母の生霊
筆者は怪談師という仕事をしている。その中で、霊ではなく生霊という概念に出会うことが何度かあった。今回はそれを紹介したい。
まずは筆者がコインランドリーでアルバイトをしたときに知り合ったCさんという女性の体験である。
第一話
Cさんは小学生のころ、かぎっ子をしていた。
「ただいまー」
誰もいない家に声をかけて中に入り、鍵をかける。
(今日もお母さん、遅いのかな……)
靴をそろえて、手を洗い、二階に上がった。部屋でベッドに転がって漫画を読んでいると、ガララッと玄関の引き戸が開く音がした。
「ただいまー!」・・・(この続きはこちらから)