「ビートたけしの超常現象Xファイル」に、大槻教授が出ていないのは、夏休みなんですよ

「ビートたけしの超常現象Xファイル」に、大槻教授が出ていないのは、夏休みなんですよ。
山口敏太郎
「ビートたけしの超常現象Xファイル」の反響が多い。(キムタクのドラマの最終回、レッドカーペットの裏で8.9%という数字は健闘したといえる)視聴した方から「大槻教授が出ていないのは何故ですか?」という質問を受けるのだが、大槻教授が出ていないのは、単に夏休みである。どうやら、番組サイドが意図的にはずしたというガセネタが流れているようだが、大槻教授は春から夏にかけて大型の夏休みをカナダでとるのが毎年の恒例になっている。(このあたりは、一度でも放送作家やテレビ関連業界にいた人なら普通に知っていることである)
次回の年末には、再び大槻教授の勇姿が拝めるので、僕も今から楽しみである。僕と大槻教授は昨年末にこの番組で激論を展開したが、決して不仲ではない。むしろ、大槻教授は筆者に最も影響を与えた恩人である。
また、たけしさんの番組における、大槻教授と韮澤社長のオカルトプロレスは、僕の大好きなコンテンツであったが、大槻教授の主張する「論理的な思考」「合理的な解釈」には大いに感銘し、オカルト好きでありながら、大学院に通い修士号を取得した。このあたりの経過が、僕の中にオカルト好きであるのも関わらず、合理的に物事を考えるという特殊な思考パターンを産むことなった。つまり、大槻教授は師匠のような存在である。
学研のミステリーコンテストで賞を頂き、作家デビューしてから、鳴かず飛ばすの僕であったが、修士号獲得後、合理的なオカルト分析により仕事が大量に舞い込む事になった。ありとあらゆるオカルトケースのうち、9割以上否定し、残る1割程度の案件もオカルトの真偽ではなく、民俗学的な評価、哲学的な評価、宗教学的な評価をしてきた。また、エンタメと断言し読者と大人のキャッチボールができる番組やマスコミやメディアでは、楽しくプロレスをやらしてもらった。既に著作も70冊を越え、テレビ出演も60本を越えたとき、ついにたけしさんの超常現象番組からオファーが入った。正直嬉しかった。
「ようやく、あのプロレスの輪に入ることができる。エンタメができる」そう思ったのだ。だが既に、世の中の情勢は変わっていた。単純な否定派、肯定派の二極論の時代は終わり、オカルティストが科学により近づき、先端物理学がSFやオカルトのような理論を構築する時代になっていたのだ。
そこで、僕が決意したのが肯定派、否定派の解体である。
昨年の出演の際、筆者は肯定派で出ることになっていたので、まずは否定派の解体を狙った。
目的はひとつ。
私淑していた自分にとっての師・大槻教授をディベートで打ち破ることである。
大学院で学んだことは、先輩や師を論争などで打ち破るのが恩返しであるという考えであった。
大槻教授の本を愛読していた筆者にとって教授の弱点はわかっていた。教授の論理的な思考の中で唯一の問題点が「アポロが持ち帰った石は、地球上の石となんら変わらない」と主張しているところであった。
しかも、過去の(他局の)番組では「アポロは月にいってない」とまで発言しており、物理学会関係者から批判を浴びている。ここがポイントである。筆者はオカルティストではあるが、アポロは月に行ったと見ている。大部分の人もそう思っているだろう。万民が見ている番組で大槻教授の「アポロは月に行っていない」という”とんでも発言”をひきだせたら、どうだろうか。優勢だった否定派の信憑性を一気に破壊できるではないか。
因みに、昨年末の大槻教授と僕の論争を「アポロ議論」だと思っている人物は多い。だが、あの論争は「アポロが月にいったか、どうか」とテーマとして論じたものではない。僕にとって、アポロが月に行ってようが、行ってまいがどちらでも関係ない。あの攻防は、大槻教授に”とんでも発言”をさせられるか、否かが焦点であったのだ。周りにディベートに詳しい方がいたら、このロジックを確認して欲しい。相手の失言を誘い出すテクニックが存在するのだ。
当日、やはり大槻教授が韮澤さんを打ち破る台本であったため、筆者はブック破り(台本やぶり)を仕掛けた。肯定派、否定派という二極体制を解体し、違った形のオカルト検証番組にするためには、ブック破りしかなかったのだ。当然、現場はガチンコムードに変容したが、たけしさんの英断で続行された。
カットが随分入っており、わかりづらい部分もあるが、筆者は執拗に大槻教授にアポロ否定発言をさせようと試みた。だが、敵もさるもの、月の石の証拠能力は無いという発言はあったものの、なかなか明確なアポロ否定発言はなかった。教授はまた物理学会関係者に糾弾されるのが怖いのであろう。
そこで、ディベートの攻め所を変えた。「アポロが月から持ち帰った証拠である月の石に対して、証拠的能力は無いと言いながら、アポロの月面着陸は否定しない」ならば、「韮澤さんが出した証拠が説得力が無いという理由で韮澤さんのUFOの話を否定することは矛盾してはないだろうか」という論旨でディベートを展開したのである。
僕も確信犯だったのだが、この論理展開はかなり強引である(笑)
だが、大槻教授が僕の指摘からのがれるには、以下のふたつしか方法はなかった
物理学会関係者として禁断の「アポロが月にいってない」という発言をするか、
教授の信念である「月の石に証拠的能力は無い」という主張を撤回するしかなかったのだ。
勿論、どちらの選択肢も選ぶことはできない。どちらを選んでも、大槻教授にとって不利益である。従って、僕が指摘した矛盾を認めるしか逃げ道がなったのである。
こうして、大槻教授は僕のトラップにはまったのだ。
今回の獲物は、大竹まことであった。年末の番組でおまえ呼ばわりされた借りを返すつもりで、あらゆるバリエーションを想定し、幾つものトラップを構築したが、一切僕に仕掛けてこなかった。
議論の関節技地獄に追い込んでやろうと思ったのに、残念である。あまりにもチキンであるし、男として卑怯である。肯定派をののしることで知性派タレントの地位を得た大竹まこと氏に、オカルトをテーマにしたディベートを要求したいと思う。
読者の皆さんへ
もし、宜しければ、こちらもあわせて読んでください。
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山口敏太郎
「ビートたけしの超常現象Xファイル」の反響が多い。(キムタクのドラマの最終回、レッドカーペットの裏で8.9%という数字は健闘したといえる)視聴した方から「大槻教授が出ていないのは何故ですか?」という質問を受けるのだが、大槻教授が出ていないのは、単に夏休みである。どうやら、番組サイドが意図的にはずしたというガセネタが流れているようだが、大槻教授は春から夏にかけて大型の夏休みをカナダでとるのが毎年の恒例になっている。(このあたりは、一度でも放送作家やテレビ関連業界にいた人なら普通に知っていることである)
次回の年末には、再び大槻教授の勇姿が拝めるので、僕も今から楽しみである。僕と大槻教授は昨年末にこの番組で激論を展開したが、決して不仲ではない。むしろ、大槻教授は筆者に最も影響を与えた恩人である。
また、たけしさんの番組における、大槻教授と韮澤社長のオカルトプロレスは、僕の大好きなコンテンツであったが、大槻教授の主張する「論理的な思考」「合理的な解釈」には大いに感銘し、オカルト好きでありながら、大学院に通い修士号を取得した。このあたりの経過が、僕の中にオカルト好きであるのも関わらず、合理的に物事を考えるという特殊な思考パターンを産むことなった。つまり、大槻教授は師匠のような存在である。
学研のミステリーコンテストで賞を頂き、作家デビューしてから、鳴かず飛ばすの僕であったが、修士号獲得後、合理的なオカルト分析により仕事が大量に舞い込む事になった。ありとあらゆるオカルトケースのうち、9割以上否定し、残る1割程度の案件もオカルトの真偽ではなく、民俗学的な評価、哲学的な評価、宗教学的な評価をしてきた。また、エンタメと断言し読者と大人のキャッチボールができる番組やマスコミやメディアでは、楽しくプロレスをやらしてもらった。既に著作も70冊を越え、テレビ出演も60本を越えたとき、ついにたけしさんの超常現象番組からオファーが入った。正直嬉しかった。
「ようやく、あのプロレスの輪に入ることができる。エンタメができる」そう思ったのだ。だが既に、世の中の情勢は変わっていた。単純な否定派、肯定派の二極論の時代は終わり、オカルティストが科学により近づき、先端物理学がSFやオカルトのような理論を構築する時代になっていたのだ。
そこで、僕が決意したのが肯定派、否定派の解体である。
昨年の出演の際、筆者は肯定派で出ることになっていたので、まずは否定派の解体を狙った。
目的はひとつ。
私淑していた自分にとっての師・大槻教授をディベートで打ち破ることである。
大学院で学んだことは、先輩や師を論争などで打ち破るのが恩返しであるという考えであった。
大槻教授の本を愛読していた筆者にとって教授の弱点はわかっていた。教授の論理的な思考の中で唯一の問題点が「アポロが持ち帰った石は、地球上の石となんら変わらない」と主張しているところであった。
しかも、過去の(他局の)番組では「アポロは月にいってない」とまで発言しており、物理学会関係者から批判を浴びている。ここがポイントである。筆者はオカルティストではあるが、アポロは月に行ったと見ている。大部分の人もそう思っているだろう。万民が見ている番組で大槻教授の「アポロは月に行っていない」という”とんでも発言”をひきだせたら、どうだろうか。優勢だった否定派の信憑性を一気に破壊できるではないか。
因みに、昨年末の大槻教授と僕の論争を「アポロ議論」だと思っている人物は多い。だが、あの論争は「アポロが月にいったか、どうか」とテーマとして論じたものではない。僕にとって、アポロが月に行ってようが、行ってまいがどちらでも関係ない。あの攻防は、大槻教授に”とんでも発言”をさせられるか、否かが焦点であったのだ。周りにディベートに詳しい方がいたら、このロジックを確認して欲しい。相手の失言を誘い出すテクニックが存在するのだ。
当日、やはり大槻教授が韮澤さんを打ち破る台本であったため、筆者はブック破り(台本やぶり)を仕掛けた。肯定派、否定派という二極体制を解体し、違った形のオカルト検証番組にするためには、ブック破りしかなかったのだ。当然、現場はガチンコムードに変容したが、たけしさんの英断で続行された。
カットが随分入っており、わかりづらい部分もあるが、筆者は執拗に大槻教授にアポロ否定発言をさせようと試みた。だが、敵もさるもの、月の石の証拠能力は無いという発言はあったものの、なかなか明確なアポロ否定発言はなかった。教授はまた物理学会関係者に糾弾されるのが怖いのであろう。
そこで、ディベートの攻め所を変えた。「アポロが月から持ち帰った証拠である月の石に対して、証拠的能力は無いと言いながら、アポロの月面着陸は否定しない」ならば、「韮澤さんが出した証拠が説得力が無いという理由で韮澤さんのUFOの話を否定することは矛盾してはないだろうか」という論旨でディベートを展開したのである。
僕も確信犯だったのだが、この論理展開はかなり強引である(笑)
だが、大槻教授が僕の指摘からのがれるには、以下のふたつしか方法はなかった
物理学会関係者として禁断の「アポロが月にいってない」という発言をするか、
教授の信念である「月の石に証拠的能力は無い」という主張を撤回するしかなかったのだ。
勿論、どちらの選択肢も選ぶことはできない。どちらを選んでも、大槻教授にとって不利益である。従って、僕が指摘した矛盾を認めるしか逃げ道がなったのである。
こうして、大槻教授は僕のトラップにはまったのだ。
今回の獲物は、大竹まことであった。年末の番組でおまえ呼ばわりされた借りを返すつもりで、あらゆるバリエーションを想定し、幾つものトラップを構築したが、一切僕に仕掛けてこなかった。
議論の関節技地獄に追い込んでやろうと思ったのに、残念である。あまりにもチキンであるし、男として卑怯である。肯定派をののしることで知性派タレントの地位を得た大竹まこと氏に、オカルトをテーマにしたディベートを要求したいと思う。
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