昨年のこと。いつもおじゃましている50foxさんのブログ「ON MY WAY」で、「やっぱり手塚治虫はすごい!〜「火の鳥 望郷編」」という記事を拝見しました。
あぁそうだったよなぁ…。ブログの記事を読みながら、当時の記憶が少しずつ蘇りました。ボクが高校生から大学生、さらに社会人になってしばらくの頃、手塚治虫のライフワーク「火の鳥」はいつもボクの本棚にありました。たしか、朝日ソノラマの大型サイズの本でした。いつの頃でしょう。たぶん20代後半の頃だな。いつの間にかそれらは処分され、ボクの本棚から消えていきました。
50foxさんのブログを読み、ボクの胸中に「あぁ!もう一度『火の鳥』を読みたい!」という気持ちが沸々と湧き上がりました。「チャンスは年末年始だ」ということで、中央図書館の蔵書検索システムで検索し、予約をすることにしました。するとなんと!文庫本や単行本だけでなく、当時ボクが読んでいた大型サイズの朝日ソノラマ版も蔵書があり、貸出可能であることがわかりました。すばらしい!
時空をこえて存在する超生命体・火の鳥を狂言回しに、過去と未来を交互に描きながら、テーマである「生と死」「輪廻転生」という哲学的な問題を深くえぐる、手塚治虫の代表作にしてライフワークとなった作品。そこには手塚治虫の歴史観から、遠い未来への予測的な視点のみならず、宇宙とは何か、といったスケールの大きな問への挑戦をも描かれています。
これが、手塚治虫のオフィシャルサイトに掲載されていた、「火の鳥」の紹介文です。
はい。第1巻「黎明編」と第2巻「未来編」を、さっそくお正月に読了しました。いやぁ〜奥が深い!すばらしい!読み進めるに連れて、この作品を初めて読んだ10代の頃の記憶も蘇ってきました。「そうそうそうだ、猿田彦っていたよなぁ」
「黎明編」の舞台はヤマタイ国。ヤマタイ国に仲間を皆殺しにされたクマソ国の少年イザ・ナギが、ヒミコに忠誠を尽くす猿田彦のもとで弓の修行を積むうちに、2人が親子のような愛情で結ばれていきます。
「未来編」の舞台は西暦3404年、もはや地上は荒廃しきり、世界にわずか5つしかない地底都市メガロポリスから物語は始まります。ヤマトの山之辺マサトは美しい女性型ムーピーのタマミと同棲していますが、上官にタマミの殺処分を命じられ、亡命のため死の大地にエア・カーで繰り出します。その最中、2人は遭難してしまうも、地上に生命を復活させようと尽力していた猿田博士に救助されます。しかし、愚かな人類は(コンピュータの決定に従い)核戦争を起こし、人類は滅亡……
「未来編」は事実上「火の鳥」の最終回です。「火の鳥」は、初回の「黎明編」と最終回の「未来編」を1巻と2巻に配置し、それ以降は過去と未来を繰り返しながら歴史の間を埋めていき、最後は「現在」で完結する…という斬新な手法で手塚治虫が手掛けた作品なのですよ。すばらしい!そんなこともこの2冊を読み進めながら思い出しました。
何と言ってもこの「火の鳥」での注目人物は「猿田彦」ですよね。「黎明編」での猿田彦、「未来編」での猿田博士。これからも各編で登場する猿田彦の子孫たちに注目ですね。たしかボクはこの「火の鳥」、全巻を最後までは読み切っていないんですよ。どのあたりまで記憶が蘇るかはわかりませんが、これから順に図書館から借りて読みたいと思います。
そうそう。「猿田彦」と言えば、以前にこんなブログ記事を書いていたことを思い出しました。よろしければ、御覧ください。