健康長寿の窓口 (タロー8の脳腫瘍闘病記改め)

2009年に乏突起神経膠腫の手術を受け15年が経過したことを機にブログをリニューアル、健康長寿の情報を発信していきます。

エントロピーが教えてくれたこと

2024-03-26 11:56:10 | 日記

 私が「エントロピー」という言葉を初めて知ったのは、高校3年の頃、物理の参考書として使っていた「チャート式 物理」のあるコラム(記憶が曖昧ですが、もしかするとチャート式 化学だったかも)に、「万物は乱雑な方へ向かう。机の上は、放っておくと散らかってしまう。これがエントロピー」のような記載を読んだ時です。

 高校の授業では「エントロピ-―」について習ったことはなく(本当は先生は説明したのに寝ていて聞いてなかったのかも)、チャート式のことだけがずっと頭を離れませんでした。と言っても、エントロピーに特別に興味があるわけでもなく、深く勉強することもなく、社会人となりました。会社で薬を創る研究をすることになり、上司から「エントロピー」が大事なんだということを教わりました。そこで、勉強のためにと買った「熱力学で理解する化学反応のしくみ(ブルーバックス)」という本を読み、偶然にも著者の、当時、東海大学医学部で教授だった”平山令明(のりあき)先生”と一緒に仕事をする機会があり、サインをしてもらいました。おそらくサイン入りの本は世界でただ一つではないかと思います。私の宝物です。

 本を読んで先生と研究していたにも関わらず、当時はエントロピーが命(生命の寿命)にとって重要なこと(生命体は化学反応で動いている)との認識は薄く、意識するようになったのは、福岡伸一先生の「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか(小学館新書)」を読んでからです。その後、「動的平衡2」、「動的平衡3」、そして「福岡伸一、西田哲学を読む」へと読み進め、生命誕生から進化が動的平衡にあることに興味を持つようになりました。

 福岡伸一、西田哲学を読む(福岡伸一、池田義昭著:明石出版)」より転載

 動的平衡を短く説明すると正しくない表現もあることを承知の上で言えば、生命は分解と合成を繰り返す動的平衡状態にあっても、わずかに分解速度が合成速度より先回りすることで老いを迎え、最終的に死に至る(ヘイフリックの限界を迎える)と、私は解釈しています。

 平山先生の本を読み返すと、原子が持っている総エネルギー(エンタルピー)とエントロピー

の”動的な”平衡という説明があります。動的な平衡をシーソーに例えて、真ん中で静止していても、それは常に左右に揺れ動いていることが時間平均すると止まっている様に見えているだけだということです。エネルギーで見れば、気体(分子が無秩序に散らばっている状態)が冷えれば液体あるいは固体となるけれどもエントロピー増大という絶対的な原則(熱力学第二法則)で気体に戻ろうとするシーソーです。

 エントロピーは増大するのであれば生命という個体(固体)の存在はあり得ないのですが、エンタルピーとエントロピーのバランスの上で、見かけ上存在しているのが今の私の姿であり、宇宙に散らばったガスが冷えて地球ができて、アミノ酸が生まれやがて生命になり、40億年もの長~い歳月を経て今の私という存在があるのだと思うのです。でもエンタルピーはエントロピーには勝てない、そして私は老いていく、何もしないで合成速度が遅くなれば、分解速度は速くなり老いは速くなる・・・。

 合成速度が遅くならないように何をすれば良いのかがブログのテーマであり、という訳です。膝痛も元々は老いが原因です。何をすれば良いのか、良く考え、実践して行きたいと思います。それが、元気で長生きしたいと思っている方の参考になれば幸いです。

 現在問題になっている生産管理体制の緩みは、ある意味エントロピー増大の法則によるものなのかも知れません。でも、何をすれば良いのかを考えれば、悲しいことにはならなかったのでしょうね。



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