タケ・タケ・エヴリバディ!

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「スタック」から考えた雪国の道徳性

2022年12月23日 | ふるさと長岡・嗚呼!田舎暮らし

これまで使ったことがなかった言葉が、突如として世間で当たり前のように使われ始めて、違和感を覚えることがあります。今回もまさにそんな気持ちを抱いています。「スタック」という言葉にです。

適切なイラストではないので上の画像は誤解を与えるかもしれませんが、「スタック」というのは、今回の豪雪報道で突然世間で使われだした(とボクは思っている)言葉で、「雪やぬかるみにタイヤがはまり、前にも後ろにも進まなくなる現象」のことです。

雪道の運転では、タイヤがうまく路面とかみ合わず、アクセルを踏んでもその場で空転してしまいます。 スタックしてしまった場合、まずは落ち着いて状況の改善に努めることが重要ですね。

今までボクはこの状況を、「車が雪にはまる」とか「亀になる」とかって言っていました。雪国で運転をするボクらは毎年時々見る光景ですし、この状況の詳細は十分理解をしていますが、この状況を「スタック」と呼ぶのは知りませんでした。いつから市民権を得た言葉なんですかね?

ここ数日の急激な豪雪で、新潟県内では(長岡市内でも)いたるところでスタックする車が見られました。道路の除雪状況も悪かったですし、スタックした車が渋滞の原因になることも多かったです。自分が運転する車がスタックすると、本当に焦りますよ。もう「どうしたらいいの?」って感じです。間違いなく途方に暮れます。

ですが、心配はいりません。新潟県内では、スタックした車がいたら絶対に周りのみんなが助けてくれます。ボクも今シーズン、職場の駐車場近くでスタックしている車を同僚とともに救助(笑)しました。みんなでタイヤを掘り出し(新潟県民は冬場は自分の車にスコップを積んでいます)、その場に居合わせたり集まってきた4〜5人で、車を押したり引いたりしながら運転手をサポートしました。それを誰もが当然だと思ってやっています。

脱出した車の運転手に「止まるな!お礼なんていいから早く前へ進め!」言い、その言葉通り運転手は「お言葉に甘えます、あるいがとうございました!」とハンドルを握って去っていくのも時々見るシーンです。一度止まっちゃうと、またスタックしちゃいますからね。

冷静に考えてみると、これって雪国で暮らす人達の「高い道徳性」ですよね。ボクたちは当たり前と思っている文化ですが、実にハイレベルな精神性に基づいた行為だとボクは思います。サッカーのW杯の会場でゴミ拾いをする日本人サポーターの姿に通じるところがあります。

雪は「不便」です。ですが「不便」は人の心を成長させ、コミュニケーション能力を高めます。「今日も降ったねぇ…」「大丈夫らかね?」「気をつけなさいね」雪の降る中では、除雪作業をしながらボクらは自然と声をかけ合い、助け合います。それが当然のことであるかのように。これって実は、素晴らしいことなのかもしれませんね。

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