総合診療医からの健康アドバイス

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心にしみこむ言葉のみつけかた

2016-12-15 08:59:19 | 日野原先生の教え

 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。13日の夜はふたご座流星群ということで、夜、空を見上げてみると、ほぼ満月。ものすごく明るい光。流れ星は全然見えませんでした。年明け一月にも流星群があるそうです。そちらに期待ですね。では、日野原先生のお話です。

 

 

徳田:今回はことばについてお願いします。



日野原:私がことばの重要性について考え始めたのは、ソクラテスのことばからです。


 弁論家ゴルギアスとの問答で「医師もまたことばを使うプロフェッションだ」と述べています。


 哲学者はことばで論議をする人でしょう。


 私たち医師も、どういうことばを使うかによって、患者さんへ接する深さが変わってくる。


 だから医師にとってもことばが非常に大切であるというのです。



徳田:ソクラテス式の問答法は教育にも応用できますよね。


 ハーバード大学哲学部門のマイケル・サンデル先生の有名な講義「Justice」では、ソクラテス式の問答法が効果的に使われていますよね。


 私もカンファレンスにソクラテス式の問答法を使っています。


 ところで、日野原先生は、「心にしみこむことば」をどうやってみつけるのですか?



日野原:私の場合、長い生涯の間に感性が磨かれてきたのでしょう。


 22歳のとき結核を患って1年間寝たきりの日々を過ごしました。


 アメリカ留学が決まった矢先、39歳のときに喀痰中に結核菌が見つかり再発。


 58歳のときは「よど号」ハイジャック事件に遭い、人質になって、死ぬような思いをしました。


 地下鉄サリン事件にも遭遇しました。


 こうした様々な病気、大きな事件に見舞われたにもかかわらず、上手に生き延びて、その都度、「生きるとはどういうことか」をずっと考えてきたのです。


 だからこそ、相手が発しているものを敏感に感じ取るレセプターが磨かれてきたのでしょう。


 目や手、感覚器官を伸ばして相手からの刺激を受けて、それを自分の中で理解し、ことばとして相手に返すことができるのです。


 それは私が生きてきた中で得た宝です。



徳田:「生きる」とは人とどのようにかかわるかということですね。


 そして「善く生きる」とは人にやさしくかかわるように努力しているということですね。


 そのための道具が「ことば」ですね。


 医師のことばはとくに影響力が大きいですので、医師はことばを発信するときには慎重となるべきですね。

 

 

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