山の怪異・伝承の一画を築き上げた自然現象「ブロッケンの妖怪」
ドイツのハルツ山脈の最高峰であるブロッケン山では、ワルプルギスの夜が開催されたという伝承があり、昔から魔女や死者の魂が集まる山としても知られている。その中でも、昔からヨーロッパではこの山に登ると突如として謎の人影が姿を現すとして非常に恐れられ、「ブロッケンの妖怪」と呼ばれていたという。
ブロッケンの妖怪は、現在では自然現象の一つと明言され「ブロッケン現象」とも呼ばれている。太陽光に照らされた自分の影が霧やガスに映し出される現象であり、 多くは巨大な影となって現れ、時としてその影の背後に後光のような丸い虹を伴うこともある。かつては、登山中に命を落とした人々の亡霊ではないかとも言われていた…(続く)