「妖怪図鑑」新規10体

だるま神社の化け物
 千葉県某所にある神社は、小さな祠の中にだるまが祀られており、これが御神体だと言われている。
恨みを抱いている人がこの祠に参ってだるまに願掛けすると、願いが成就されると言われており、近隣では心霊スポットとしても有名である。
実際、このアプリで監修を務めている山口敏太郎は某番組の撮影でこの神社に出向き、実際に祀られていただるまを確認した事がある。
 なお、この神社には不気味な古井戸があるとの噂があったが、深夜2時までかかった大捜索にも関わらず、怪しいものは見つからなかった。
後に風水師であり霊能者でもあるA女史をメンバーに加えて再度捜索したところ、古井戸にも見える四角い箱のような物体を発見。
おそらくこれを古井戸と見間違えた人が噂の発信源となったのだろうという結論を出すに至った。

からから
 茨城県古川市野木町の4号線を入ったところにある某神社には、昭和の頃まで『からから』あるいは『からら』と呼ばれる怪物が出たと言われている。
それは「からから」と音を立てて飛行する怪物体で、この怪物に追いかけられたと語る人々が昭和の頃には多くいたという。
 昭和初期の、ある親子の体験した話によると、ある夜に神社の並木道を歩いて帰っていたところ、二人の頭上に「からから」と音を立てて怪火が迫ってきたという。
二人がそれをかわすと火はそのまま飛び去っていったという。なお、この火は竹で編んだ丸いかごのようなもので、いくつも穴が開いており、中から赤と黄色の火が吹き出ていたそうだ。
 この神社には鳥居の影から時折大蛇が顔を出すなど、不思議スポットとして知られる場所だったようだ。神様を祀る神社に出る妖怪は意外に多い。この妖怪も浄化を求めて現れたのだろうか。

信也くん
 トイレの花子さんや太郎くんなど、近代の妖怪は実在の人物に近い名前が付けられる事が多い。この「信也くん」もそんな現代妖怪の一人(?)だ。
 信也くんはある霊園に出現すると言われており、深夜に墓場で「信也くん」と大声で叫ぶと、草むらから全身が真っ黒の子供が出てくるという。
深夜でないと出てこないため、「信也くん」は「深夜」にかけた洒落から付けられたものかもしれない。
しかし、名前に漢字が当てられていることから、実際に信也くんのモデルがいたとも考えられている。
 例えば、神奈川県の某所には「さとしくん」と名付けられた像があり、これは近くの池で溺死した少年「さとしくん」を慰霊するために作られた像だったが、
深夜に動きまわると噂され、心ない人が像にいたずらするようになったため、現在では撤去されてしまったという。

きのこのお化け
 北海道釧路近郊の町に1メートルぐらいのきのこに似た化け物が出るという。正体は道祖神だと言われているが、この化け物は追いかけてくるらしい。
あまりに怖いので、追い払おうとしてうっかり棒で殴ったりすると、自分の股間が痛くなると言われている。
しかし、女性が会うと良縁に恵まれるとも言われており、かなり変わった特徴をもつ妖怪であるといえよう。
 この話は道祖神に対する信仰が零落して生まれた妖怪伝承だと考えられている。
また、北海道といえば先住民族のアイヌがいた地でもあるが、アイヌに伝わる伝承では男性器や女性器に似た形の妖怪が出てくるものがあり、何かしらの関係があるのかもしれない。
 そうでなければ、最近何かと話題になった『あのゲーム』のきのことか。

オンブスマン
 オンブズマンは、街中に出る妖怪だ。
ターゲットを見つけると突然赤ちゃんのような鳴き声を上げ、かわいそうに思った人が抱き上げるとそのまましがみついて急激に自分の体重を重くさせ、押しつぶしてしまう妖怪だという。
 昔は山に生息していたが、今では街に降りてきて女子高生にしがみついたりするらしい。この街に降りてきた種類を特別に分けて『しみんオンブズマン』と言うそうだ。
 おぶさってくる妖怪は『おばりよん』や有名な『子泣きじじい』など色々といるが、こちらはさすがに実際の団体の名前から名付けられたパロディ妖怪だろうと考えられている。
習性はほとんど有名な『子泣きじじい』の話の焼き直しであるし。

倉庫の生首
 今から20年前のこと、ある企業が千葉某所に倉庫を建設することにした。
その地には昔から祟ることで有名な稲荷があったのだが、どうしても新設倉庫の邪魔になるため、敷地内部で稲荷を移動して建設することにした。
地元の建設会社の殆どが祟りを恐れて嫌がっていたが、最終的には施主側が押し切って移動させてしまった。
 それ以降、稲荷の祠を移動させるよう命令した施主側の社員が休止する、作業員が高所から転落する事故に遭うなど、様々な事故が起きた。
転落した作業員の首はもげかかっていたとも言う。それでも何とか倉庫は完成したのだが、倉庫では生首だけの幽霊が目撃されるようになった。
積み下ろしの作業中に荷物の上に乗っている、最後の確認をしている最中に降ってくる、などなど……
 勤務していた作業員たちは、工事の最中に亡くなった作業員の霊ではないか、稲荷がこういう怪現象を見せているのだと噂し合ったという。

おかね松の怪女
 千葉県浦安市は海神下から二股にかけて、葛飾田んぼという長い道があった。ここには可愛らしい女性の幽霊が出現し、
船橋の遊郭帰りの男が近くを通ると魅入られてしまい、そのまま女性の幽霊に海まで連れて行かれてしまうという伝説があった。
 ここに出る幽霊は吉原の遊女だったおかねという名の女性の霊だとされていた。
彼女は浦安の塩を運ぶ船の船頭と恋仲になり、お金の年季があけた後に二人で夫婦になる約束をしたのだが、待ち合わせの場所に行っても男はやって来なかった。
おかねは男に裏切られたのである。しかし、その事実を認めたくないおかねはそこで待ち続け、ついには衰弱して死んでしまったという。
この話を聞いた同僚の花魁たちはおかねを憐れみ、お金を出しあっておかねのための塚を建立した。この塚は『おかね塚』といい、今もこの地に残っているという。

髪の毛を抜く妖怪
 現代妖怪の中には意味の分からない、しかし気味の悪い行動を見せるものがある。たとえば、この『髪の毛を抜く妖怪』などがそうだ。
 この妖怪はすれ違いざまに他人の肩を叩き、その人が振り向いた瞬間に髪の毛を全て抜いてしまうという。
この妖怪の外見は人間そっくりであるため、すれ違っても妖怪だとは気づかない。だから、この妖怪に髪の毛を抜かれないようにするためには以下の呪文を唱えるとよいとされている。
「あさいしうすええお」
 江戸時代には髪の毛を抜く妖怪もとい、髪の毛を切ってしまう妖怪がいた。
例えば「髪切り」という妖怪は糸切り鋏に似た手で髪を切ってしまうと言われていたし、実際に女性の髪が元結から切り落とされたりといった事件が相次いで
『黒髪切り』なる妖怪が生み出された事もあった。もっとも江戸時代の事例では人間のいたずらによるものが大半だったようだが、現代の髪の毛妖怪の正体は果たして?

タネズミ
 タネズミは1847年に新種に認定された鼠である。しかし、その後の捕獲事例が無いため現在では突然変異種ではないかと考えられている。
 海外の学者が日本から送られてきた標本を元に鑑定し新種と認定したが、標本はイギリス人が青森と山形で捕獲した2例のみ。
大きさはクマネズミとハツカネズミの中間ほどで、耳は長く卵のような丸型、毛は短く頭から背にかけては錆色、体は灰茶色で腹部は白っぽいとされている。
 タネズミの外見については、来日した医師シーボルトが長崎に滞在していた1823年から29年の間に採集した膨大な動物標本や日本人絵師等が描いた下絵を元に、
オランダのライデン博物館の研究者によって作成された「日本動物誌」の哺乳類編に描かれている。
そこにはホンドヒメネズミ、ホンドハツカネズミと共にやや大きなタネズミの絵が描かれているのだ。
なお、本書の刊行は1842年から1844年。正式に新種認定される前に掲載されたものと考えられる。

体内に棲む怪鳥
 明治31年6月16日、北海道高島郡祝津村の佐々木儀三郎氏の遺体を焼く途中、体内から奇妙な鳥が出て来た。
体長は約六寸(約18センチ)、足はカエルのよう、尾は鼠のように見えたが総じて全身は鳥にみえる、翼のある謎の生物であったと1898年6月28日発行の『都新聞』が報じている。
 足がかえるのよう、と言うことは水鳥のように水かきがあったのだろうか。それとも、本当に蛙のように太股の筋肉の発達した足を持っていたのだろうか。
興味は尽きないが、図版も残っておらずこの奇妙な鳥がその後どうなったのか、どこかへ飛んで行ったのかしばらく飼育していたのか等についても詳細は伝わっていない。
 このように人間の体内に鳥が出入りする話は珍しいが、死者の魂が鳥になると言う考えは古来よりあった。
歴史上の人物でも、強い恨みや想いを残した人物の魂が鳥に姿を変えたというエピソードが残っており、物部守屋は「寺つつき」に、藤原実方は「入内雀」になったとされている。


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