山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌94-vol.4(中島記)

2025-01-24 23:59:59 | 練習日誌

 次回2/6の山形Q定期に向けてのリハーサルは、今日を含めてあと3回。

 本来、冬の定期演奏会は1月に開催しています。しかし、今年は山響のスケジュールが入るか入らないかわからない期間が長かったのです。いつまでも待っているわけにもいかず、ジリジリしていました。ついに諦めて2月にしたところ、やっぱり入らなかった。
 
 …山響の経営もなかなか厳しいので、取れる可能性のある依頼は全て取りたい。という事情はあるものの、それ以外の演奏会のスケジュールをたてるのに、困難を極めます。
 
  しかし結果的には、余裕のあるスケジュールで練習ができているので、良しとしましょう。
 
  ということで、今日もゲストのオーボエ土屋さんを含めて、ブリテンを中心にリハーサル。
 
 考えてみれば、15分ほどの曲に、これだけ時間をかけて練習できるのも、贅沢なことです。
 
  ブリテン19歳の作品だけあって、かなり意欲的です。原始的な行進曲風のテーマがフーガのように発展して、民俗的な響きを伴いつつ、現代的な不協和音の中にロマン的なものが見え隠れしたと思ったら、もとの原始的な行進曲に戻っていくという、音楽史を俯瞰して遊んでいるような作品。
 
 …天才なのが充分にわかります。
 
  演奏していても、各場面それぞれが楽しいのですが、そのぶん、少し気をつけないと全体が混沌としてしまう。
 
 単純にバランスと言うよりも、自分のパートが精密な部品にならなければいけない瞬間を感じる必要があります。パーツとしてきちんと機能しながら、全体を塗りつぶさない冷静さが求められるのが、ロマン派と違うところかなと。
 
 強い表現が求められた時に、感情的な興奮が入ると壊れてしまうのが、近代音楽らしさでもあると思います。
 
 あと2回。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま26箇所及び山形市内公民館
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山形Q 練習日誌94-vol,3(中島記)

2025-01-20 23:59:59 | 練習日誌

 先週は大雪でしたが、その後は大したこともなく、結果的に雪の少ない冬になりそうな山形です。周辺の他の県ではかなりの積雪の所もあるようですが、少なくとも山形市は難を逃れているようで、申し訳ないぐらい。

 ということで、鶴岡からの帰り道も大した苦労はなく、今日も無事に山形Qのリハーサル。
 
 今回も、弦楽器の3人で團伊玖磨を中心に。
 
 以前、山形の作曲家、紺野陽吉の「弦楽三重奏曲」を演奏した時にも感じたことですが、若い作曲家が習作として弦楽三重奏を作曲した場合、音符の数が多くなってしまうという傾向があるようです。表現したいという意欲に溢れているからだとは思いますが、とにかく弾きっぱなし。ページをめくるチャンスもない。
 
 そう考えると、ベートーヴェンなどは違います。いわゆる名曲には、それぞれの楽器にちゃんと休みがあるのです。譜めくりの事を考えてくれているわけはないとは思います。全体のサウンドに変化を与えるために「この部分ではこの楽器を使わない」という、引き算の計算があるのでしょう。
 
 そういう意味でも、やはり若い作品です。どこで読んだか忘れてしまいましたが、團伊玖磨本人が書いた文章の中にありました。
 
 かつての作品を見直すと、ここは直した方が良いと思える部分がいくらでも目につく。しかしそれをすると、整いはするが、平坦になってしまい、その時に感じていた熱量のようなものが損なわれる。だから、直さないことにしている。
 
 というような内容だったと思います。
 
 ということは、演奏する私たちが、バランスを作るしかない。若い熱量を尊重しながらも、「こう書いてあるから」というだけで音を並べるわけにはいかない。書きすぎてしまっていると思われる部分については、自主的に弱めて、必要な部分が浮き出るようにするなどの作業が必要になります。
 
 今日もその調整などをしましたが、さらに各自が、その余白を作れるような余裕も必要です。音符が多くて大変ではありますが、それを感じさせない工夫が求められるわけです。
 
 本番まで各自、もう少し練習が必要。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま24箇所及び山形市内公民館
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山形Q 練習日誌94-vol.2(中島記)

2025-01-14 23:59:59 | 練習日誌

 山響の今年最初のコンサートが終わった翌日の今日は、山形Qのリハーサル。

 ゲストのオーボエ、土屋さんを加えての初合わせです。昨日の「新世界」でも、例のコールアングレのソロを見事に演奏した疲れもそのままに参加してもらいました。
 
 ということで、今日の合わせは、ブリテン「幻想四重奏曲」を中心に。
 
 この曲はブリテン19歳の作品で、意欲的なところが前面に出ていることもあって、なかなか難しい。原始的とも民俗的とも言えるような、得体の知れない行進曲から始まって、近代作品ならではの不協和音の中から、ロマンティックな郷愁を匂わせて、また原始的な行進曲に戻って去ってゆく。
 
 この曲は山形Qでは、ずいぶん前に演奏したことがあります。その頃は、この曲の混沌とした部分に足を取られて、よくわからないままに終わった印象。
 
 不思議なのは、その時にわからなかったことがわかるようになった分、楽になるかと思いきやその逆で、昔よりも難しさも感じるということ。
 
 …名曲は奥が深いと言うことでもありますが、これだけ長くやっていると感じるのは、人の感覚の不思議です。
 
 若い頃よりも容易く感じられる部分もありながら、昔はただ普通に弾いていただけのところを考えすぎるせいか、変に構えて不自然になってしまったりする。
 
 また一方で、「普通に」という感覚が、共有しづらくなるのです。「お前の普通は俺の普通とは違う」みたいなプライドが発動されたり。…一緒に過ごしていると思っても、違う人生を生きている。それは夫婦にも言えることですが。
 
 今回は土屋さんの豊かで安定した音楽と音色に寄り添って、良い音楽を創れたらと思います。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま19箇所及び山形市内公民館
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山形Q 練習日誌94-vol.1(中島記)

2025-01-08 23:59:59 | 練習日誌

 明けましておめでとうございます。

   山形Qも結成から四半世紀。まだまだ(…もう少し)頑張りますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
 
   ということで、2月6日の「第94回定期」に向けたリハーサルが今日からスタート。今回のゲストは山響の若き女性オーボエ奏者、土屋愛菜さんです。プログラムは名曲、モーツァルト「オーボエ四重奏曲」をメインに、同じ編成でブリテンの「幻想四重奏曲」、そして途中にはさむのは團伊玖磨「弦楽三重奏曲」。
 
   とりあえず、年始でもありますので、今日のところは弦の3人で團伊玖磨を中心に。
 
 少し前にようやく楽譜が出版された作品で、1947年、團伊玖磨23歳の時に作曲されたまま、あまり日の目を見ることのなかった曲。「習作」という位置付けだったからかも知れません。
 
 しかし、歌曲を得意とした作曲家だけあって、歌心に満ちた、メロディーの親しみやすい曲です。
 
 メンデルスゾーンを思わせるような瑞々しいこの曲が、焼け跡の目立つ敗戦直後に書かれたというのはすごいことだと、つくづく思います。
 
   今年は戦後80年なんですね。この80年で、世の中はすっかり変わりました。今の私たちが、終戦直後のような状況に置かれたら、とても作曲などできる根性はないと思います。昔に比べて、人は肉体的にも精神的にも、すっかりひ弱になってしまったのではないでしょうか。
 
 何が言いたいかと言えば,この團伊玖磨の作品に溢れる「若さ」は、今の世の中にある「若さ」と、ちょっと違うと思うのです。
 
 未来へ向かう強い意志、と言ったらいいでしょうか。今と違って「明日」は、「寝て起きたら来てる」ものではなくて「必死に掴み取らなければならない」ものだったはず。
 
 …そんな「切実な若さ」を感じさせてくれるような曲です。じっくり味わいたいと思います。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま12箇所
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迎春 2025

2025-01-02 23:59:59 | 雑記

 迎春

 今年も頑張ります!!よろしくお願いします。

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