自宅の近所に小岩神社があります。
小岩神社の主祭神は、
天照大御神(アマテラスオオミカミ)です。
敷地内の小さなお社(やしろ)=摂社に
浅間神社、日枝神社、稲荷神社、
和魂神社があります。
わらじ石も祀られています。
神社の一番奥に、
水神社とある小さな石のお社が
置かれています。
十社参りをして
多くの神社で
水の神様を別に祀っていることを
知りました。
次の写真は、小岩神社内の和魂神社です。
戦災でお亡くなりになった方をお祀りする所です。
お参りする時には、
「私達の為にありがとうございました。
私もがんばります。」
と感謝と決意表明をしています。
次の写真は、わらじ石です。
足の健康は旅の安全に繋がります。
昔は神社仏閣を巡る旅人が沢山いたのでしょうね。
その人々へのマーケティングと考えると面白いです。
私の実家の近く、
千葉市花島観音(天福寺)にも
沢山のわらじが奉納されていたことを
思い出します。
小岩神社には、富士塚もあります。
軽石のような穴だらけの、
いかにも溶岩という岩を積み重ねて
ミニ富士山になっています。
その頂上に
「浅間神社」の石碑が立っています。
富士塚は、東京十社巡りで行った
品川神社にもありました。
品川神社は、
千葉県館山市の洲崎神社の
天比理刀(乃)咩命
を分祀した神社です。
洲崎神社にも富士見鳥居という富士山を見るスポットがあります。
(私が行った日には、残念ながら富士山は見えませんでした。)
その洲崎神社の浜鳥居前に
役小角が置いたとされる
要石があります。
それも穴の沢山空いた溶岩でした。
火山信仰や富士山信仰とともに
溶岩信仰がありそうです。
小岩からは富士山がよく見えます。
振り返ると国府台の後ろに筑波山も見えます。
我が家からは富士山とスカイツリーが並んで見えます。
(小岩神社に戻りましょう。)
日枝神社の石碑が、
最近富士塚から移されました。
同時に
「木花石」
(木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)石)
とある岩も富士塚から移りました。
冨士浅間神社の御祭神ですね。
横にある「磐石」とあるのは、
お姉さんの磐長姫(イワナガヒメ)
のことでしょう。
日枝神社の御祭神は干拓の神、
大山咋(くい)の神です。
縄文時代の小岩は海です。
小岩で一番古い遺跡は弥生時代のものになります。
弥生時代以降湿地になった小岩に
杭(くい)と水路による干拓で
水田を作ってきたのだと思います。
(自分で作る色別標高図で5m以上を赤くした
北小岩の地理院地図です。)
今でも小岩には
今でも小岩には
水路が縦横に張り巡らされています。
(蓋がされて親水公園や通路になっています。)
小岩神社の摂社には
多くの神社同様、
稲荷神社があります。
稲荷神社の御祭神は、
倉稲魂(うかのみたま)の命です。
「うか」「うけ」は食物のことです。
狛犬の代わりにキツネさんがいるのと
赤い鳥居が沢山立っているのが
特徴ですね。
渡来系の秦氏の氏神が広まったとされています。
近所にあってでさほど広くもない
小岩神社について、
これだけの物語があります。
もっと効果的にアピールすれば、
大変な観光資源になると思います。
地元の歴史や日本昔話を絡めて
子供にも歴史好きな大人にも楽しめ、
親しみを感じる場所になるといいな、
と思いました。
(蛇足)
先ほどの色別標高図で北小岩の中で赤くなっているところがあります。
人工的な盛土の可能性も十分あります。
けれども、もしかしてこういうことかもしれません。
ここの部分だけ海より高くなっていて、
東側の高台の国府台からは、
海から突き出た岩が見えたかもしれません。
そしてそれが、
「小岩」の地名の由来ではないでしょうか。
大岩というと、大きな岩という意味だけでなく、高いところにある岩だと解釈できます。
「大(おほ)」と「小(こ)」または「少(すくな)」には高い低いという意味もあります。
(中大兄皇子の「大兄」は皇子に使う言葉でそれ以外の皇族には「宿禰(すくね)=少な兄(すくなえ)」を使います。身分の高い低いを表しています。)
高い所の山の岩が大岩であれば、
低い所の海の岩が小岩ではないかと思っています。
(海の神様(わたつみ)を「少童」と書くのにも通じます。)
昔の文献で小岩を「甲和」と記載している記録があります。海から突き出た岩が亀の甲羅のように見えてその漢字を使ったのかもしれません。
「甲和」の読みは「こうわ」で「こいわ」とは読めないと思われるかもしれません。
「甲」の字は、朝鮮語やベトナム語や中国の方言に残っているように「kop」だったと考えられます。
ところが古い日本語と繋がりが深い呉の国(上海周辺)では「p」ではなく声門閉鎖音になっています。
現代日本語であれば、声門閉鎖音の表記は「っ」(小さい「つ」)になると思われますが、この表記は新しく、声門閉鎖音の古い日本語表記には「う」や「い」が使われています。
逆に日本語の「い」に声門閉鎖音を使う漢字を当てたということだと思います。
関東の人が話す「こいわ」という言葉の「い」の終わりに声門閉鎖音が現れています、
声門閉鎖音が無いと、関東の人には関西の人が言う「濃いいわ(コイーワ)」に聞こえます。
(この蛇足は、ずっと考えていることですが、なかなか、これは、と言う根拠が見つからない話です。)
たまたま見かけた「海に沈んだ鬼」と言う高知県の昔話に鬼の子が海の上の小岩になったとあります。
鬼が人間を助けるために二つの大きな岩を海に沈める話です。その大きな岩が双名島として残っていて、その二つの岩の間にいくつかの島があります。
そのどれかが鬼の子がなった小岩です。
どれが小岩か分かりませんが、どれも亀の「甲」のように見えてしまいます。
(双名島の二つの島を金棒で刺して、天秤棒のように鬼が運びました。四国のことを伊予の二名島といいます。四国全体の形も二つの岩を天秤棒で繋いだように見えなくもありません。何か関係があるのでしょうか。)
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