【実話怪談】『こっちからいくぞ・・・』<前編>
「私にとって身も凍るような恐ろしい体験でした」
Sさんはそんな前置きをしたうえでこの話を語ってくれた。それは、Sさんがまだ少年だったころに起きた出来事なのだが、いまだにその日の事が忘れられず、折に触れて思い出すのだという。
当時Sさんは、マンションに住んでおり、弟と一つの部屋を共有して使っていた。ある日の夜中、Sさんはなかなか寝付けず、何度も寝返りを打ちながら睡魔が訪れるのを待っていた。部屋には、2段ベッドの下にいる弟の寝息だけが静かに聞こえてきていた。
(人が寝付かけずに苦しんでいるのにノンキなもんだ。もうぐっすり寝てやがる)・・・(この続きはこちらから)