浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

 世界最大の華僑 「李嘉誠」とは何者か?

2015-10-25 14:39:55 | 資料

中国の対英国投資はどれほどのものか

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月23日(金曜日)弐
         通算第4696号 
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 習近平訪英で総額7兆円の投資を約束したが
  李嘉誠たったひとりの対英投資だけでも、かるく中国を凌駕していた
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 訪英はしたものの、英国王室と政界は騒いだが、庶民はさっぱり。産業界は疑いの目でみている。とくに鉄鋼業界は反中国感情が露骨であり、原子力業界は、中国の原子炉技術を疑う。
英マスコミの対中論調も冷たい。

 投資額に目がくらんでいるのではないかとする声もあるが、たいした金額ではない。香港財閥第一の李嘉誠は、たった一人での英国投資は、かるく中国一国の投資額を超えていた。

 2010年以来、李嘉誠が率いる長江実業と和記グループは総額250億ポンド。それまでの中国の対英国投資は総額で141億ポンドである。
 欧州全体に対する中国の投資額は過去十年間に1550億ポンド、フランス、ドイツ、英国の順だった。

 英国は李嘉誠に爵位を授与してもてなし、その破天荒な投資を歓迎してきた。

ちなみに李嘉誠がなした英国投資を一覧すると、
 2000年 36億ポンドを投じて3G(電信送信企業)を買収
 2010年 90億ポンドを投資し英国電網を買収
 2011年 39億ポンドを投じて水力供給企業を買収
 2012年 30億ポンドを投じてガス供給企業を買収
 2014年 15億ポンドを投じて、商業地区施設を買収
 2015年 10億ポンドで鉄道企業を買収し、同年103億ポンドで「02UK」社買収を提案。
 これらは主としてユテリティ分野だが、ほかに高級住宅地開発、マンション群の建設を販売を手がけている。

http://melma.com/backnumber_45206_6276688/

◆李嘉誠系、英水道大手を買収:総額48億ポンド、投資が急拡大[建設]

2011/08/04   NNA.ASIA

インフラ事業を手掛ける長江基建(CKI)は2日、親会社の長江実業グループ、同グループ会長で大富豪の李嘉誠氏による慈善財団「李嘉誠基金会」と共同で、英国の水道サービス大手、ノーサンブリアン・ウォーター(NW)を買収すると正式発表した。買収額は24億英ポンド(約3,000億円)。NWが抱える同額の負債も引き継ぐため、実質的な投資総額は48億英ポンドに達する。

2010年に買収した発電所のシーバンク・パワー、送電を手掛けるUKパワー・ネットワークスに続き、この1年半でCKIによる英国でのインフラ事業買収は3件目。投資総額は1,300億HKドル(約1兆2,900億円)に達し、ここへきて英国における投資が急拡大している。

05年に買収したガス供給を手掛けるノーザン・ガス・ネットワークス、07年に獲得した水道サービスのサザン・ウォーターを含めると5件目となる。NWの買収は10月に完了する見込みだ。

3日付信報によると、CKIの甘慶林社長は英国でのインフラ事業を強化する狙いについて、「まず利回りが高く、次に安定性があるため」と説明。英国のように制度が整備された国ではインフラ事業における規制の透明性が高く、利益が確保しやすいとして投資を強化しており、同国を含めた海外で、現在も20項目以上の投資案件を物色中という。

■株価は2カ月で3割急騰

CKI、長実グループ、李嘉誠基金会が、それぞれ40%、40%、20%出資し、設立した合弁会社UKウォーター(2011)がNW買収の実務を担う。ロンドン市場に上場するNW株1株当たりでは4.65英ポンドの買収提案額となり、プレミアムは同社株の1日終値に比べ3.3%。2日の買収発表後には、同社株が寄り付きで前日比4%超も上昇した。買収報道が出た6月に比べると、同社株はこの2カ月近くで約3割も急騰した計算になる。

李嘉誠氏はこれまで、投資物件を長期間保有するスタイルで大きな利回りを実現しており、市場の期待も高いようだ。

NWはイングランド北東部、南東部でサービスを提供しており、顧客数は450万人に及ぶ。前年度の純利益は1億8,000万英ポンド。同社株式の27%を保有するカナダのオンタリオ州教職員年金基金も既に買収提案に賛同しているという。

また、NW買収に伴い、英競争委員会の審査を避けるために売却を検討していた同業のケンブリッジ・ウォーターについては、HSBCグループに4,590万英ポンドで売却することに合意したとしている。<香港>

http://news.nna.jp.edgesuite.net/free/news/20110804hkd002A.html

◆李嘉誠氏の長男、英ガス会社を買収、英紙「イギリスをほぼ買い取った」

2012年12月5日  朝日新聞デジタル

 写真左は李沢鉅氏

【中国証券網】 香港の大富豪、李嘉誠氏の長男である李沢鉅(ビクター・リー)氏は英国の天然ガス会社ウェールズ&スウェストユーティリティーズ(WWU)を買収した。これに先立ち、英国の電力会社と水道会社を買収している。英紙は「李沢鉅氏がイギリスをほぼ買い取った」と報じている。

世界の株式市場が低迷する中で、李沢鉅氏は7月25日、WWU社を77億5300万香港ドルで買収した。これは李沢鉅氏が父の後を継ぎ、中国一の富豪になって以降、初の大型取引となる。

WWUは英国の8大ガス管運営会社の1つ、ウェールズとイングランド西南部を主な市場とし、天然ガス運輸資産の管理や天然ガスの運輸、天然ガスメーターサービスを手掛ける。英国の土地面積の6分の1の740万の顧客を持つ。

WWUを買収後、李沢鉅氏は3割近くの英天然ガス市場を制覇し、4分の1の英国人に天然ガスを供給することになる。また、同氏傘下の長江基建は、2010年と2011年に英国の電力会社と水道会社を買収しており、同国の約4分の1つの電力市場と約5%の水道市場が李ファミリーの資産となった。

李沢鉅氏は1985年に米スタンフォード大学を卒業し、21歳に父が創設した長江集団に入社した。長江基建の分割上場を担当したことがあり、長江基建の主席を務めた。2003年に米情報誌「タイムズ」に「世界の商業界で最も影響力のある人物」の1人に選ばれた。

李嘉誠氏は今年7月に財産分与を行い、李沢鉅氏は時価総額8500億香港ドルに上る22社の上場企業を持つ長江集団を引き継いだ。李沢鉅氏の総資産は2900億香港ドル以上となり、李嘉誠氏の昨年の1708億香港ドルを抜けて中国一の富豪となった。

(翻訳 王秋/編集翻訳 伊藤亜美)

http://www.asahi.com/business/news/xinhuajapan/AUT201212050126.html

 ◆李嘉誠が英国通信最大手を買収へ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)2月2日(月曜日)
    通巻第4452号  
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 李嘉誠の「脱香入欧」(香港を捨てて欧州へ投資)が本格化
  今度は英国通信大手「02」社買収へ動く
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 香港最大財閥(世界富豪ランキングでも十四位)の李嘉誠は旗艦の長江実業と和記を統合し、本社をケイマンへ移籍することは既報の通りだが、とりわけ英国ロンドンへの投資が勢いを増し、中核の不動産開発ビジネスから、つぎは移動通信事業への本格進出を果たそうとしている。

 150億米ドル(邦貨換算1兆8000億円)を投下して、通信王手の「02」に買収をかけた。
 「02」社は英国最大の通信網を誇り、2006年にスペイン企業が買収した。その後、現金フローが悪く、有利子負債がかさんで経営状態が思わしくなくなり、身売り話が持ち上がっていた。現在ロンドンの当該管轄機構(日本で言う公正取引委員会)が審査を開始し、この買収が適当かどうかの判断を下す。

 李嘉誠グループはすでに英国で「英国電力網洛」(英国で30%の電力供給)、「THREE電信」(顧客800万台)、「ノースアンブライン」(下水処理企業)などを買収しており、今回の「02」は移動通信企業として2400万台を抱える大手だ。

 このように李嘉誠は、江沢民と親しかった政治的条件を利用して香港ばかりか、中国大陸で幅広くビジネスを展開してきたが、新しい梁震英・香港行政長官と折り合いが悪く、同時に江沢民の影響力低下にともなって大陸でのビジネスに見切りをつけた。

大陸内に保有してきた物件をほぼ売りはらい、もてあますキャッシュをカナダと英国の企業買収ならびにロンドンでの不動産開発プロジェクトに投資してきた。

http://melma.com/backnumber_45206_6159573/

◆李嘉誠氏が800億元の投資を撤収 上場会社の登録地も移転

2015年09月22日  新華ニュース

2013年から、華人富豪の李嘉誠氏が中国本土部の不動産と資産を投売りするといった情報が流れた。不完全な統計ではあるが、2014年1月から2015年4月までに李嘉誠氏は資産譲渡又は他の方式で738億余元の現金を獲得したことになる。販売中の陸家嘴プロジェクトを加えれば、李嘉誠氏が販売した人民元建ての資産総額は1000億元を超える見通しだ。

2015年初め、李嘉誠氏は「長江実業と和記黄埔(ハチソン・ワンポア)の合併後に成立した長和グループは長江実業及び和記黄埔の全ての非不動産類の資産を持っている。また長江実業地産も6月に香港に上場した」と発表した。関係メディアは「分割と再編により、李嘉誠氏は傘下の関係会社の登録地を香港からケイマン諸島やバミューダ諸島などの知名なオフショア金融センターに移転した」と報じた。

李嘉誠氏は財務弾力性を高めるため、登録地を移転したとの見方を否認したが、周囲は李嘉誠氏が中国本土部への投資を撤収しているとしている。新華社傘下のシンクタンク瞭望智庫が「李嘉誠を逃がすな」という羅天昊と署名した文章を発表し、話題を呼んだ。その後、李嘉誠氏が率いた長和グループは投資撤収説を否認し、「売買は正常な商業行為だ」と強調した。

一部の人がこれを李嘉誠氏が中国経済の成長性を悲観視している信号と見なしたことに対し、中国国家発展改革委員会の連維良副主任は、「より多くの海外投資家は中国に投資することに自信を持っている。改革における重要な目標は開放型経済の新体制を構築することだ」と述べた。

(翻訳 劉英)

http://www.xinhuaxia.jp/social/80810

李嘉誠(り かしん、広東語:Li Ka Shing)

1928年に中華民国の広東省潮州市に生まれ
日中戦争の戦火から逃れ1940年家族とともにイギリスの植民地の香港に逃れた。しかし、太平洋戦争の勃発により、香港も日本軍の占領下に入り、父も間もなく亡くなったため、学業を断念してセールスマンとなった。
最終学歴は中卒(高校中退)。
1949年香港にプラスティックの工場を作り、造花を売り出したところ、「ホンコンフラワー」として大当たりとなった。
1958年に不動産業に転身し、長江実業有限公司を設立して香港最大の不動産ディベロッパーとなった。
1979年に和記黄埔(ハチソン・ワンポア)、
1985年に香港島の電力供給を独占する香港電灯を買収し規模を拡大した。
1989年に天安門事件が発生して外国企業が中華人民共和国から避難したとき、逆に中華人民共和国への投資を拡大して香港最大の企業集団として台頭した。
主に中華人民共和国の発電所建設に当る長江基建などを所有し、中華人民共和国の指導者とも深いつながりがある。
左派資本家の霍英東や、マカオのカジノ王(香港でもグループ企業を持つ)スタンレー・ホーとも親しい。
ただし、北米などへも投資していることから、全国政治協商副主席への就任を断ったとも言われている。

2013年度世界長者番付によれば、その資産は310億米ドルとされ、世界8位の富豪である。
李の日常生活は質素で、李嘉誠基金会を通じて多額の献金を行っている。
1981年には20億香港ドルを投じて故郷の潮州の近くに汕頭大学を創設。
2004年のスマトラ沖地震では300万米ドルを寄付した。

・長男のヴィクター・リー(李沢鉅)は長江実業の副会長兼社長として後継者の地位にある。
1996年誘拐され、身代金10億香港ドルを払ったとされる。犯人は後に中国で逮捕・処刑された。
・次男のリチャード・リー(李沢楷)は香港最大の通信会社であるPCCW(パシフィック・センチュリー・サイバー・ワークス)を率い、東京の丸の内にパシフィックセンチュリープレイス丸の内を建設したことで日本でも知られる。
・妻の荘月明は既に亡くなっているが、自殺ではないかとも噂されている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E5%98%89%E8%AA%A0

◆長江実業

現会長の李嘉誠が1950年代に長江工業有限公司として創業し、その後香港の発展と共に主導的地位を築きあげた。
長江実業として1972年に香港証券取引所に上場。香港で最大の不動産開発企業のひとつであり、商工業などその他の産業でも重要な地位を占める。
現社長兼副会長は、現会長李嘉誠の長男、李澤鉅(Victor Li)。

現会長の李嘉誠が1950年代に長江工業有限公司として創業し、その後香港の発展と共に主導的地位を築きあげた。長江実業として1972年に香港証券取引所に上場。香港で最大の不動産開発企業のひとつであり、商工業などその他の産業でも重要な地位を占める。現社長兼副会長は、現会長李嘉誠の長男、李澤鉅(Victor Li)。

資本金 11億58百万香港ドル
売上高 423億59百万香港ドル
総資産 3,731億86百万香港ドル(2011年12月期)
決算期 12月末日
主要株主 Li Ka-Shing Unity Trustee Company Limited 40.43%

公式サイト
http://www.ckh.com.hk/en/global/home.php

 支那共産党が大陸本土を支配したが、香港では李嘉誠と包玉剛の香港財閥が「HSCB」と深く結びついていた。李嘉誠の財閥は「長江実業」を創立し海運業に進出した。包玉剛は「恒生銀行」を中心に金融財閥を拡大していった。香港が支那に返還された現在でも、李と包の2大財閥はいずれも、「HSBC」の最高幹部である。

 1992年、支那空前の企業買収劇となり世界を瞠目させたCITIC・中信 による企業・恒昌の買収も、実は李嘉誠が実働部隊であった。

 この中信の「花形」であるハイテク部門・中信技術公司の総技師長(技術部長)が小平の次男・質方であり、現在では出世し、中信グループ全体を仕切る中信興行公司総経理の地位に就いている。

 また中信の軍需部門、つまり支那の軍事産業の中核企業・保利公司の総経理には小平の娘婿・賀龍(支那軍の元帥)の息子・賀平が就任している。

 文字通り「株式会社・支那」である。

それが李一族の手によって経営されている。

 この支那の軍需産業の中核をも担う中信は、米国のウォルマートの支那支部、ウォルマート華東を共同経営している。このウォルマートは、米軍の下部組織である。

 「株式会社・支那」は李一族である。

麻薬ディーラーとしてアジアの地下経済に通じたイスラエルは、アジアの「統一支配者」李一族と既に提携している。

 台湾の李登輝元首相一族、中国の李鵬元首相一族と李先念国家主席一族、中国・香港の支配者李嘉誠(リカシン)一族、シンガポールの元首相李光耀(リークアンユー)一族。
これら李一族は全て同一血族であり、アジアの表経済、地下経済は李一族とパーミンデックスが既に固めている。黒社会しかり。

◆中国1の大富豪・李嘉誠氏 週刊紙にプライベート語り話題に

2014.01.03  zakzak

 香港の大富豪で、世界の中国系実業家のなかでもトップの資産を有する李嘉誠10+ 件(り・かしん)長江実業会長がこのほど、広東省の人気週刊紙「南方週末」による単独インタビューに応じ、話題を呼んでいる。

 めったに明かされない李氏の毎日のプライベートな習慣などが語られているほか、1996年に長男で後継者の李澤鋸(ビクター・リー)氏が誘拐された際に誘拐犯の香港マフィアのボスとのやりとりを明かすなど、興味深い内容になっている。

 李氏は1928年生まれの85歳。故郷は福建省潮州市だが、日中戦争により日本軍が潮州市に侵攻してきたため、李氏一家は1940年、香港に逃れる。ところが、その翌年には香港も日本軍の統治下に置かれるなか、1942年には父親が肺結核で死亡。14歳の李氏は母親や幼い弟や妹を養うため、学業を断念してセールスマンになり生活費を稼ぐことになった。

 ところが、李氏自身も肺結核を患っていることが分かり、死の恐怖にさらさられる。「このときが私の人生で最大の危機だった」と李氏は振り返る。

 肺結核を克服した李氏はセールスマンをしてためたわずかな資金をもとに、1949年にプラスティック工場を立ち上げ、造花を生産、これが「香港フラワー」として大評判となり、世界中で売れ、一財産を形成し、現在の大実業家の基礎を築いた。

 さらに、不動産開発などさまざまな業種にわたり幅広くビジネスを展開し、今年で「中国の長者番付」で15年連続トップの座を維持している。

 これについて、李氏は「わたしは他の企業にも関心を向け、それらの年報を読み込むなど数字はほとんど記憶してきた。また、現時点の儲けばかりでなく、さまざまなニュースやデータを分析して、1年後、2年後など近い将来の経済情勢を思い浮かべるようにしてきた。だから、2008年のリーマン・ショックなどの経済危機も予測できたのだ」と述懐する。

 この鋭い分析力の基本が毎日の習慣だ。李氏は毎朝6時前に起床し、テレビニュースを見る。朝食後、1時間半ゴルフをする。これで、身も心をすっきりして、香港中心部にあるオフィスに入る。

 オフィスのデスクには毎朝、ウォールストリート・ジャーナルやフィナンシャルタイムズ、エコノミストなど英語の経済紙誌が置かれており、李氏は関心のある記事をチェックすると、会社のスタッフがすぐに中国語に翻訳し、李氏の元に届けられる。

 ビジネスばかりでなく、教養を身につけるため、毎日寝る前に一定の時間、国際情勢や外交、政治、社会問題などの専門書を読むことにしているほか、夕食後は毎日、20分間程度、英語のニュース番組をみているという。

 李氏の人生で最もドラマチックなことといえば、長男のビクター・リー氏の誘拐だ。リー氏は1996年のある朝、自動車で通勤途中に、マフィアのボス、張子強らの一団に誘拐される。張は電話で李氏に「20億香港ドル(約300億円)」の身代金を要求する。

 李氏は張に「私の手元には現金で10億香港ドルちょっとがある。これは、すぐに渡すことができる。だが、絶対に20億香港ドルが必要というのならば、銀行に連絡しなければならないので、時間がかかる。君はどちらを選ぶかね」と尋ねたという。

 張は「あなたは、なぜそのように冷静なのか」と質問すると、李氏は「私ほどの有名人が長男のビクターの身辺警護についてもっと真剣に考えなかったことが私の誤りだった。私の過失だから、いくらでも金は出さなければならない」と答えたという。

 李氏はゴルフに行くとみせかけて、午前5時に自身で現金の受け渡し場所に出かけ、張に現金を渡したが、その際、「あなたはこの金を子分らに分けて、好きなように使うだろうが、それは君のためにならない。しっかりと将来のために使うように考えるべきだ」と説いた。これを一笑に付していた張だが、その後も李氏に電話をかけて、「どのように使えば良いのか」と質問。李氏は「保険への投資がよいのでは」と答えたという。

 結局、張はバンコクに高飛びしたが、行方を追っていた中国当局に逮捕され、死刑に処せられた。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140103/frn1401031658002-n1.htm

◆李嘉誠氏、長江実業を2社に再編、中国投資を整理、欧州インフラ投資を拡大

2015年09月07日  THINKING LIVE 

*李嘉誠氏は90年代?に英国でsirの称号を授与されている、その面でも、英国は李氏にとって、権力闘争最中の、中国よりもリスクは小さい国である?もっとも、英労働党は急進左派が急上昇、鉄道を再び国営化しよう、と言い始めている、

WSJ、【香港】李嘉誠氏(87)は、対中国で、パニックボタンを押さねばならない理由はない。この数年、中国への依存度を減らす動きをひそかに加速させてきたからだ。というよりも一国依存を最大にしない、と言う鉄則がある、

 李氏は11年以降、中国における不動産ポートフォリオを圧縮している。また中国の国際貿易・金融の窓口である香港にある港湾・小売業の持ち株を売却した。

 代わりに李氏は、自ら保有する2つの主要コングロマリットである和記黄埔(ハチソン・ワンポア)と 長江実業の一部事業を欧州にシフトさせ、過去18カ月間で200億ドル(約2兆4000億円)以上を各種の企業買収に投入した。例えば英国第2位の携帯電話会社、オランダの薬局チェーン、そして英国の鉄道車両メーカーの買収だ。また自ら保有するイタリアの通信会社をより大手のライバル会社と合併させた。これらの取引案件の価値は、これに先立つ過去10年間で李氏が手掛けた欧州買収案件の総額を上回った。

 これらの一連の買収以前でさえ、12年のハチソンの営業利益に占める欧州の比率は大中華圏のそれをわずかに上回っていた。昨年、欧州は全体の利益の42%で、大中華圏(香港含む中国)は30%に縮小した。

 

 李氏の事業に近い3人の関係者は、中国よりも欧州でもっと稼げるとの李氏の考え方も一因だと述べた。会社関係者は、欧州における投資機会の規模とスケールは、李氏が資金を注ぎ込む分野がほとんど残されていない香港のそれを凌駕していると述べた。

 今や中国の経済鈍化、株価急落、そして人民元の突然の切り下げをめぐる懸念で世界市場が揺らいでいる中で、李氏の動きは先見の明があったと言えるようだ。しかし会社内部関係者や、李氏の動きを研究している学者は、李氏はまたユーロ安にも動機付けられて買収を活発化している面もあると述べている。ユーロ安を受けて、安定したリターンを提供する欧州の資産が中国の資産と比較して割安になっているためだ。

 香港の中文大学のウッディ・ウー教授(会計学)は「李氏が真に傑出しているのは、彼の売りのタイミングだ」と述べ、「彼は価格が正しい限りにおいて、売りを出す。彼はファイナンスの面では天才だ」と語った。

 李氏は、米誌フォーブスによって9月5日時点で248億ドルの資産を持つとされており、一大企業帝国を築いている。それは大きく分けて4つに分かれる。不動産、電気通信、港湾・インフラ、そして小売・エネルギーだ。今年、李氏は2つの旗艦会社をCKハチソン・ホールディングスに統合し、その不動産事業をスピンオフ(分離)して別会社チョンコン・プロパティー・ホールディングスを設立した。これらの会社の合計市場価値は約770億ドルだ。

両社の株価はいずれも、香港の指標であるハンセン指数をアウトパフォームしている。同指数は6月12日以降24%近く下落した。CKハチソンはこの期間中に10%下落し、不動産部門のチョンコン・プロパティーは21%下落した。つまり李氏は中国の成長鈍化に対して決して無傷ではなかった。

*記事は一部削除や加筆があります、

http://blog.goo.ne.jp/thinklive/e/57cb5dc2342ac41fa3c35d225543bf99

◆アジア最高の経営者が、中国から逃げ出すワケ
「超人」李嘉誠が試みる「脱亜入欧」

2013年10月31日 野嶋 剛 :ジャーナリスト 東洋経済 

アジアトップの大富豪である李嘉誠。彼の「脱亜入欧」の動きが物議を醸している(写真:ロイター/アフロ)

資産を拡大し続けるスーパーマン企業家

アジアで最も成功した企業家とされる香港の李嘉誠が率いる長江・和記黄埔グループが、中国・香港の資産を次々と売却し、欧州に移転させる「脱亜入欧」を進めている――そんな観測が、ここ数カ月、関心を集め続けている。

現在、80歳を超える李嘉誠は、香港では「李超人(スーパーマン・李)」と呼ばれている。常人離れした洞察力で、アジア経済危機、中国SARS問題、リーマンショックなどの危機でも巧みに資産を守っただけでなく、逆のその危機を生かして李一族の企業グループを雪だるまのように大きくしてきた。

通常、代表的な企業家としてもてはやされる期間は長くて10年だ。企業には栄枯盛衰があり、どうしても全勝ではいられない。

しかし、李嘉誠は半世紀近く、つねに香港の企業家のトップに君臨し続けている。そのすごさに敬意を込め、香港人は「超人」と呼んでいるのである。

そんな李嘉誠の「脱亜入欧」の動きに、皆が注目している。誰も無視できない。「中国や香港から逃げ出す気はない」「あくまでもビジネス上の決定にすぎない」と対外的にコメントしているが、その言葉を額面どおり受け取る人は少ない。いったい「超人」は何を狙っているのか、投資家や経営者たちを疑心暗鬼にさせている。

李嘉誠は総資産310億米ドル、世界トップ10人にランクされる資産家で、アジア人としては最も成功したビジネスマンとして世界に認知されている。その人生そのものが、華人の成功物語の一代記だと言える。

李嘉誠は潮州人だ。潮州人は日本では知名度は高くないが、東南アジアでは福建人、広東人に並ぶ一代勢力で、独自の金融・物流ネットワークを張り巡らしていることで知られる。李嘉誠は広東省と福建省の境界にある潮州で1928年に生まれ、日中戦争のさなかに家族とともに香港に逃げた。

家は非常に貧しく、高校も卒業できずに働くことになった。戦後の香港で造花を売って稼いだ資金で、不動産会社「長江実業」を設立。現在に至るまで長江実業の社名は李嘉誠の成功の象徴となっている。

小平、江沢民の信頼を獲得

李嘉誠のビジネスの特徴は「逆張り」の一言に尽きる。

1967年の香港暴動で暴落した香港の土地を買いあさって、その巨大ビジネスの基礎を築いた。1989年の天安門事件では、皆が中国から逃げ出すところを逆に中国進出を加速させて、小平、江沢民の信頼を獲得し、中国の発電インフラなどの大型案件を次々と引き当てた。

なにしろ、長江実業など傘下のグループ企業は、香港の株式時価総額の3分の1をコントロールしている。李嘉誠の名前をもじって香港を「李家城」と呼ぶぐらいだから、その行動の影響力は香港経済、そして、中国経済をも直撃するインパクトを持ちうる。

香港では、英国統治時代から中国返還後の現在に至るまで、真の意味で香港人の政治権力が存在したことはない。徹頭徹尾の経済都市であり、香港経済のトップ、すなわち香港のトップはいつも李嘉誠であった。

そんな李嘉誠氏のグループは、この数カ月で、香港のビジネスセンター、電力企業、香港のスーパーマーケットチェーン「百佳超級市場」、上海の東方匯 經センター、広州ショッピングセンターなどを売却するか、売却する方針を明らかにした。その総価格は400億香港ドルを超える見通しだ。

一方、今、李嘉誠がチャンスととらえているのが金融危機後のヨーロッパ市場だ。英国など各国のエネルギー関連への投資を急速に増やしており、この3年間での欧州への投資額は、李ファミリーが営む事業の3分の1に達するとも言われている。

問題は、普段から「愛香港」「愛中国」を口癖のように語ってきた李嘉誠が、今の時点で中国と香港に「売り」を仕掛ける理由が、どこにあるのかである。 中国では、人件費が10年で数倍にも上がり、製造業には以前のようなうまみがなくなってきている。薄地価や株価も一部では頭打ちになってきているし、シャドーバンキングの問題など、金融システムの不安もささやかれて久しい。

思わしくない政治状況

李嘉誠が最も懸念していると言われているのが、中国での政治リスクの問題だ。共産党一党統治による法制度の恣意的運用の問題は相変わらず深刻で、自己本位的な理由で中央や地方の政府の政策変更も頻繁に行われる。こうした「人治」の問題が、企業にとって政治リスクであることは間違いない。

李嘉誠はもともと江沢民をバックにつけてきたので、政治リスクという点でも十分に安全圏にいることができた。しかし、江沢民もすでに高齢に達して健康不安がささやかれるうえ、習近平指導部が発足したことで、相対的に江沢民系の力が弱まったとされる。李嘉誠が将来に不安感を抱いても不思議ではない。

盤石に見える李一族のビジネスだが、それは基本的に法治が保証された世界でのことであって、中国共産党式の人治社会では、ビジネスマンの繁栄など一瞬にして無に帰する。

一方、香港でも、李嘉誠にとっては思わしくない政治状況が生まれている。2012年の香港特別政府のトップを決める長官選挙で、李嘉誠など香港財界が推したヘンリー・タン(唐英年)氏が、当初、本命と見られていたにもかかわらず、親中色の濃いC・Y・リョン(梁振英)氏に予想外の敗北を喫した。その背後に、中国政府の意向が働いたと見る向きは少なくない。

いつでも逃げられる態勢づくり

香港返還からすでに20年近くが経過した。「港人治港」や「一国家二制度」は、十分に定着したとは言いがたく、むしろ中国との関係においては矛盾点のほうが目立つようになっている。

もともとリベラルな思想の持ち主が多い香港財界が政治的リアリズムに基づいて、中国政府と適度な距離を保ちながらうまく付き合ってきたのが、 1997年の香港返還後の香港財界のあり方だった。しかし現在の香港では、共産党の意向で物事が一気に変わりかねないとみる向きもある。

その反動もあって、最近の香港では市民の間に反中国感情が強まり、中国との一体化を批判するデモが多発している。また、李ファミリーの香港支配を批判するデモやメディアの記事も増えている。

筆者は李嘉誠の行動が、共産党による一党支配の下で資本主義経済を維持している中国・香港の政治・経済システムの「不確実性」に対するリスク分散である可能性が高いとみている。同時に、中国・香港の成長局面は近いうちに限界に達するという予測もあるだろう。李嘉誠が中国や香港を完全に捨て去るとは考えられないが、両足とも中国にはまり込んでいたところから、片足を抜いて、いつでも逃げられる態勢に変えようとしているとは言えそうだ。

「超人」李嘉誠の行動は、ほかの企業家や市民に対する心理的影響は大きい。北京はしばらく李嘉誠の動向に頭を悩ませそうである。

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