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紅麹の腎障害問題が発覚して半年以上も経つというのに、今更のように医薬品の腎障害が週刊誌で採り上げられていました。
記事と同様の内容「”急性腎障害”の副作用リスクがある処方薬リスト(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や降圧剤、胃腸薬など)」がネットで公開されていますので、詳細はそちらをご覧頂くとして、今回は医薬品の副作用についてのお話しです。
副作用って何?
そもそも医薬品は身体にとって異物です。また、医薬品の作用は複雑で“複数”あって、そのすべては解明されていないので、効き目だけでなく様々な副作用を生じる場合があります。
まず、世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされています。分かりやすく言えば、「通常に服用する量で、意図しないで起こってしまう“有害な”作用」です。
鼻炎薬を飲むと眠くなるのは副作用?
複数の作用がある医薬品には、期待する“有益な”作用とは別の作用が有益な場合は、通常は副作用とは言いません。鼻炎薬の中に含まれる抗ヒスタミン成分によっては眠気を催す製品があります※。一方で、眠気の作用がある抗ヒスタミン成分を利用すれば、睡眠改善薬となります。鼻炎薬としては副作用となる眠気も睡眠改善薬としては”有益な”作用になるのです。
※ 眠気を催す抗ヒスタミン成分は、風邪薬や乗物酔い止めといった製品にも使われています。車を運転する場合、ドラッグストアなどで購入する際には、パッケージの「注意」に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください。」などと記載されているか確認しましょう。最近は眠くなりにくい抗ヒスタミン成分を使っている製品もあるので、よく分からない場合は、薬剤師、登録販売者に相談しましょう。病院で処方されるお薬なら、お医者さんに聞くか、薬局で薬剤師さんに聞いてみましょう。
紅麹の腎障害は副作用?
紅麹のような食品で起きる有害事象(健康被害)を医薬品のように副作用と言うのは適切ではありません。また、小林製薬の紅麹製品(コレステヘルプなど)は、紅麹由来の成分で腎障害を起こすシトルリンが生成しない方法で製造されており(実際にシトルリンは検出されてないと言われています)、腎障害は製造工程の管理不十分が原因で生じた青カビ由来の成分”プベルル酸”が原因と考えられています。むしろ、コレステヘルプの「悪玉コレステロールを下げる」機能性関与成分の”米紅麹ポリケチド“がスタチン系脂質異常症治療薬(前出の週刊誌にも記載)と似ていて、スタチン系の副作用である”横紋筋融解症”による筋肉痛や筋力低下を起こりうる有害事象として考えた方が良いでしょう。
腎障害以外の副作用
前出の週刊誌に記載されている医薬品の全ての副作用を列記すると一冊の本になるくらい大変なことになるので、今日は高齢者に身近な解熱・鎮痛・消炎薬に絞ります。
2024年10月8日、厚生労働省が非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の添付文書(薬のトリセツ)について、重大な副作用として「心筋梗塞、脳血管障害」を追記するようにという改訂指示を発出しました(指示内容の詳細は割愛します)。医療用医薬品と一般用医薬品(処方箋なしでも買える)で追記する内容や書き方に違いはありますが、基本的には同じです。
「心筋梗塞、脳血管障害」が追記となる一般用医薬品は、イブプロフェンやロキソニンを含む製品が対象です。局所作用の貼り薬は除外ですが、私が使っている膝痛のお薬”「ロコアテープ(有効成分はエスフルルビプロフェン・ハッカ油)“は貼り薬であっても全身作用があるので対象となっています。膝痛で通院中の方は、気になったら主治医にご相談ください。
リウマチなどの膝痛では、症状によっては“セレコックス錠と”やそのジェネリック“セレコキシブ錠”(いずれも成分はセレコキシブ)を処方されている方もいると思います。セレコキシブは、プロスタグランジンという痛みの元になる体内物質を合成するシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の作用を阻害します。このシクロオキシゲナーゼ阻害作用のあるNSAIDsには「妊娠中期の妊婦へのシクロオキシゲナーゼ阻害剤の使用により、胎児動脈管収縮を疑う所見を適宜確認する」旨が追記されます。
シクロオキシゲナーゼ阻害作用のあるNSAIDsには、イブプロフェン、インドメタシン、エテンザミド、サリチル酸メチル、ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソニンといったお馴染みの成分もあり、同様の改訂がされます。
心筋梗塞なんて、恐いですね。でも痛みや熱など辛いときは、用法用量を守って、少しでも異変を感じたらお医者さんへGo。
ちなみにNSAIDsの腎障害は、プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血管が収縮して腎血流量が低下し、尿量が減少することに起因します。また、膀胱排尿筋の収縮が抑制されて、膀胱の緊張を緩和作用もあることから、副作用を逆手にとってロキソニンが夜間頻尿に用いられることがあるようです(保険適応外です)。ただし夜間頻尿は高齢者に多いので、飲み続けると腎機能障害だけでなく、心筋梗塞や脳血管障害を起こすリスクがあるので注意が必要です。頻尿だからと言って市販のロキソニンを買ってきて自己判断で飲むことは絶対にしないでください。
”効く”医薬品
週刊誌で医薬品の副作用が採り上げられたことで、医薬品の有効性と安全性や、特に機能性を標榜する食品の有害事象について興味を持ち、頭痛や発熱などの症状に”効く”というのはリスクを伴うものと理解して正しく使うこと、また、気になることがあったら専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談することを意識する人が増えるのはとても良いことだと思います。
また、医薬品は”効く”ことで病気を自分自身で治そうとする力(自然治癒力)を助けてくれるものと捉え、できるだけ医薬品に頼らないようにすることも健康長寿に大切です。
自然治癒力を引き出す
治療中の方は主治医と相談の上、基本は食事(タンパク質を中心に)、運動(ウォーキングと筋トレ)、睡眠(質の良い眠り)と笑顔と感謝を心掛けましょう。そして歯を健康に保つことも大事です(私のお勧めはL8020という乳酸菌が配合された歯磨き粉です)。私の過去のブログを参考にしていただくと幸いです。過去のブログを見たい方は、「健康長寿の窓口 脳腫瘍闘病記 食事(あるいは運動、睡眠、笑顔)」で検索、ポチッとして下さい。
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さあ、歩きましょう! 運動しましょう!
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