仕事と生活の授業(続き)

前に作ったホームページは、あまり読まれないようなのでブログで再挑戦です。

65.万葉集のはじめの歌『こもよみこもち』 その13 最終回 私こそあなたに告げめ (告げたい)

2024年07月24日 | 和歌 短歌 俳句
それでは、
最後にこの歌の読み方を確認します。

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篭毛與   |こもよ

美篭母乳  |みこもち

布久思毛與 |ふくしもよ

美夫君志持 |みいふくしもち

此岳尓   |このおかに

菜採須兒  |なつみをするこ

家吉閑   |いえきかな

名告紗根  |なをつげささね


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

虚見津   |そらにみつ

山跡乃國者 |やまとのくには

押奈戸手  |おしなべて

吾許曽居  |あこそおれども

師吉名倍手 |しきなべて

吾己曽座  |あこそいませど



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

我許者   |われこそは

背齒告目  |せにはつげめど

家呼毛名雄母|いえをもなをも



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すごく偉い人が、

照れ隠しにふざけている感じと

最後に女性が話し始めるところが劇的で

お互いが遠慮がちに話している距離感も

心に残ります。


「吾」を「あ」と読むのは、

現在の感覚だと分かりにくいので、

「吾」を「われ」と読み

「我」は、

この言葉がいつから使われるようになったか分かりませんが(中世から?)、

女性が使うという点で

「わたし」と読んで再構成してみます。

(藤原定家が持統天皇の御製を
        そうしたように…、)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

籠(こ)もよ

御(み)籠もち

掘串(ふくし)もよ

御威(みい)掘串もち

この丘に

菜摘(なつみ)をする娘

家聞かな

名を告げささね


空に見つ

大和の国は

押しなべて

我こそおれど

敷きなべて

我こそいれど


私こそ

あなたに告げめ

家をも名をも



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中澤弘幸さんという優れた思想家の先生がいらっしゃいます。
YOUTUBEを通じてですが、先生から経験に裏打ちされた本当の思想を聞くことができます。

その中で、日本人はいつも俯瞰してものを見ているというお話がありました。
ラッシュ時の混雑した駅の構内でも人にぶつかることなく歩き続けられることがその証拠だそうです。
俯瞰して見ることが生きるスポーツはサッカーなので、いずれ日本がサッカー世界一になるそうです。


このブログでも、いろいろな場面で「空に見つ」=「空から見れれば分かるはず」ということの重要性をお話しました。

日本神話には空から見れば分かることがたくさん隠されているのだと思います


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