UFO怪談・話しかけるUFO

「話しかけるUFO」
＠山口敏太郎、過去の記事の蔵出し
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山口敏太郎
　
　これは筆者・山口敏太郎の都市伝説本の熱心な読者であるAさんのお母さんの体験である。Aさん自身、かなり霊感が強いのだが、お母さんも生まれつき強い霊感を持っているようだ。初めてお会いした時、筆者が差し出した名刺を見て
「この名刺、邪気が物凄い。創った人って何か悪い事をやっているわ」
「どういう事ですか、デザインから何か感じるのですか？」
「このデザインした人は危険だわ、付き合いはやめたほうがいいわ」
　と言って怯えた事があった。その後、この名刺をデザインしたデザイナーとは、とある事件がもとで疎遠になるのだが、Aさんのお母さんの指摘したとおり、彼は非合法な行為に手を染めていた。不思議なことだが、デザインそのものから、そのデザイナーの悪意やの裏側が漂ってくるらしい。
　このAさん親子は、自らの趣味と実益を兼ねて、都内でアロマショップを経営しているのだが、アロマだけでなく、フラワーエッセンスや開運グッズから、外国の雑貨まで幅広く扱っている。そのこだわりは半端でなく、わざわざネパールなど海外に行って仕入れてくる程である。
　勿論、スピリチュアルな世界にも深い理解があるこの親子のお店には、不思議な人たちが日々来店する。ある時など、天使が来店した事があったというのだ。心霊や未確認生物ではない、なんと天使だというのだ。
「うちの店には、天使が来店したのよ。ふふふっ、凄いでしょ」
「天使？　まさか、そういうコスプレの人でしょう」
「いや、本物よ。目の前で消えたし」
　ある日、店内に不可解な雰囲気が流れた。お母さんは店内を見渡すと、背中に羽のはえた人が神々しく立っている。しかも、店内の商品を熱心に見ているのだ。あまりの衝撃に言葉も出ず、唖然としてみていると、突然その人は目の前から消えてしまったという。
「だから、うちの店は天使御用達なの」
　そう言ってお母さんは笑った。このようにお母さんの廻りでは、日々奇妙な出来事が起こっており、筆者も聞かされて驚く事が多い。
　ある日、こんな事を言われた。
「あたしね、ネパールに商品の買い付けにいった時、携帯の動画で木の枝を走り回る妖精と話しかけるUFOを撮影したのよ」
　筆者は仰天してしまった。
「妖精はギリギリ理解できますが、話しかけるUFOってなんですか？」
「しかも、日本語なのよ。日本語でUFOが話しかけるのよ」
　この話を信じる事ができなかった筆者は、お母さんの携帯でその動画を確認させてもらった。すると、確かにネパールの森で木々の枝を走りまわる小さな人影が写り込んでいたし、音声を発しながら、光り輝くUFOの動画が撮影されていた。
　しかも、光り輝くUFOは、ロボットっぽい機械音でこう話しかけていた。
「ちょっと～、見て～！」
　世の中には、常識で判断できない事が多い。
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