サバンナ八木はホームレスを死人と間違えていた。
人気お笑い芸人・サバンナの八木は、かなり裕福な家庭に育った。そのせいだろうか、世の中にホームレスという住む場所が無い人がいるという事実を認識してなかった。だから、大きくなって都会に出てきて、道端で寝ている人を見て一体なんなのか、理解出来なかった。悪い先輩が『あれは死んではる人や』と嘘を教えたところ、すっかり信じてしまい、道端で寝ているホームレスを見る度に手を合わせていた。ある日、いつものように寝ているホームレスに手を合わせていると、『わいは死人ちゃうがな』とホームレスにぶち切れられた。 文・山口敏太郎