「事前相談」

小林君(仮名)は、長く葬儀社に勤めている。
彼の会社では仕事の内容や客の情報をサーバーに登録するため、自社で確立した基幹システムと言うものを使用していた。ある日、出社した彼は上司から葬儀の打ち合わせをするよう指示を受けた。
この時の宗家は岡島家(仮名)と言った。
早速彼はパスワードを入力し基幹システムを立ち上げると、第一報を受けた職員が打ち込んでくれた岡島家の顧客情報を確認した。
すると、今見ている岡島家の顧客頁に一つのリンクデータが添付されていることに気がついた。そのタイトルには、「事前相談」と書かれていた。
最近では亡くなる前から葬儀の内容や予算について相談に来る人がいる。彼の会社ではこれらを「事前相談」と呼び、受けた相談の内容を基幹システムに登録する決まりになっていた…(続く)

