書評 大人の怪しい実験室～都市伝説の検証

書評　大人の怪しい実験室～都市伝説の検証

　都市伝説の楽しみ方は人によって様々だ。例えば、私こと山口敏太郎の場合は都市伝説を収集し、その地域的な伝播、時代的な変遷を分析する事が嬉しくて仕方ない。人によっては都市伝説を否定しまくる人もいる。本書を記した川口友万氏の場合、都市伝説を実戦するのが大きな特徴である。

ミミズバーガー。
髪の毛醤油
犬を食べたら犬に吠えられるのか。
ネズミ算式にネズミは増えるのか。
目薬で女は昏倒するのか。
ダチョウの卵でゆで卵を作る。

　こんな馬鹿な実験を、実際にやってしまうのだから凄い。最も印象に残ったのは、ＳＭの女王様の尻にしかれ、罵倒された水が綺麗な結晶を創るかどうかというお馬鹿な実験である。「綺麗な言葉を投げかけると水は綺麗な結晶を創る」という（ロハスでスピリチュアルな）甘ちゃんたちの妄想を木っ端微塵に打ち砕く結果は爆笑必至。その徹底した現場主義は、都市伝説界（そんなものがあるのかどうか都市伝説だが）に大きな足跡を残すだろう。

　カワグチさんには、先日のＫＩＣＫさんの超能力実験にも立ち会ってもらったが、今後も実験やデータ検証の時はぜひご一緒願えたらと思っている。この本は大人たちにとっての、理科の教科書といえる秀逸な一冊である。

実験馬鹿一代、川口友万に幸あれ！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　（文・山口）