母に纏わる因縁話【後編】

(前編から続く)
しげしさんが、母の大切にしていたフランス人形にかかわる霊的な体験をした翌年のことだ。
受験を前にしたしげしさんは、繰り返し同じ夢を見るようになったという。毎晩のように繰り返す夢の中では、無数の手が自分を引きずりこもうとしている。
(やめろ……!やめてくれ……!)
翌朝、しげしさんが目を覚ましてリビングに下りていくと、きまって母は優しかったという。
(まただ……。あの夢を見た後、いつも母さんは優しい……)
そして、母はいつもしげしさんに「ごめんね……」と謝っていた・・・(続く)

