心が落ち着くまで書かないでいたら、時が経ってしまいました。
クァルテット博士〜幸松肇氏が2022年1月14日お亡くなりになりました。
書きたいことは山ほどあれど、なるべく整理しながら。
幸松肇氏と初めてお会いしたのは、2007〜8年頃、幸松肇氏の作曲した弦楽四重奏のための日本民謡を定期演奏会で取り上げた時に、わざわざ山形に来てくださいました。
その時の演奏会打ち上げで、弦楽四重奏のための4つの日本民謡第1集、第2集の8曲は、弦楽四重奏に携わる日本人として、誇らしい曲集ですが、ただ残念なのは、山形県民謡が入っていないことです。と何も知らない若造達が先生を焚きつけてしまいました。
しばらくして、「弦楽四重奏のための最上川舟唄」の楽譜が自宅に突然送られてきて、「曲を献呈するので、初演よろしく!」とのこと。
大雪になった2009年1月31日の山形弦楽四重奏団 第30回定期演奏会で初演を行いました。実は、出版されている楽譜とは少し違う「第一稿」の形での演奏でした。この楽譜を所有しているのは私達だけかも。
当日は、早めに来県されて(写真)のように指導もしていただきました。
その後もメールのやり取りなどで交流をしていましたが、先生の著書「世界の弦楽四重奏団とそのレコード 日本編」の中でも山形弦楽四重奏団について書いてくださっています。
なぜ、田舎で好き勝手に活動している団体に対して、そこまで親切にしてくれたのかは、本人に聞かなければ分かりようもありませんが、私たちの心にはいつまでも作品と共に刻まれています。
来県されて、奥様と仲良さそうに山形料理に箸をつけながらお酒を酌み交わし、いつまでもクァルテットの話をしている姿が昨日のように思い出されます。
これからも先生の作品を私達の主要レパートリーとして演奏してゆきます。
心よりご冥福をお祈りします。