皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。13日の夜はふたご座流星群ということで、夜、空を見上げてみると、ほぼ満月。ものすごく明るい光。流れ星は全然見えませんでした。年明け一月にも流星群があるそうです。そちらに期待ですね。では、日野原先生のお話です。
徳田:今回はことばについてお願いします。
日野原:私がことばの重要性について考え始めたのは、ソクラテスのことばからです。
弁論家ゴルギアスとの問答で「医師もまたことばを使うプロフェッションだ」と述べています。
哲学者はことばで論議をする人でしょう。
私たち医師も、どういうことばを使うかによって、患者さんへ接する深さが変わってくる。
だから医師にとってもことばが非常に大切であるというのです。
徳田:ソクラテス式の問答法は教育にも応用できますよね。
ハーバード大学哲学部門のマイケル・サンデル先生の有名な講義「Justice」では、ソクラテス式の問答法が効果的に使われていますよね。
私もカンファレンスにソクラテス式の問答法を使っています。
ところで、日野原先生は、「心にしみこむことば」をどうやってみつけるのですか?
日野原:私の場合、長い生涯の間に感性が磨かれてきたのでしょう。
22歳のとき結核を患って1年間寝たきりの日々を過ごしました。
アメリカ留学が決まった矢先、39歳のときに喀痰中に結核菌が見つかり再発。
58歳のときは「よど号」ハイジャック事件に遭い、人質になって、死ぬような思いをしました。
地下鉄サリン事件にも遭遇しました。
こうした様々な病気、大きな事件に見舞われたにもかかわらず、上手に生き延びて、その都度、「生きるとはどういうことか」をずっと考えてきたのです。
だからこそ、相手が発しているものを敏感に感じ取るレセプターが磨かれてきたのでしょう。
目や手、感覚器官を伸ばして相手からの刺激を受けて、それを自分の中で理解し、ことばとして相手に返すことができるのです。
それは私が生きてきた中で得た宝です。
徳田:「生きる」とは人とどのようにかかわるかということですね。
そして「善く生きる」とは人にやさしくかかわるように努力しているということですね。
そのための道具が「ことば」ですね。
医師のことばはとくに影響力が大きいですので、医師はことばを発信するときには慎重となるべきですね。
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