えられたのは日高の静内、
農地の開墾もなかなか進まず、厳しい自然と先の見えない極貧生活でやはり貢は徐々に挫折していく。
それでも、お登勢は野生馬を捕獲して少しでも生活の糧にしようと奮闘するが、
お登勢の心の強さを前に、貢は一層敗北感を覚え
お登勢には同調できずにいた。

そんな時にまたしても志津の出現で心はお登勢から離れていく、
結局、志津と貢は駆け落ちして、逃亡途中で志津の情夫に斬殺されてしまう。

なんというラスト!

入植してから、過酷な自然に立ち向かうお登勢は終いには野生馬を乗りこなしたりして
逞しすぎて別人格になったようだった。
それに引き換え、貢はやっぱり甘くて弱かった。
お登勢を連れてきておいて元妻と逃げるなんて、無責任過ぎる。

しかし、この地を駿馬の産地にするという夢を見出したお登勢は、
その夢の実現に向かってしっかりと前を向くのであった・・で終わったが、
調べてみると続編があるようです。

すでに絶版されていますが、図書館にあるみたいなので、早速取り寄せました。

読み応えあるわぁ。

 

 

 

 

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読んだ本「石狩平野」上・下

2024年02月02日 | 

NHKで再放送していた『お登勢』を観たので、
他の物も読んでみたくなり図書館に予約。
閉架図書に保管されてた。

かなり古いです、、

しかも、ページを開くと、

上下二段で細かい字が423ページに及ぶ、、、

読めるのか・・?

挫折するかもしれないので、別の本をもう一冊借りてきたが
意外や、
次から次へと史実に基づく事件が起こるし、
過酷な自然災害に打ちのめされる人々の様子、
息をもつけないその描写に圧倒されつつ、
複雑に絡み合う登場人物の動向に、飽きることなく読んでしまいました。
と言っても、集中力が持続しないので、
上巻下巻でずらして借りて、貸出延長しながら7週間もかかりましたけど・・

 

新潟から開拓移民として両親と北海道に渡ってきた13歳の鶴代。
小樽の大火に始まり、北海道の過酷な自然と貧困の艱難辛苦に耐えながら
前向きに懸命に生きる鶴代は信念に生きた人だ。
世の中は明治から大正、昭和へと移り変わる中、
戦争景気に沸き、そして・・
日中戦争、太平洋戦争へと軍国主義は日本を破滅の淵に追い込んだ。
鶴代の子も孫も徴兵されたり空襲で犠牲になった。
が、その中で長男は軍の手先になって工作員のような事をやっていた。
そのことで鶴代は母として心を痛める。
戦況が悪くなり、その長男も自殺してしまう。
鶴代は雪子の手紙でひ孫を迎えに東京に出てきていた。
空襲が激しくなり、雪子夫婦も爆撃で跡形もなく吹き飛ばされてしまった。
そして、東京大空襲の焼野原に立ち、一人残ったひ孫を連れて、
北海道に戻っていくところで話は終わった。
鶴代、77歳。

 

もう、何と言うか、
この読後感はNHKの映像の世紀を観た後のように
どーっと疲れたが、読みごたえがあった。

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読んだ本「楠の実が熟すまで」

2023年12月22日 | 

時代劇ミステリー、
最後まで引っ張られて、面白かったです。

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読んだ本「藩邸差配役日日控」

2023年12月06日 | 


神宮寺藩江戸藩邸差配役を務める里村五郎兵衛の日々、、
差配役とは、会社の総務部長みたいな?
藩邸内の何でも屋に要請される大小さまざまな問題事に
頭抱え、奮闘する。
登場人物それぞれが、どこにでも居そうなサラリーマン風で面白い。
シリーズものなのかな、今後が楽しみだ。
ただ、砂原さん、
武家言葉が煩わしい・・

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読んだ本「なんかいやな感じ」

2023年11月21日 | 

ラジオで知った砂鉄さん、
落ち着いた語り口だが、するどい洞察力で
ハッとさせられたり、共感したり。
思わず、「それそれ!」とラジオに言ってしまう。
で、この本が紹介されていたので、
図書館本の順番を待って読んでみました。

疲れた。

文章になると、ややこしい人。
ていうか、私の読解力がないだけなんですけどね・・。
でも、こうやって、武田さんに思い起こさせてもらって
そういう事だったのか、と改めて考えさせられる事もありました。
自分に関係ないことなどないんだけど、考えないもんなぁ。。

「昭和の末期に生まれ、平成を生き、令和で何年か過ごした自分は、
社会という枠組みを希望的に見つめた経験に乏しい。
かといって、悲観しきってるわけでもない。でも、なんか、ずっと、いやな感じがある。」

と言う風に、事件やニュース、政治家の言葉への違和感とか・・
武田さんがずっと感じている「いやな感じ」をこねこね綴ったエッセイです。


 

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読んだ本「生きる」

2023年10月26日 | 


図書館本。
3編収録、表題の「生きる」は直木賞受賞作。
初読みの作家さんでしたが、読み易かった。
もっと楽に生きられたかもしれないのに、
武士としての矜持に苦しむ。

「生きる」
家老より追腹禁止令を順守するよう密約を受け、藩主亡き後生きることを続ける老武士。
生きていればいたで世間からは臆病者と蔑まれ、苦悶する日々を送るが
気丈に生きていく中で、常に胸を張り堂々と白眼を見返すことで、
生きていることを恥じと思わないようになる。
人間の値打ちとは、そんな事ではないのだ。

「安穏河原」
安穏な暮らしにありながら、武士としての信念を貫いた結果、家族は零落した。
武士は食わねど高楊枝、、それではとても生きてはいけない。
妻は病臥し追い詰められて、娘を遊郭に売った父の悔恨。
しかし娘はその父の教えを守り、遊女に落ちぶれても凛として生きる。
父は娘の様子を聞くために、仕事で知り合った若い浪人に金を工面しては娘のもとに通わせるのだ。
自分で娘を売っておきながら、、
結局、娘を救い出すには自分の命と引き換えにするしかなかった。

「早梅記」
出世の為に献身的な側女を捨てた。
重職にまで上り高禄を得、望みを果たした今、
隠居の身になり、残ったものを見た時、これでよかったのか・・と
我が人生を振りかえり、犠牲にしたものに思いを馳せる。
都合よく捨てておいて、勝手だ。




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