悲しい話
数日前、不愉快な事があった。
こんないやな思いは、自分の胸の中に秘めておきたい、と思っていたのだがいうべき事は言っておかないといけない。
ある大手出版社の人物と食事中、メガキングの廃刊の話になった。
その大手企業の社員の人物は、せせら笑うとこう言った。
「所詮、エロ、エロ本ですよ、あんな雑誌、つぶれて当然。中小企業は大変ですな」
この言葉を聴いたとき、本当に悲しくなった、
大企業にいることで、他人の痛みがわからなくなったこの人物が、心底気の毒になった。
メガキングがつぶれ、仕事を失ったライターや編集者が何人かいる。
一生懸命に生きていた彼らの顔が浮かんだ。
彼らには何の落ち度も無い。
彼らはある日突然、職を失ったのだ。
それをせせら笑うとは…。
酷すぎる。
日本人ならば、夢破れし者、心傷つきし者に対する配慮ができるはずである。
弱った者、疲弊した者に対する”武士の情け”というものが、僕らの中にはあったはずである。
日本という国はいつから、弱者に石を投げる野蛮人国家になったのであろうか。
僕は大手企業に勤めていた経験がある。
大手企業の本社にいた時、自分はエリートだと、勘違いした時期もあった。まったく愚かな事である。
他人が頭を下げるのは、大手企業の金看板であって自分ではない。それがわからなかった。
フリーランスになった時、本当の友人、本当の自分の力がわかった。
僕ら一人一人は、まったく無力なものなのだ。
人は誰にでも生きる権利はある。
エロ本の編集者だって、エロ本のライターだって、懸命に生きている。
妻のため、子供のため、必死に生きようとしている。
文藝だ、芸術だ。
そんな綺麗事を言ってられるのは、金持ち大企業の偽善でしかない。
例え、エロをやっても、スキャンダルをルポしても、
家族のために、生きるために、やるしかない。
今や、編プロや中小の版元はそんな状態だ。
あんたらは、それを悪いと言うのか。
それを悪というのか。
エロ本の何処が悪いんだ。
エロ編集者の何処がいけないんだ。
「山口さんは、何故、小さな版元やエロ本に漫画原作を書くんですか、ギャラがいいんですか」
と聞く輩がいる、無粋この上ない。
必死に、彼らが戦っているとき、それを手助けして何処が悪い。
僕は、いつも必死に生きる者の手助けがしたいのだ。
山口敏太郎の名前が少しでも彼らの役に立つなら、いつでも助太刀しよう。
生きるために、戦う者たちがいれば、横に馬を並べよう。
貧しき者、小さな版元が意地と理想に旗をあげるなら、共に友として戦おう。
少なくとも僕は、報われない企業やフリーランスの痛みがわかる作家でいたい。
今は本当に悲しい気持ちでいっぱいだ。
関連記事 コラムというか、ぼやき
アトランティア 発動篇(徳間書店)
1号はここから
↓
0号はここから
↓
こんないやな思いは、自分の胸の中に秘めておきたい、と思っていたのだがいうべき事は言っておかないといけない。
ある大手出版社の人物と食事中、メガキングの廃刊の話になった。
その大手企業の社員の人物は、せせら笑うとこう言った。
「所詮、エロ、エロ本ですよ、あんな雑誌、つぶれて当然。中小企業は大変ですな」
この言葉を聴いたとき、本当に悲しくなった、
大企業にいることで、他人の痛みがわからなくなったこの人物が、心底気の毒になった。
メガキングがつぶれ、仕事を失ったライターや編集者が何人かいる。
一生懸命に生きていた彼らの顔が浮かんだ。
彼らには何の落ち度も無い。
彼らはある日突然、職を失ったのだ。
それをせせら笑うとは…。
酷すぎる。
日本人ならば、夢破れし者、心傷つきし者に対する配慮ができるはずである。
弱った者、疲弊した者に対する”武士の情け”というものが、僕らの中にはあったはずである。
日本という国はいつから、弱者に石を投げる野蛮人国家になったのであろうか。
僕は大手企業に勤めていた経験がある。
大手企業の本社にいた時、自分はエリートだと、勘違いした時期もあった。まったく愚かな事である。
他人が頭を下げるのは、大手企業の金看板であって自分ではない。それがわからなかった。
フリーランスになった時、本当の友人、本当の自分の力がわかった。
僕ら一人一人は、まったく無力なものなのだ。
人は誰にでも生きる権利はある。
エロ本の編集者だって、エロ本のライターだって、懸命に生きている。
妻のため、子供のため、必死に生きようとしている。
文藝だ、芸術だ。
そんな綺麗事を言ってられるのは、金持ち大企業の偽善でしかない。
例え、エロをやっても、スキャンダルをルポしても、
家族のために、生きるために、やるしかない。
今や、編プロや中小の版元はそんな状態だ。
あんたらは、それを悪いと言うのか。
それを悪というのか。
エロ本の何処が悪いんだ。
エロ編集者の何処がいけないんだ。
「山口さんは、何故、小さな版元やエロ本に漫画原作を書くんですか、ギャラがいいんですか」
と聞く輩がいる、無粋この上ない。
必死に、彼らが戦っているとき、それを手助けして何処が悪い。
僕は、いつも必死に生きる者の手助けがしたいのだ。
山口敏太郎の名前が少しでも彼らの役に立つなら、いつでも助太刀しよう。
生きるために、戦う者たちがいれば、横に馬を並べよう。
貧しき者、小さな版元が意地と理想に旗をあげるなら、共に友として戦おう。
少なくとも僕は、報われない企業やフリーランスの痛みがわかる作家でいたい。
今は本当に悲しい気持ちでいっぱいだ。
関連記事 コラムというか、ぼやき
コラム・僕らは列車に乗っている |
悲しい話 |
「総裁やらせてくれるなら、国政に出てもよい」東国原知事の正体と野心 |
僕は、生き恥をさらしながら 今も生きている。 |
この国が侍ばかりであれば滅びてしまうが |
夜桜の下を歩く |
ワーキングプア死亡宣告 (晋遊舎ブラック新書 13)巨椋 修,犬山秋彦,山口敏太郎晋遊舎このアイテムの詳細を見る |
怨霊と呪いの日本史 (KAWADE夢文庫) (KAWADE夢文庫)河出書房新社このアイテムの詳細を見る |
前田慶次郎 青雲録 (ぶんか社)山口 敏太郎ぶんか社このアイテムの詳細を見る |
学校「裏」怪談山口敏太郎マガジンランドこのアイテムの詳細を見る |
マンガ・アニメ都市伝説 (ベスト新書)山口 敏太郎ベストセラーズこのアイテムの詳細を見る |
アトランティア 発動篇(徳間書店)
1号はここから
↓
不思議大陸アトランティス 発動編 (Town Mook)徳間書店このアイテムの詳細を見る |
0号はここから
↓
不思議大陸アトランティア 浮上編 (Town Mook)徳間書店このアイテムの詳細を見る |
(漢字あってます?)
この言葉の意味を本当に理解できるのは、痛みを知っている人と思う。
私は人間とは基本的に傲慢な生き物と思う。
しかし、それは弱さの裏返しでもあり、一度でも自分の弱さを実感した事のある人間は、優しくなれる筈なのに… 悲しいですね。
現実として、何かを見失った勘違いの輩も多く、心無い仕打ちも多々ありますが、私も這い上がりの途中組として「武士は喰わねど高楊枝」 と頑張り中!
…下らない長文すみません。
山口氏の暖かい文章に、私も何か書き込まずにはいられませんでした。
ヒトの痛みがわからなぃャッは、ぃずれ自分で自分のクビを絞めるコトになると思ぃます。
ヒトの気持ちがわからなぃャッが何をゃっても本当にィィ物は作れなぃと思ぃます。
外国の貧しぃ場所に行けば行く程、他人を家族みたぃに思ぃゃり、心広く、自分も貧しぃにもかかわらず助け合って生きてぃるのに、
ぉ金、地位、名声を手に入れるコトでそんな馬鹿野郎になり下がってしまぅなら、そんなガラクタぁたしはぃらなぃ。