鑿の柄付け職人の日常 !!

手道具存続の為に頑張ります。

特別仕様

2016-11-19 06:55:56 | 大工道具
先日の金物まつりでお預かりした鑿です。

なん年か前にもお預かりした方でした。


でも覚えていますが、その鑿も特徴がありました。

今回のはこれでした。









同じタイプの物が来ていたので横に並べてみました。

違いがお判り頂けますでしょうか?







黒いのと磨いたのとの違い?

磨きの方は全面にヤスリが掛かってます。目を見張るのは表の甲。普通は掛かって無いです。中尾も。

よほど切れてなければこれだけ段差が出来ないのでは?と思ってしまいます。






この鑿を預かり少ししてからちょうど和己息子典三さんが来られたので詳しく聞きました。

「やろうと思えばここまで出来る」って事でした。



自分が一番気になってたのがこの裏です。







左市弘やのら・いずれ千代鶴?もこんなんでしょう。精度までは判りませんが。

銑スキだけでは無いようでしたね。ヤスリが掛かってるそうです。目が細かいはずでした。


この輪と口金を使います。

自分がしたら切れ方が全然違うでしょ。当然と言えば当然ですね。なぞってるだけ!って言われます。深く掛かって無いそうです。



















柄はタガヤサン(鉄刀木)です。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古鑿 25

2016-11-17 06:53:51 | 大工道具
口金を使って赤樫柄への交換です。









同じ寸法、同じ形での依頼です。

濃い目の赤樫を使い、柄を削りました。







仕込みましたら、あらら?。

芯に入るよう調整したはずなのに・・・?

古い口金の中には鉄を合わせて溶接して作った物もあります。

そうです溶接部分鉄を叩いた時の厚みが違うんですね~。







再度、調整しました。







マチとの接合部は綺麗に合いました。


柄の口金が広い部分の加工の厚み調整までは出来ません。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

磨り合わせと合わせ仕込み 2

2016-11-15 06:47:28 | 大工道具
判りにくいですが追入れ鑿は同じ物です。

仕様が違えば見え方も変わってきますね~。







見た目では判りませんが、差す鑿(大突き)はネジになっていて鑿を抜いて刃を研げるようになってます。


芯出しが難しい物で合わせと磨り合わせどちらの技術も必要になってきます。



芯がずれてると柄を戻した時に食い違いますので。






色々な仕様があります。










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

別注品

2016-11-11 23:28:21 | 大工道具
金物卸さんから届きました。


鑿も別注品です。


最近こいうの増えましたね~。鍛冶屋さんも大変だ。ま、拘りはいいですよね。









これぞ鑿鍛冶さんとの協力でいい物作りですね~。


口金を合わせてみました。普通のではうまくいかないので調整しました。


まだ角がちょっと当たってますが、仕方ないですね~。









柄を削り穴を開けます。













仕込みました。









これでOK!でしょうけどね。


ちょっと気になるので、鑿を抜きました。


そして再度ペーパー機で芯を出し、段差と面を少し削りました。









これでよりいい感じになったと思います。(指定通り出来る限りの0ギャップ?)


喜んで頂ければいいのですが・・・。


固く仕込まれてるのを再確認出来ました。抜くのにもひと苦労しました。




口金が緩んだ時点で下手したら割れてしまうし、再度仕込む時も失敗したら1からやり直しですから・・・。


これを作った鑿鍛冶さんも「大変やったわ~!」と言っておられました。


お互い腕試しでいい緊張感です。難しいけどやりがいあります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒檀差す鑿(大突き)

2016-11-10 06:32:18 | 大工道具
黒檀の差す鑿の柄付けは割れやすいので要注意です。


中尾(コミ)が長くて太いので穴開けはいつも以上に慎重になります。


食い違った時に抜くと割れる恐れがあります。


もし割れた時の事を考えると。・・・。材料の単価が高いうえに時間のロスになりますもの。









何とか割れずに出来ました。2倍の時間はかかってますけど。


大き目の穴を開けると時間等のリスクは回避できますが、買われたお客さんの気持ちになればそうはいきません。









口金磨きで合わせ仕様になります。









マチと口金の仕込み部分のアップ写真です。









建物でも基礎とか、見えない所が一番大事ですね~、実はここに一番時間がかかります。



よく相談で「柄がごそごそでどうしたらいい?」と聞く事がありますので。



柄屋さんの考え方で性分で変わりますが。安平なら!言われるようにやって行きたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする