総合診療医からの健康アドバイス

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旅行者下痢症のパターンと原因病原体

2017-12-01 10:53:44 | 医療情報
 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
 いよいよ今日から12月ですね。今年も残り1ヵ月です。皆様は今年の目標は達成できましたでしょうか。私(編集部ヒデ)は2つ目標を立てて、1つは達成しそうです(体重です)。あとひと月ありますから、さらに確実に達成したいです。この日曜日は那覇マラソンです、ランナーの皆様、無理せず頑張って下さい。では、本題へ。
 
 
 
 
 旅行者の下痢は、たいてい現地に入った最初の1週間で起こります。
 
 
 頻度のピークは現地到着後2から3日目に起こります。
 
 
 病原性大腸菌による下痢は、腹痛や、倦怠感に引き続いて起こる水様性の下痢です。
 
 
 
 
 症状によって病原体の種類を推定することは困難ですが、一般的にゲップや腹部の膨満感が強いときにはジアルディア症という寄生虫による下痢症を考えます。
 
 
 
 
 一方で、粘血便やしぶり腹(ばら)があるときには赤痢やカンピロバクターによる下痢症を考えます。
 
 
 しぶり腹とは、排便後にも便意が続く症状です。
 
 
 
 
 赤痢には細菌性のものとアメーバ性のものがあり、アメーバ性のものは後に肝膿瘍をきたすことがあります。
 
 
 
 
 ほとんどの旅行者下痢は数日でおさまります。
 
 
 1週間以上続くのは10人に1人です。
 
 
 また、2週間以上続くのは20人に1人です。
 
 
 そして、30日以上続くのは100人に1人のみです。
 
 
 
 
 たいていの症状は軽く、10人に1人がベッド上状態となるか医者にみてもらうことになります。


 しかし、旅行前に立てていた計画がキャンセルになることがしばしばあります。


 そういう意味で、旅行者下痢症はその予防が大切ですね。

 

 

穏やかですね

 

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