鬼太郎最強のライバル「バックベアード」の由来と成立を考える
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鬼太郎最強のライバル「バックベアード」の由来と成立を考える。
ゲゲゲの鬼太郎シリーズに西洋妖怪の親玉として登場し、度々鬼太郎を苦しめてきたのが最大のライバル「バックベアード」である。
その初出は、1966年まで遡る。『漫画天国』(1966年2月18日号)掲載の「マチコミ」が初登場であるが、この時ビジュアルは現在のものだが「バックベアード」という名前にはなっていない。同年の少年マガジン15号『妖怪大戦争』が「バックベアード」と名乗った最初であると言われている。
この妖怪は水木しげる氏の創作であると言われているが、イギリス妖精バグベアが元だという説も唱えられている。 だが、鬼太郎を苦しめた「バックベアード」と「バグベア」はだいぶ形状が違う。「バグベア」は、全身毛だらけの人間に似た姿をしており、両親の言う事を聞かない子を食べてしまう邪悪な妖精である。
果たして、水木しげる氏は何を引用し、何にインスパイアされて「バックベアード」を創作したのか大変興味がそそられる。
よく言われるのが、内藤正敏氏の写真からビジュアルを持ってきたという説、また同時に、水木作品には画家であるルドンの影響が強く出ているとも指摘されている。
「新宿幻景・キメラ」(『アサヒカメラ』1964年4月号に掲載)
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ルドンの作品群
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「バックベアード」が水木作品に登場した時期より、約一年前に、昆虫の眼を持った「バックベアード」が水木ワールド以外で活躍している。それにしても昆虫の目のようなバックベアードは斬新である。
友人の幕張本郷猛くんが指摘しているが、
1965年に昆虫の眼を持った「バックベアード」が以下の雑誌に登場している。
『少年ブック 1965年8月号』付録である「世界の幽霊・おばけ100選」絵=岡崎甫雄・文=北川幸比古。
こいつに見つめられるとめくらになったり、崖から落ちる。
幕張本郷君のブログを参考
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「昆虫の眼を持った「バックベアード」」 |
『少年ブック 1967年8月号』付録である「怪獣妖怪大行進」 絵=石原豪人 文=不明。
こいつに見つめられると気が狂ったり、崖から落ちたりするとされている。
@なお本書も文は北川幸比古氏の可能性がある。
幕張本郷君の指摘
↓
「昆虫の眼を持った「バックベアード」」 |
上記のことから考えると今の時点で、「少年ブック」に登場した昆虫の眼を持つ「バックベアード」のキャラ設定に、内藤正敏氏が撮影したビジュアルを被せ、水木しげる氏がコラージュした結果、生まれたのが「バックベアード」であるということになるのかもしれない。
今後も新しい資料が確認されれば、この研究は深まっていくだろう。
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