高杉晋作の彦島租借阻止は、伊藤博文の回想が一人歩きしたものであった。

高杉晋作の彦島租借阻止は、伊藤博文の回想が一人歩きしたものであった。

幕末のキーポイントと言えば、四カ国（英仏蘭米）と過激な攘夷をかかげる長州藩の間で勃発した下関戦争があげられる。結果的に長州藩の惨敗に終わるが、この講和交渉を行ったのが高杉晋作である。高杉は莫大な賠償金（３００万ドル）と彦島割譲をつっぱね、彦島の香港化を防いだとされてきた。筆者もそう思い込んでいたのだが、（歴史街道2010．10月号によると）実はこれは、伊藤俊輔（博文）が四十五年後に朝鮮に渡る際、彦島を見ながら語った回想が一人歩きしたものだという。真相は伊藤が出席した予備交渉で彦島租借が出たものの、高杉が出席した本交渉では話題にもならなったらしい。

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