健康長寿の窓口 (タロー8の脳腫瘍闘病記改め)

2009年に乏突起神経膠腫の手術を受け15年が経過したことを機にブログをリニューアル、健康長寿の情報を発信していきます。

筋肉の力と量、高齢者にはどっちが大事?

2024-09-10 16:13:30 | 日記

先週(9月3日)に「1日3秒、週3日の筋トレで良い」について書きましたが、それはあくまでも肘の伸長性についてのお話し。もちろん、腕っ節の強い高齢者は頼もしいですが、高齢者にとって大事なことなの?と考えてみました。

結論から言えば、どちらも大事です。でも、それでは話が続きません。

健康寿命※)を縮める要介護になってしまう要因は、認知症が22.2%で最も多く、高齢による衰弱(16.5%)、骨折・転倒(15.6%)がそれに次ぎます(政策研ニュース No.66 2022年7月「フレイルの最新動向について」)。衰弱、転倒・骨折を足腰(筋肉)の弱りによるものとして合計すると32.1%となり、筋力を強くすることで要介護を防ぐことができる可能性が高いと思います。

転倒を防ぐには、特に抗重力筋(大腿四頭筋や腹直筋などの体を支える筋肉)の強化が重要になります。抗重力筋の強化は、日常生活の動作(立ち上がる、歩く、階段を上るなど)を楽にすることで生活の質が向上します。

【参考】

※介護の必要な期間(平均寿命(0歳における平均余命)と健康寿命(健康上の問題で日常生活に制限のない期間)の差)を2010年と2019年で比較すると男女と短くなっています。2010年は2001年と比較すると長くなっていたことを考えると、健康長寿の傾向が現れていると思います。

(データ内閣府 令和6年版高齢社会白書 p29)

一方、筋肉量を増やすことは基礎代謝を上げ、エネルギー消費が効率的になり、体脂肪の減少や生活習慣病の予防に効果的です。また、筋肉量が増えると、筋力も自然に向上するので、筋力トレーニングと合わせ、筋力と筋肉量の両方をバランスよく維持・向上させることが大切なのです。

筋力強化と筋肥大に限界に近いトレーニングは有効?

では、筋力トレーニング(無酸素運動)と筋肉量を増やすトレーニング(有酸素運動)をどのように組み合わせるのが良いのでしょうか。最近、どちらも限界に近いトレーニングをすることが良いという研究が報告されたので、ご紹介します。

Exploring the Dose-Response Relationship Between Estimated Resistance Training Proximity to Failure, Strength Gain, and Muscle Hypertrophy: A Series of Meta-Regressions.

Sports medicine (Auckland, N.Z.). 2024 Jul 06; doi: 10.1007/s40279-024-02069-2.

この研究によれば、トレーニングをまだ余力のあるレップ数(それ以上ウェイトを持ち上げられなくなるまでの動作の反復、反復1回が1レップ)でやめても、限界に近いレップ数で行っても、筋力増強の程度は同様で、筋肉量増加については、限界に近いレップ数でトレーニングを行う方が効果の大きいことが示されました。

論文の筆者は、「筋肉量を増やしたいのであれば、「あ~、もうダメ、ゲ・ン・カ・イで~す」と思えるくらいまでのトレーニングが効果的だが、怪我を防ぐために0~5回程度少なめのレップ数で行う方が良く、筋肉を増強したい人は、ウェイトを重くして、レップ数を限界よりも3~5回少なくするのが良い」と言っています。

軽めのウェイトで限界近くまで有酸素運動で筋肉量を増やして、ウェイトを重くして限界近くまで無酸素運動で筋力強化、でも安全のために無理のない範囲で良い、というイメージでしょうか。そして、継続です。

 



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