演劇知

劇的考察譚

一週間と式の初回打ち合わせとは

2012-01-21 23:10:06 | Weblog


「witch trial tale」
本当は読み合わせを入念に繰り返し、初取り組みの子たちに渡辺演出の際の芝居の雰囲気を充分に掴んで頂きたいのだが、時間の関係上、早々に半立ち稽古。今回の目的は、まずは舞台で立つことを楽しむこと、そして「役」という与えられた制約の中でどこまで己を出し、どこまでそれをこなすことが出来るかという点。そのためなら上手い下手は一旦置いておきましょう。まぁ上手いを目指すのであれば必然的にそのようになっていくのだが。
演出の意図を汲んでくれている人間もチラホラ。後は毎回思うことだが動きも台詞も縮こまってしまう。特に声が小さいのはなんとも。次回で変化は出るか。

水曜
翌週の時間内発表に向けて最終調整。恐らく台本を離さない半立ち状態で本番を迎えることでしょう。そうなると観点としては「いかに台本を持たなくてもいい状態の手前まできているか」になるので、段取りがしっかりと踏めているかを見ることになります。そして、忙しい時期のに各作家が時間を割いて創り上げた作品。真摯に取り組んでくれることを願います。

「Ms.frog」
こちらはわたしの作品をまずは半立ちで通す。そして大まかな気になった点を修正。これで1時間使ってしまうのでなんともハードでタイトな時間となる。感情の振れ幅がとにかく大きい芝居なので、やる方はさぞかし大変なことだろう。感動もそうだが、コメディパートでも観客を揺さぶって欲しいと思っており、ダメだしはわりと厳しめになっている。頑張れ。そして、もう一本片桐師匠の芝居の稽古を見るが、こちらの方が安定して、役も役者の中に落ちてきている状態にある。良い感じ。作演、役者間の信頼がちゃんと見えます。

「カラ・ファイ」
そして救済措置として急遽書き上げた有志作品「カラ・ファイ」。誕生には大熊師匠のお言葉によるところが大きいこの作品。更には彼らと一緒に過ごした時間の中で見えてきた特徴、思ったこと、やってほしいことが15分の中に所狭しと敷き詰められています。ポップで面白い作品になりそう。そういえばリアルコメディを書いたのは本当に久しぶり。



そして、依頼を受けました人前婚の打ち合わせに銀座へ。てっきり新郎新婦との打ち合わせと思いきや、式場担当の人間も交えてのガチ打ち合わせ。豪華で落ち着いた式場の気配に完全におじけづく。ジャケットスタイルで来て本当に良かった。酒井さんは偶然にもその前の時間に人前式があったためスーツで。これがいつもの私服酒井さんだったらと思うと本当に恐怖。

その後新郎と挨拶も兼ねての食事へ。何故か大量のラッキーくじを引かされた。

ニュースから~秋入学移行へ京大ら11校と協議会設置…東大~

2012-01-20 22:29:52 | Weblog
東京大の浜田純一学長は20日、記者会見を開き、秋入学全面移行を目指す構想を正式に発表し、移行を連携して進めるために京都大や早稲田大など国内の11大学とともに4月に協議会を設置する構想を明らかにした。
 有力大学が足並みをそろえれば、秋入学を導入するうえで障害になる、企業の採用時期など様々な条件の見直しに有利と判断した。各大学も前向きだという。
 浜田学長は「東大単独で秋入学は実施しない。他大学と足並みをそろえることが大事だ」と述べた。
 協議会への参加を求めたのは国立大が京都、大阪、九州大など9校。私立大は早稲田、慶応大の2校。いずれも学部の一部定員を秋入学に充てているか、今後、導入の検討を始めることを表明している。(読売新聞)


メリットとしては

・入学までの半年間をギャップタームとして、机上の学問以上の勉強、ボランティアなり留学等の期間に当てることが出来る。
・世界の有名大学の入学、卒業時期と合わせることでグローバルな関係を展開することが出来る。
・秋卒業になることで、企業側の就活採用状況に変化が生じる

というもの。いずれも結果として大学生の質の向上に繋がる。

開始した初年度にまず半年間の授業料収入が入らなくなること、そして企業の採用状況の在り方等でこれまで移行に踏み切れなかったこの制度。果たして採用され上手くいくのか。

上手くいくためには、体制もそうだが、ギャップタームを有効利用出来る個々人の意識の向上、グローバルな活動が出来る受け皿の確立が必須となる。意識改革のためには高校、大学以前の幼少期からの教育が大切となる。

ニュースから~「教育、破壊的に変える」…石原都知事~ 

2012-01-19 22:12:08 | Weblog
◎教育
 ――教育改革では「教育再生・東京円卓会議」を始めた。
 「教育は破壊的に変えなければだめ。JR東海の葛西敬之会長がやっている中高一貫教育など、新しい教育を具体的に建言したいと思っている。国会や文部科学省にぶつけるしかない」
 ――評価の低い教職員を分限免職の対象とする大阪府議会に提案されている条例案は。
 「参考にするものはしますが、かなり乱暴なところがあるらしいので、だめなものはだめ。ただ、先生の能力については勤務評定をする必要がある。誰が評価するか難しい問題だと思いますけど」(読売新聞)



破壊的という言葉が強烈である。逆に言うと、教育の基準というものがそう簡単に変わらないもの、または変えてはいけないものだという我々の固定概念の表れである。

新しい教育の具体化…以前の記事にもあった進学塾による経営学校など、教育現場にも個性化が必要とされ、導入されるのか。少子化というパイが少なくなる流れの中、そして不況の流れの中で「競争する」現場と「競争しない」現場の二極化が進むのは必至である。後者の現場にいる子どもにこそ、有用性のあるメス入れが必要であると考える。

橋下氏に続いて石原氏も教師の勤務評定の実施を推奨。果たして教師の良し悪しとは何で決まるのか。


ニュースから~文科省、地域連携や生活習慣改善など家庭教育の支援~

2012-01-18 23:05:06 | Weblog
 文部科学省では、「平成24年度家庭教育支援関係予算(案)」と題し、家庭教育支援政策における取組みとその予算額についてまとめた資料をホームページに公開している。
 文部科学省では、「家庭の教育力の向上」と題し、すべての親が安心して子育てや家庭教育を行うことができるためのさまざまな取組みを行っている。公開された資料には、次年度以降のこれらの取組みについて、事業の概要を解説するとともに、それぞれの費用についても掲載している。
 地域全体で教育に取り組む体制づくりを目的とした「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」の24年度予定額は8,516,196千円。同省が普及・啓発のための活動を行うほか、地域住民が参画する教育支援活動や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの活用事業についても補助を行っていくとしている。また、帰国・外国人児童生徒受入促進や、豊かな体験活動推進、専門的な職業系人材の育成推進の各事業にも支援を行う。
 被災地の自律的な復興に向けた「学びを通じた被災地の 地域コミュニティ再生支援事業」では、新たに1,082,006千円の予算を計上。被災地の市町村教育委員会に、地域教育コーディネーターを配置し、地域の具体的な課題解決やコミュニティの人間関係構築に務めるほか、スポーツコーディネーター、ICTコーディネーターを被災地に派遣する事業も行うという。
 また、家庭教育に関する支援の課題や効果的な取組みについて調査・検討する委員会を設置し指導や助言、被災自治体の取組みへの支援を行うほか、地域や学校、行政、NPO、企業が一同に会する全国研究協議会を開催するという。
 さらに、子どもの生活習慣の乱れが学習意欲や体力、気力の低下の要因の一つとして指摘されていることから、家庭や学校、地域にとどまらず、企業などを含めた社会全体の問題として、子どもの生活習慣改善のための取組みを推進していくという。そのための検討・評価委員会を同省に設置し、中高生向け啓発資料を作成するほか、企業CSR活動とも連携しながら全国的な啓発を図るとしている。(リセマム)




文科省のHPを観たが、地域の方々…例えば先の記事の柔道経験のある指導員や定年退職をされた専門の方々の協力など…と積極的に積極的に関わりを持つことでそれが生徒達のためにもなり、同時に教師のためにもなると思う。少子化の進む中で、子どもたちへの教育が一層の課題であるのは間違いない。環境を整える取り組みは大変素晴らしいと思う。

親のあり方で子どものあり方が変わるのは当然である。子は親を見て育つ。わたしの今の性格も親を見てきたことにより構築されたものである。真っ当な大人(とりあえずは)になれたことに関して、感謝の限り。生活習慣、日常の何気ないところにこそ親は注意を払う必要がある。



わたしの家では家が片付いていない状態をブタ小屋という言葉で表現する。ただ、ブタ小屋はそれはそれで綺麗だ。真に恐ろしいのはブタ=怠惰という関連付けであり、またブタ小屋と発言している時の親の顔だろう。

ニュースから~愛知の柔道教員、6日で黒帯…30年間全員合格~

2012-01-17 23:02:46 | Weblog
 愛知県教育委員会が県柔道連盟へ委託し、中学、高校の体育教員を対象に2年に1度開いている柔道の指導者講習(計6日)で、30年近く、受講者全員に段位(黒帯)が授与されていたことがわかった。
 柔道の総本山・講道館(東京都)によると、黒帯の取得には「平均でも2年程度かかる」というが、愛知の場合は短期間の上、審査も一般の昇段試験と違って試合の勝敗を考慮していない。関係者からはこうした段位認定のあり方を疑問視する声が出ており、講道館でも実態を調査する方針だ。
 同県教委によると、体育指導の質の向上を目的に1984年頃から、柔道経験がほとんどない「白帯」の体育教員を集めて講習を実施。
 1年目は受け身などの基礎、柔道の歴史・理念、安全管理を学ぶ「指導者養成講習」(2日間)、その1年後に実戦や審判などを経験する「段位認定講習」(4日間)という内容で、毎回30人程度が受講している。
 これまで全受講者が段位審査で“合格”し、黒帯を取得していることに、県柔道連盟は「柔道ではほぼ初心者だが、体育教員としての運動能力はあり、6日間で全員が初段程度のレベルに達している。講習内容も十分で段位認定に問題はない」と説明。県教委も問題はないとの考えで、「段位はあった方が、無いよりは充実した指導ができる」として、学習指導要領の改定で柔道などの「武道」が必修化される新年度は受講者枠を44人に増やす方針だ。(読売新聞)


タイトルだけ見てしまうと実力が見合わない有段柔道家が大量にいらっしゃるというイメージだが、よくよく見てみると安全指導員としての「黒帯」という肩書きのようで。教育現場に就く人間には「黒帯」ではなく、別の名称の肩書きを設定しておけばこのような誤解を招くような事態にはならなかったのではと。「黒帯」の記号性を明確にするべきである。武道の授業が今後行われるのであれば尚更。

わたしは過去警察剣道をやっており、一応初段を取得している。試験の実戦ではほとほと打ち込まれ、挙句警察剣道にあるまじき引き技を駆使したがなんとか受かった。段位というのは本当に訓練された、努力した人間にこそ与えられるべきである。警察剣道と警察柔道を間近で感じてきた故、殊にそう思う。かつて森師匠の空手昇段試験を観に行ったがその気迫たるや相当のものであった。あれは本当に良い経験だった。





ニュースから~不公平憤る受験生「人生かかってるのに」~

2012-01-16 23:59:42 | Weblog
 大学入試センター試験で、過去最大の混乱が起きてしまった。
 「地理歴史」「公民」で試験方法の変更が監督者らに徹底されず、ミスをカバーするために試験で最も重要な「公平性」にも疑問符が付く深刻な事態が生じた。英語リスニングなどでもトラブルが続出し、受験生からは「人生がかかった試験なのに」と憤りの声が聞かれた。
 「バランスを失したことを大変申し訳なく思っている」。15日午後7時前から始まった大学入試センターの記者会見で、惣脇(そうわき)宏理事ら3人は深々と頭を下げ、試験時間に不公平が生じたことを謝罪した。
 センターは試験方法の変更に備え、監督者向けの新マニュアルの整備などを進めてきたが、大学側に試験前のリハーサルや監督者への研修内容などを具体的に示していなかったという。(読売新聞)



 毎年センター試験では何かしらの問題が浮上する。センターを目指して懸命に勉強してきている学生がいる以上、開催側も懸命に最善を尽くしスムーズに進行するよう努力しなければならない。昨年からの変更事項があるならば尚更だ。


 演劇では劇場に入って仕込みをする「小屋入り」を行う際、舞台監督の指示に従って行動する。舞台監督は小屋入り前に各スタッフと入念な打ち合わせをする。その入念な打ち合わせの結果、監督は当日のタイムスケジュールを作成する。
 多少婦人では石井さんがタイムスケジュールを作成するが、あのパソコンが苦手な、機械オンチな石井さんでも頑張るのだ。まともなものを作るのだ。キーボード、Yのボタンが反応しないダメパソコンで頑張っているのだ。
 そのタイムスケジュールに沿って我々は動くのだ。それによってきっちりと意志の疎通が取れる。開催側は意志の疎通が取れていないといけない。


 さて記事で気になるのは、学生側の「人生がかかった試験」というコメント。当然やる以上は勝たなければならない。和を尊ぶ日本思想には反するが、やる以上は他社を蹴落とし勝たなければならない。それが受験であると思う。しかし、「人生掛かった」というと、仮に負けた時にどうしようもないことになってしまう。負けたとしてもそれは新しい別のルートになるだけのことで、登る山は結果変わらないと思う。大切なのはその別のルートを探し、見つけ出せる懸命な判断が出来るかどうかである。

ゼクシィとは

2012-01-15 22:59:04 | Weblog


人前式の演出を依頼される。ありがたい限りである。

人前式とは

■日ごろお世話になっている方に結婚の証人になってもらうお式■
  人前式とは字のごとく「人の前で誓う、お式」です。特定の神様ではなく、日ごろ御世話になっている方、親しくしていただいている方の前で結婚の誓いを立て、承認していただくお式です。ですから列席者全員の方がお二人のご結婚の「立会人」「証人」となります。
■決まったスタイルがなく自由にアレンジできるお式■
  人前式に決まりごとはありません。基本的な流れというのはありますが、順番も入れ替えていいですし、お好きな演出を入れても構いません。ただ、お式ですからある程度の厳粛さは必要です。お二人でアレンジして思い出深いお式にして下さい。



というものでこれは相当な責任とプレッシャー。後日打ち合わせで会場に行く予定で、場所は銀座。大丈夫か


悲しいかな、自身に知識がないため、ひとまず本屋でゼクシィを購入。

たまたま一年に一回のスペシャル号なので分厚く重い。

「結婚への想いは重いね~」

という面白くもなんともない冗談を思い浮かべる。

己のくだらなさに失笑。


しかし相当の重量。5キロくらいあるんじゃないか。本屋で片手で持とうとしたら思わず「おっ」と言っちゃって、軽く手首を捻る。



勉強し打ち合わせに活かせれば。そして演劇人としては他ではないことを盛り込みたいという意欲がある。迷惑にならない限りで。

一週間とは

2012-01-14 22:48:26 | Weblog
渡辺作演「witch trial tale」は稽古休みで異装論まとめと恋愛論。「萌え」=「好き」になるのか?ということを考える。一つ深めアニマ、アニムスの説明から何故恋をするのかということを考察し、更にもう一つ深め恋というものはどういう現象なのか…というところまでいきたかったが時間の都合でそこまではいけず。こういった雑談が好きという声がチラホラ。わたしも十代の頃、そういった漠然としたことを考えることが好きで、夜も寝ずに一晩中起きて考えていたこともあった。今やったら12時半には眠くなる。


水曜チームは公開しない公演を打つことに。それはそれで一つの結論なので良し。大切なのは己の中で消化不良にならないこと。そのために残り少ない時間で精一杯調整しよう。

渡辺作演「Ms.frog」はようやく動きつけが終了。とりあえずこれで台本放しさえすればひとまず観客に観せられる。芝居としては当然まだまだなのでより具体的に作りこんでいきたい。
実はもう一方の蟻さん作品の方が現代段階の完成度が高く内心焦っている。

この二本と現在書いている有志作品の計3本、更に「witch trial tale」は3月に上演予定。

ニュースから~モーツァルトなどクラシックで英語の学習効率上がると専門家~

2012-01-13 23:39:06 | Weblog
 外国語は、いざ学習を始めてもなかなか簡単には習得できないもの。しかし、特に英語の習得に関しては、クラシック音楽を聴くことが有効だと『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもおなじみの脳科学者・澤口俊之氏はいう。以下は澤口氏の解説だ。
 * * *
「英語」について、お話しすると、モーツァルトなどのクラシック音楽を聴くことも有効です。
 英語による会話には、日本語よりも高い音がたくさん混じっています。音の高低は周波数=Hz(ヘルツ)で示されますが、日本語の周波数が最大1500Hz くらいなのに比べ、英語はその倍、3000Hzの周波数を持っています。この周波数の違いもまた、私たちに英語の聞き取りを難しくさせている要因のひとつなのです。
 そこで、モーツァルトです。モーツァルトなどのクラシック音楽は高周波の音をたくさん含みます。ですから、英語の聞き取りの勉強の合間に、クラシック音楽を聴くようにすれば、「言語野」(脳の中の言語を司る脳領域)が高周波の音に早く馴れ、より効果的に英語が学べるはずです。
 事実上の「世界語」である英語。最近は小学校の教育現場も「外国語会話」を取り入れつつあるようですが、グローバルな人材を育てるためにも、文科省にはぜひその流れを加速させてほしいと思います。(msn)




上記はリスニング時における効果。これを当時知っておけばリスニングでの苦しみが少しは軽減されたか。とにかく苦手だった。

わたしは勉強中、読書中、または脚本書いている時に最小のボリュームで音楽を流している。音楽を流した方が、己が無心の状態になれ集中することが出来る。というかそういう体になった。不思議なものだ。

さて、苦手ではあったが高校時代英語が好きな時期もあった。担当教諭が素晴らしい先生だったからだ。独自の授業で、三面記事的な英語のラジオをヒアリングしたりした。音楽もそうだが、モチベーションこそが学習効率を上げる最大のものであると思う。人参をぶらさげた馬よろしく。今更ながらそう思うし、何故当時出来なかったのかと悔やまれる。


ニュースから~柔道部顧問を書類送検…静岡~

2012-01-12 23:28:01 | Weblog
静岡県函南町立函南中学校で2010年6月、同校1年の小川礼於君(当時12歳)が柔道部の練習中に倒れ、同年7月に脳挫傷で死亡した事故で、安全管理が不徹底だったとして、三島署は11日、顧問の男性教諭(45)を業務上過失致死の疑いで静岡地検沼津支部に書類送検した。
 同署は刑事処分の判断を地検支部に委ねる「相当処分を求める」との情状意見を付けた。
 同署によると、男性教諭は、小川君が同年5月、柔道の練習中に頭にけがをした上、受け身の練習が不十分だったにもかかわらず、事故を防止すべき義務を怠って部活動で投げ込み練習に参加させ、脳挫傷で死亡させた疑い。
 小川君は5月のけがで軽い硬膜下血腫と診断され、医師から激しい練習を避けるのを条件に練習参加を許可された。6月27日はけがの後初めて、投げ込み練習に参加。大外刈りを受けて後頭部を打ち、7月6日に死亡した。
 同校は小川君が練習する際には柔道場の畳の上にマットを敷き、他の生徒にも状況を説明するなどの措置を講じていたが、結果的に重大な事故を防げなかったことから、同署は書類送検に付した情状意見を、最も重い「厳重処分」より一段軽い「相当処分」とした。
 同町の矢田長春教育長は「改めてご冥福を心よりお祈りする。書類送検に関しては、今後の状況の推移を見守り、対応したい」とのコメントを出した。小川君の母・智恵美さん(40)は「やっと一歩踏み出せた。起訴するよう強く願う」と話した。(読売新聞)



武道が必修化になることでこの手の事故は間違いなく発生する。先日テレビ番組で、中学体育の学習指導要領の項目にある「大外刈り」を、頭部殴打の可能性を危惧した地域の柔道指導者の助言で授業内容から外す、という特集を見た。柔軟で弾力的な対応が求められるであろうし、現場の声を受け、学習指導要領もまた変わっていくのではないか。部活でも授業でも大切な子どもを預かっているということを忘れてはならないのである。