小林製薬の紅麹製品の自主回収報道後、同社製造の紅麹を使った製品の自主回収が報道されています。
最初の自主回収の判断が「遅かったといわれればそれまで。」との社長会見がある中、小林製薬から原料提供を受けていたメーカーが、小林製薬の報道後に早々と自主回収を判断したのは当然のことと思います。原因が特定できてなくても、まずは消費者の安全を守ることを最優先して欲しいですね。
製薬業界に限らず、自動車業界も生産工程の管理体制が甘くなっていると思います。こんな事例(事故)が起きると規制が厳しくなって、自分で自分の首を絞めることになると思うのですが。。。
さて、小林製薬の紅麹原料事業について調べてみたところ、、2018年のプレスリリースで、学会発表の内容とともに、紅麹のB2B事業※を展開することが記載されていました。
プレスによると、2016年にグンゼ株式会社から紅麹事業を譲り受けたとのことです。
事業を譲り受けるというからには知的財産権があるはずなので調べてみると、「モナコリンK生産性に優れた紅麹菌株」という発明名称(特許第5283363号)の特許が登録されており、菌株 (Monascus pilosus NITE B P-412)と菌株の取得方法、その菌株を用いて得られる紅麹と紅麹の製造方法が主な請求項(請求項とは、早い話がビジネスでお金を稼ぐ根拠となるもの)でした。
製造についてはザックリですが、白米を紅麹菌で発酵した後で菌を失活させて乾燥して粉末にする、というものです。
この製造過程で何かが入り込んでしまったのでしょうか。今のところ、ここまでが事実として説明できるものです。
腎疾患で入院された方は26人になり、中には腎透析が必要になったとのこと。なんとも痛ましい事故(事件?)ですが、メディア報道の見方によっては、紅麹が身体に悪いと取られてしまい、紅麹と名のつく食品が避けられてしまうこと、つまり風評被害が危惧されます。
小林製薬の早急な原因の調査結果報告が待たれるところですが、メディアも中途半端な報道ではなく、現時点で分かることはきちんと説明し、風評被害が起こらないようにしてもらいたいものです。
※ Business to Business:企業が他の企業に商品やサービスを提供すること。機能性表示食品の多くは、その原料(機能性関与成分)は、B2Bによるものです。
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