トヨタの衝撃。

日曜のＮＨＫで、
　トヨタの工場が海外に移転している
のに伴い、
　第一次の部品下請企業　（アイシンなど）
や、
　第二次の部品下請企業
が海外に移転しているというドキュメンタリーがありました。

第二次の下請企業は、
　海外企業と戦わなければならない
ため、かなり厳しい競争を強いられることになります。

第一次下請けは、特許や技術などで、守られる場合があります。
第二次下請けは、
　それほどの技術が要求されない
場合が多く、
　海外の企業でも作れてしまう
ので、
　価格競争に陥る
ことになります。

さらに、問題は、
　第二次以下の小規模の下請け企業は、法的に守られない
ということ。

簡単に、部品の図面などを持ち出されてしまうおそれもあります。

特に、二代目三代目は、厳しくなります。
情より、品質とコストが重視される時代なので、
　いくら親の代からの取引先であっても、
　同じようなモノが半額で作れるのであれば、取引を変えられてしまう
からです。

また、元請にも事情があります。

海外で元請が喜ばれるのは、
　雇用を創出する
からです。

そうなると、
　部品は現地の会社で頼んでやってくれ
という圧力がかかってきます。

当然、地元との友好関係を考えるのであれば、
　同じ部品が現地で作れるのなら、そちらから調達したい
と考えることになります。

そのため、国内企業はかなり厳しい。
中国では法律上、合弁会社を作る必要がある。
他の国も、日本の会社を設立しても、
　採用は現地採用
なので、日本の人員は徐々に削減することになる。

ちなみに、日本は９割が中小企業。
下請企業が圧倒的に多い。

日本の雇用を支えているのは、こういった大手企業の下請企業です。

それが、
　大手企業の海外進出により、どんどん経営が厳しくなっている
わけです。


今、日本に求められているのは、仕事の創出です。
若者が働け、知識や経験を磨けるような環境があると、
　内需が拡大し、国家に勢いが出てきます。

高齢者も働けるような環境があると、
　年金による不安を減らす
ことができます。


大手製造業が海外に移転するということは、
　第１次下請け
はなんとかなっても、
　ピラミッド構造になっている第２次、第３次、第４次といった中小企業は死活問題である
ということ。

日産の工場閉鎖の際に、失業の問題がクローズアップされていましたが、
今後、かなり厳しくなっていく虞があります。

ポイントは、円高と人件費の削減。

労働組合が頑張り、労働法規が労働者に有利になればなるほど、
　かえって、労働者の仕事が海外に流れ、失業者が増える
という皮肉な事態に陥るおそれがあります。

これが、グローバル化時代。
すでに、世界規模で仕事の取り合いが始まっています。

この戦いに敗れたのがスペイン。
若者の失業率５０％という異常な時代に陥っています。