「阿波狸合戦」幕末の四国で起こった狸による大戦争?!
阿波狸合戦は、江戸時代末期に阿波国(現在の徳島県)で起こったとされる、狸たちによる大戦争である。のちのジブリ作品『平成狸合戦ぽんぽこ』のモチーフになったとも言われている逸話であり、狸伝承の残る四国の中でも特に有名なものであると言われる。
幕末のある時、小松島の日開野で染物屋(大和屋)を営む茂右衛門が、人々からいじめられている狸を助けた。その後に、万吉と名乗る人物が大和屋で働き始めると、どんどん店が繁盛し始めた。実は、助けられた狸は「金長」という頭領狸であり、万吉にとり憑いて恩返ししていたのだ。
しばらくして、金長は津田の狸の総大将「六右衛門」のもとに修行へ出ることとなった。「正一位」のため修行に励んだ金長は抜群の成績をあげていったという。一方、金長を手放せば恐るべき敵対勢力になると危惧した六右衛門は、娘の婿養子になることを持ちかける。しかし、奉公が済んでいないという義理と六右衛門の残虐性を見極めた金長はこれを拒んだ。激怒した六右衛門は家来と共に夜襲を加え、その時金長の仲間であった「藤ノ木寺の鷹」が殺されてしまう…(続く)