のほほんブログ

今日も今日とて、変わり映えしない日々。
ボケ防止と備忘録にブログをやってます。

読んだ本「生きる」

2023年10月26日 | 


図書館本。
3編収録、表題の「生きる」は直木賞受賞作。
初読みの作家さんでしたが、読み易かった。
もっと楽に生きられたかもしれないのに、
武士としての矜持に苦しむ。

「生きる」
家老より追腹禁止令を順守するよう密約を受け、藩主亡き後生きることを続ける老武士。
生きていればいたで世間からは臆病者と蔑まれ、苦悶する日々を送るが
気丈に生きていく中で、常に胸を張り堂々と白眼を見返すことで、
生きていることを恥じと思わないようになる。
人間の値打ちとは、そんな事ではないのだ。

「安穏河原」
安穏な暮らしにありながら、武士としての信念を貫いた結果、家族は零落した。
武士は食わねど高楊枝、、それではとても生きてはいけない。
妻は病臥し追い詰められて、娘を遊郭に売った父の悔恨。
しかし娘はその父の教えを守り、遊女に落ちぶれても凛として生きる。
父は娘の様子を聞くために、仕事で知り合った若い浪人に金を工面しては娘のもとに通わせるのだ。
自分で娘を売っておきながら、、
結局、娘を救い出すには自分の命と引き換えにするしかなかった。

「早梅記」
出世の為に献身的な側女を捨てた。
重職にまで上り高禄を得、望みを果たした今、
隠居の身になり、残ったものを見た時、これでよかったのか・・と
我が人生を振りかえり、犠牲にしたものに思いを馳せる。
都合よく捨てておいて、勝手だ。




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読んだ本、「 行きつ戻りつ死ぬまで思案中」

2023年10月04日 | 

垣谷さんは同年だし、共感するところが結構あるので、
いろいろ読んでいますが、エッセイは初めて。
というか、雑誌に連載されていたのが本になって4月に出ていたので
図書館に予約して、やっと順番がきた。
小説の方も、だいたい身の回りのことにブツブツ言ってるので
同じ感覚になってしまう。
面白かった。
年を重ねたからこそ書けることってあるよね。

それと、
その中の話題でなるほど~と思ったことのひとつ、
漢字を捨てた国、、韓国とベトナムは以前は漢語だったのに今はハングル語とアラビア語。
今や日本は漢字が残っている唯一の外国らしい(中国から見て)
カタカナだけじゃ何がなんやら分からんよ。

たしかに漢字を見ると大体のイメージが湧いてくるのは漢字を習っているからだ。
そして、それらを組み合わせて更に新しい言葉が生まれ続けている。
新しい熟語が出来て一言でその意味が伝わるのだ。
しかも使われる漢字でその微妙なニュアンスの違いも分かるしねぇ。
そんな言葉って他にある?
それと、ある時にはひらがなやカタカナで書いたりもするし。
英語は覚えられないけど、日本語って素晴らしいわ。

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読んだ本「高瀬庄左衛門御留書」

2023年09月22日 | 

私もこの空気感に浸りたくて図書館に予約して借りてきました。

文中に静かな空気が流れる。

内面に秘めた激情も、私欲を捨てて覚悟を決める、
貧しくも凛とした、
そんな庄左衛門の生き方。
相手の心情を推し量り、おのれの行動を律するという
かつての日本人の美しさがそこにある。

私利私欲にまみれた世の中に、
こういうお話は、心が洗われる。


胸に響いた言葉はいろいろあったが、

「選んだ以外の生き方があった、とは思わぬことだ」
「・・・だれかのせいなどというものは、ござりませぬ」
「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの。されど、ときには助けとなることもできましょう‥‥均して平らなら、それで上等」

それでいいんだ。

武家言葉と回りくどい掛け合いがちょっと疲れた。

 

 

 

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読んだ本「ちょっと今から仕事やめてくる」

2023年09月14日 | 

実家に行った時、姉が借りていた本の中に見た記憶があったので
短かったし、借りてきた。
そういや、映画化もされてたね。

読み易くて、すぐ読めた。


パワハラ、モラハラ、セクハラ、プレッシャー、ストレス、過労、、、

自殺するくらいなら辞めればいいのに、、

と、いつも思う。


みんなやれてるんだから、これくらいで逃げてはいけない。
やっと入った会社だし、次があるとは思えない。
変わる事への不安、、、

そんな強迫観念にかられて頑張り続けてしまうのだ。
真面目なんだな。
家庭を持つと尚更だし。

私なんかが言えたことではないが、

でも、死ぬくらいなら離れればいい。

 

 

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読んだ本「虚心」

2023年09月08日 | 

「雨に消えた向日葵」の奈良刑事にまた会いたいと思い読んでみました。
話は、
土砂崩れで一人が行方不明となる事故が発生。
瓦礫からは不法投棄の産業廃棄物が発見された。
事故ではなく悪質な不法投棄による事件と判断、捜査を始めるが、その土地の所有者は
16年前に産廃の最終処分場建設の賛成派と反対派で揺れる町で起きた殺人事件の容疑者だった。
その時は結局逮捕には至らず、事件は迷宮入りした。

結局、16年前の犯人はその時目星をつけた人間ではなかったし、
不法投棄は別の会社がやっていたのだが、
一度持ったイメージを払拭するのは難しい。

産業廃棄物の問題、差別の問題、利権がらみの問題、仕事斡旋の闇等々、
話があちこち振られて、一向に前進しなくて
読んでて、ちょっと嫌になったわ。

ただ、私たちが出した大量の一般廃棄物がどのように分別されて最終的にどうなっているのか
そこまで見届けている人は少ない、というか、いないでしょう。
環境に悪いと反対、反対派=正義という単純なものではない。
ゴミは出してスッキリしたら終わり、、ではないのだ。

 

 

 

 

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読んだ本「妻の終活」

2023年08月23日 | 

妻の終活とは・・
仕事一筋で煩わしい家庭の事や近所づきあいは妻に任せきり、
男尊女卑で亭主関白で仕事を盾に妻に甘え切っていた夫。
その妻が末期癌で余命1年の宣告を受け、うろたえる夫。
一人でやっていけるように家事を教えたり自治会の清掃に一緒に参加させたりする妻。
何も出来なかった夫は、なんとか家事を覚え、近所に知り合いも出来た。
丹精込めて育てた薔薇の世話も教えて、自分が亡くなった後の夫の仕事も出来た。
終末期を在宅でケアするために、娘たちの協力もあり、
それまで険悪だった父娘の関係も徐々に融和していく。
以前、夫は妻を裏切っていたことがあった。妻は気づいてはいたが、
それをおくびにも出さず、しかし、決して許してはいなかった。
最後に夫は娘からそんな妻の心情を知らされる。
恨み言ひとつ言わないまま、自分を気遣ってくれた妻の愛情に
夫は初めて後悔の涙を流すのだった。。。


ただワンマンな夫を恐れ、従っていただけではないだろう、
ただ夫への愛情というのとも違う、

このどうしようもない夫のこれからを
最後まで気遣うのは、この女の人の性分だと思う。

立つ鳥跡を濁さず、
実に、お見事だった。

面白かった。

突然明日が来ないかもしれない、
そんな時のために、エンディングノートを書いてと、何度言っても
全然気にしない我が夫。
残された私のことなど、心配もしてくれないんだなぁ。

 

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読んだ本「雨に消えた向日葵」と寄贈本

2023年08月11日 | 


山行く前に借りてきて読んじゃったんだわ。
吉川英梨さん、初読みです。
少女が失踪、事故なのか家出なのか誘拐事件なのか、
生きてるのか殺されたのか、
関係者の誰かか容疑者なのか、
一つ一つ検証して裏をとっていく地道な捜査が続くが
解明には至らず、他にも事件を抱える中、捜査班も縮小されるが、
変わらず被害者家族に寄り添う主人公刑事の執念がついには犯人をあぶり出す。
ストーリーの派手さはないけど、逆にそれが面白かった。
ミステリーはいつの間にか引き込まれていく。

たしか、WOWOWでもドラマ化されていたので、
これ読んでからオンデマンドで観ようと楽しみにしていたけど、
ドラマになるとつまらなくて途中で観るのは止めた。

 

もう一つ、こちらの本。

子どもたちを指導するのって今の世の中、難しい。

文庫本、メルカリで買ったんだけど、
何となく分かるが、つまらなくて途中止め。
こちらは本で読むより映画で見る方がよかったかも。
予約待ちも多かったので図書館に持って行ったわ。

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読んだ本、「少年と犬」とブルーベリー8回目

2023年07月08日 | 

フォロー中のブログで紹介されていた本、
私も読んでみました。


≪ネタバレあり≫
震災で飼い主を亡くし彷徨う犬、犬の名前は「多聞」
犬は不思議と、問題を抱え悩み、傷ついた者たちの前に現れては保護され、彼らは飼い主になる。
犬はその人たちに寄り添い安らぎを与えるのだが、何故かいつも南を目指していた。
お話はファンタジーだけど、関わった人が何故か死んでしまうので、こいつは死神なのか?
南には誰が待っているというのか・・それが知りたくて読んだ。
結局、岩手から熊本まで流れて行き、ある家族に保護された。
家族は東日本大震災で被災し、遠縁を頼って熊本に移り住んできたが
その子どもは震災のショックで笑う事もなく喋る事もできず、絵ばかりを描いていた。
が、多聞が現われてからどんどん変わっていき、いつしか言葉も発するようになる。
そして、またもや、熊本で震災に遭う。犬はその子どもを守って死んだ。
その子どもと多聞は、かつて岩手にいた時の友達だった、、、、
第163回直木賞受賞作でした。


我が家にも15年ほど犬がいた。
賢いんだかバカなのか、分からなかったけど、
ジッと見つめ返すあの目が懐かしい。
犬はいいね。

 

ブルーベリー8回目収穫、200g


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ブルーベリー7回目収穫と、読んだ本「失踪願望。コロナふらふら格闘編」

2023年07月03日 | 

450g

葉っぱが枯れてきてる枝があるのが気になる‥

収穫終えたら枝を剪定した方がいいかな。

 

……

ネットを徘徊中、こんな本が出ているのを知って
図書館検索したらあったので借りてきました。

Webで連載している日記とエッセー2編をまとめた本で

ゆる~く読めてどうでもいいような内容ですが、

エッセーとはそんなものよ。

氏もコロナ感染で、運よく入院出来て生還してたんですね。

あんなにお酒飲んでは正体不明になってたわりには

さすがにタフですねぇ。

とは言え、氏も79歳になられ、ヨレヨレの爺さんだ。

その連載、

今も続いているようで、これからはそれを追っかけて読もう。

あ、また本が売れない?

どっちみち図書館で借りてきてるし(笑)

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読んだ本、「あきらめません!」

2023年05月27日 | 

例によって図書館本。

結婚して三十数年。共働きかつワンオペ育児を卒業し、節約を重ねて住宅ローンも返済完了。
定年退職を迎えた霧島郁子がやっと手に入れた夢のセカンドライフは、
夫の田舎へ移住したことをきっかけに音を立てて崩れていく。
閉鎖的な地域社会、染み付いた男尊女卑――
時代遅れな現実を前に打ちのめされる郁子だったが、
ある日出会った銀髪の女性議員・市川ミサオの強烈な後押しで、
なぜか市議会議員に立候補することに……!?
この土地で生まれ育った落合由香も巻き込み、ミサオ(80代)、郁子(60代)、由香(30代)は世代をこえて「私たち」を取り巻く問題に立ち向かう!   ーAmazonよりー

 

垣谷さんらしく、展開が早い。
大事な税金の使い道を決めるのに、
市議会における女性議員はたったの一人。
しかも、議員報酬目当ての男尊女卑世代のおじさんたちに任せていても
現状が変わるはずもない。
男性だけの議会で、女性の意見が通るはずもないのだ。
そこで、少なくとも四割が女性議員になるよう枠を定めるクォーター制の導入を提案することに・・

「自分から犠牲になりに行くな。我慢を重ねて恨みを持つな。」

現状を諦めるからいけんのよね。


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