児童虐待の被害を減らそうと、親から暴力を受けた自らの体験を語る活動をしている女性がいる。
府北部に住む主婦上原陽子さん(29)。今は夫(35)と3人の子供に囲まれて幸せに暮らしており、「児童虐待は連鎖すると言われるが、少しの心がけで防げる」と呼びかけている。(中田敦之)
上原さんは、京都府北部で生まれ、新生児の頃から、実父に暴力を振るわれた。3歳で両親が離婚したが、母親の再婚相手も好きなパチンコで負けた腹いせに、「態度が悪い」などと言いがかりをつけ、上原さんを殴ったり蹴ったりした。たばこの火を背中に押しつけられたり、体を触られたりしたこともあったという。
17歳で家出し、大阪で年齢を偽って飲食店などに勤めた。翌年、夫と知り合った。生い立ちを話し「子供ができたら手を上げてしまうかも」と不安を打ち明けると、「一緒に乗り越えよう」と言ってくれた。
結婚し、長女(10)が生まれた。なかなか泣きやまない時など、虐待してしまうかもしれないと不安にかられたこともあったが、夫は寄り添ってくれた。子供をきちんと叱る役は夫、怒られた理由を言い聞かせるフォロー役は上原さんと役割分担することで、気持ちにゆとりが生まれた。
3児の母になり、虐待で子供が犠牲になったニュースを聞くたび、「自分も死んでいたかも、と思うと人ごとではない」と感じた。知人に勧められて「虐待の残酷さ、助けを求める勇気を持つことの大切さを伝えることで防止のヒントになれば」と2006年に体験をまとめた本を出版。10年から大阪市内を中心に講演を始めた。
1月中旬には、同市浪速区の市立難波市民学習センターで、約20人に向かい、「虐待は身近にある。一人ひとりが、虐待をしない、させないという意識を持ってほしい」と訴えた。話を聞いた奈良県王寺町の坂本八恵さん(64)は「つらい過去からはい上がって、前向きに生きる姿に感動した。自分にも何ができるか考えたい」と話した。
講演DVD22日発売 22日には、講演などを収録したDVD「虐待から学んだ幸せの扉を開く7つの鍵」(3150円)が「ありがとう出版」(大阪市中央区)から発売される。虐待防止に取り組むNPO法人の設立に向けた準備も進めており、「虐待のない生活がどれだけ幸せか、私には分かる。悲しい思いをする子供を一人でも減らしたい」と願っている。(読売新聞)
経験者にしか語ることの出来ない言葉がある。情緒を得た言葉は紛れも無い真実であり、その言葉にこそ人を動かせる力がある。指導者と呼ばれる人間はこのことを念頭に置き、人に語り掛けなければならない。
府北部に住む主婦上原陽子さん(29)。今は夫(35)と3人の子供に囲まれて幸せに暮らしており、「児童虐待は連鎖すると言われるが、少しの心がけで防げる」と呼びかけている。(中田敦之)
上原さんは、京都府北部で生まれ、新生児の頃から、実父に暴力を振るわれた。3歳で両親が離婚したが、母親の再婚相手も好きなパチンコで負けた腹いせに、「態度が悪い」などと言いがかりをつけ、上原さんを殴ったり蹴ったりした。たばこの火を背中に押しつけられたり、体を触られたりしたこともあったという。
17歳で家出し、大阪で年齢を偽って飲食店などに勤めた。翌年、夫と知り合った。生い立ちを話し「子供ができたら手を上げてしまうかも」と不安を打ち明けると、「一緒に乗り越えよう」と言ってくれた。
結婚し、長女(10)が生まれた。なかなか泣きやまない時など、虐待してしまうかもしれないと不安にかられたこともあったが、夫は寄り添ってくれた。子供をきちんと叱る役は夫、怒られた理由を言い聞かせるフォロー役は上原さんと役割分担することで、気持ちにゆとりが生まれた。
3児の母になり、虐待で子供が犠牲になったニュースを聞くたび、「自分も死んでいたかも、と思うと人ごとではない」と感じた。知人に勧められて「虐待の残酷さ、助けを求める勇気を持つことの大切さを伝えることで防止のヒントになれば」と2006年に体験をまとめた本を出版。10年から大阪市内を中心に講演を始めた。
1月中旬には、同市浪速区の市立難波市民学習センターで、約20人に向かい、「虐待は身近にある。一人ひとりが、虐待をしない、させないという意識を持ってほしい」と訴えた。話を聞いた奈良県王寺町の坂本八恵さん(64)は「つらい過去からはい上がって、前向きに生きる姿に感動した。自分にも何ができるか考えたい」と話した。
講演DVD22日発売 22日には、講演などを収録したDVD「虐待から学んだ幸せの扉を開く7つの鍵」(3150円)が「ありがとう出版」(大阪市中央区)から発売される。虐待防止に取り組むNPO法人の設立に向けた準備も進めており、「虐待のない生活がどれだけ幸せか、私には分かる。悲しい思いをする子供を一人でも減らしたい」と願っている。(読売新聞)
経験者にしか語ることの出来ない言葉がある。情緒を得た言葉は紛れも無い真実であり、その言葉にこそ人を動かせる力がある。指導者と呼ばれる人間はこのことを念頭に置き、人に語り掛けなければならない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます